平成14年12月3日(火曜日)14時~16時
第7会議室(文部科学省別館)
代谷座長、越塚座長代理、瓜生委員、小佐古委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、冨田委員、中島委員、林委員、山中委員
山元科学技術・学術政策局長、広瀬原子力安全監、青山原子力安全課長、吉田原子力規制室長 他
(1)吉田原子力規制室長、代谷座長から開会の挨拶
(2)事務局から配布資料の確認
(3)前回(第2回)会合議事概要の確認
配布資料5‐1について、コメント等があれば12月13日までに事務局まで連絡することとされた。また、第4回検討会において配布した第3回検討会議事概要については、締め切りまでに特段のコメントがなかったため、案のままで確定し、今後文部科学省のホームページ等で公表することとされた。
(4)原子炉等規制法等の改正について
配付資料5‐2及び5‐3に基づき事務局より説明の後、次のとおり委員から意見、質疑があった。
○ 丹沢委員 文部科学省では検査は原則、本省がやるが、省の判断で各種検査を新しい原子力安全基盤機構に依頼することもできるということか。
● 事務局 経済産業省の規制業務分については、基本的に、定型的な検査は同機構に実施やってもらうことになる。文部科学省分は当面検査の業務量はさほど多くないと見込んでおり、本省自ら行いたいと考えている。ただし、現在の体制では業務の遂行ができないような場合は同機構に業務を委託できるように法整備をしたということ。
○ 小佐古委員 今回の改正で溶接検査その他は独立行政法人が行うということで、公益法人よりも国側に寄ったところになるが、保障措置関係の核物質管理センターは将来的にどうなるのか。
● 事務局 保障措置は非常に特殊な技術・能力を要する業務であることから、従来どおり核物質管理センターが指定機関としてやっていくという整理になっている。
(5)研究炉の健全性確保について
資料5‐4から5‐6に基づき事務局より説明の後、次のとおり委員から意見、質疑があった。
○ 小佐古委員 研究炉は多様性をもっているので、自主点検については保安規定に書き込み、保安規定遵守状況を調査するという流れだと思うが、長期的に見ると何でも保安規定につっこんでおいて遵守状況調査でクリアするというのは保安規定ばかり肥大化しないか。
● 事務局 一時的に保安規定が簡略化された時期があったが、JCO事故の反省で運転管理をしっかりやってもらうために保安検査及び保安検査官を法的に位置付けた。しかし、そのためには保安規定がしっかりしていることが前提であるので、充実をさせてきたところ。当面はこういった考え方で行きたい。
○ 越塚委員 試験研究炉の安全規制のあり方については、海外の事例、例えばNRCの規制についても参考にすべき。
● 事務局 東京大学の岡先生がまとめたレポートがあるので次回紹介することとしたい。
○ 代谷座長 同じ組織でもあるので、できれば越塚委員からご説明いただきたい。
○ 冨田委員 定期安全レビューは元来、プラントについて最新の知見に基づいて運転が継続可能かどうかを確認するものであって、検査の分類の見直しなどはその結果として副次的に出るものだと思うが。
● 事務局 ここで考えている安全レビューは経済産業省で行われている定期安全レビューと同じということではない。ただ、経時的変化に対する対策としてレビューすることが重要な点であることは確か。
○ 林委員 研究炉安全レビューは継続するのか、一巡して終わるのか。
● 事務局 原子炉設置者が展開している維持管理の方策が適切かを評価するため、まずいくつかの研究炉に対し実施する方向。更に、直接的な点検ができず安全レビューにて健全性及び寿命評価を実施する必要のある炉については、定期的に行うことが必要と考える。
○ 高橋委員 研究炉にも何らかの維持基準が必要ではないか。
○ 中島委員 維持基準が必要ではないというのではなく、維持基準は各炉ごとにそれぞれ考えるべきと考えてよいか。広い意味では定期検査でも定期自主検査でも性能を数値的に検査しているものは維持基準があるといえるのではないか。また、炉心構造材などで設計段階から寿命を評価しているものは、適宜交換している。これも維持基準があると考えられるのではないか。
○ 代谷座長 気になっているのは維持基準の考え方。それぞれの事業者が判断したものが維持基準であるというのは今の社会では通用しないので、もう少し客観的なものが必要であるという話にならないか。
● 事務局 設備機器の健全性の維持は事業者の責任であるため、その維持基準は原子炉設置者が持つべきものと考える。国は、災害を防止するために必要な性能が維持されているかを検査することが法に定められており、性能の維持基準は既にある。
○ 小佐古委員 維持基準的な運用を行うべきかどうかは、これまでの事例について十分に把握して議論すべき。過去のトラブルなどのデータベースはないか。研究炉についてどのような共通的なファクターでくくれるかどうかは、事例研究が先行しないとわからないのではないか。
● 事務局 過去の事例については以前にご紹介したように件数が多くない。それ以上の詳細なデータについては今後事業者の協力を得なければならない状態。
○ 代谷座長 小佐古委員のいわれるのは国内だけではなく国外も含めての事例研究のことだろう。
○ 丹沢委員 過去の科学技術庁の委託で調査した結果がまとまっていると思うので、それが参考になるのではないか。
(6)品質保証システムの導入について
資料5‐7に基づき事務局より説明の後、次のとおり各委員から意見、質疑があった。
○ 冨田委員 国が品質保証活動について原子炉設置者に求めるものは何かよくわからない。
● 事務局 商用発電炉と違い、研究炉については品質保証活動に対する考え方が具体的な姿になっていない状態。今後議論を深めたい。
○ 小佐古委員 世の中で品質保証や環境のプログラムが動いている現状を考えれば、品質保証システムについて考えることは避けられない。むしろ積極的に利用すべき。ただし、どのような範囲でやるのか、どのように動かすのかについては現場に即して工夫が必要。
○ 丹沢委員 現行保安規定が品質保証システムそのものであるので、それとの関係と、保安検査のやり方をもう少し変えていく必要がある。
○ 越塚委員 品質保証は全体との関係では原子炉設置者と規制当局の役割分担をどうするかということ。安全確保の一義的な責任は100%事業者にあり、国の関与は監査型に持っていくという考え方にしていただきたい。
(7)その他
次回(第6回)会合は2月4日(火曜日)を第一候補とし、正式には後日調整することとなった。
担当:宮田、岩田、北村
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