研究炉等安全規制検討会(第4回) 議事要旨

1.日時

平成14年10月23日(水曜日)14時~16時

2.場所

特別会議室(文部科学省別館)

3.議題

  1. 定期安全レビューについて
  2. 原子炉の解体、廃止に伴う適切な安全管理について
  3. 原子力施設に対する総点検について
  4. 国の施設定期検査・保安検査と事業者の自主点検の関係について
  5. その他

4.出席者

委員

代谷座長、越塚座長代理、瓜生委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、冨田委員、林委員、前田委員、山中委員

文部科学省

山元科学技術・学術政策局長、広瀬原子力安全監、青山原子力安全課長、吉田原子力規制室長   他

5.配付資料

資料4‐1:第3回研究炉等安全規制検討会議事概要(案)

資料4‐2:試験研究炉定期安全レビュー(仮称)実施の検討について

資料4‐3:原子炉における解体、廃止に伴う適切な安全管理に関する論点について

資料4‐4:原子力施設に対する総点検について(現状と今後の予定)

資料4‐5:国の施設定期検査・保安検査と事業者の自主点検の関係

参考資料1:日本原子力研究所東海研究所JPDR原子炉施設の廃止届

参考資料2:研究用原子炉の廃止措置に関する基本的な考え方200※(案)
‐(社)日本原子力学会‐

参考資料3:実用発電用原子炉施設の廃止措置に係る安全確保及び安全規制の考え方について‐総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会廃止措置安全小委員会‐

参考資料4:原子力発電施設における自主点検記録の不正等に対する対応について‐原子力安全委員会決定‐

6.議事要旨

(1) 吉田原子力規制室長、代谷座長から開会の挨拶

(2) 事務局から配布資料の確認

(3) 前回(第2回)会合議事概要の確認
配布資料4‐1について、コメント等があれば11月1日までに事務局まで連絡することとされた。また、第3回検討会において配布した第2回検討会議事概要については、締め切りまでに特段のコメントがなかったため、案のままで確定し、今後文部科学省のホームページ等で公表することとされた。

(4) 定期安全レビューについて
配布資料4‐2に基づき、桜井委員から説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。

○ 代谷座長 定期安全レビューをやって、今までの検査ではわからなかったところが何かわかったという点はあるか。

○ 桜井委員 新たなことというものは特にないが、系統的に整理できたということと、若手への技術の伝承といった観点で非常に役に立った。

○ 林委員 保守管理や検査、点検等の面で新たに追加すべき対策などは浮かび上がってこなかったか。

○ 桜井委員 新たな項目は特に出てこなかったが、これまでの項目の重要性を再認識できた。

○ 越塚委員 資料の3ページ目に維持基準の検討の必要性の記述がある。自分も同意見だが、法律を守っているかどうか、レビューの結果、適切であると判断するときに何か第三者的な客観的な基準がないといけないのではないか。

○ 桜井委員 おっしゃるとおり。我々も独自の維持基準は持っているが、客観的なものにしていく必要がある。

● 事務局 今回の試みは定期安全レビューが研究炉の高経年化対策にどう役立つかを見るという意味があったが、技術伝承などの波及的な効果ではなく、実際的な効果はあったか。また、実施にあたって普段の安全確保をやっている人が見た方がいいか、違った人が見た方がいいか、原研でどのように行ったのかが今後の参考になると考えられる。

○ 桜井委員 1点目については、第三者や材料の専門家等にも参加していただいて評価した結果、これまで現場で行ってきたことの妥当性を確認することが出来たと考えている。後半については、実際のデータの収集やそのまとめなどは現場でやったが、それとは別にその妥当性や内容の評価をするために専門の委員会を設けて第三者的に実施した。

○ 山中委員 今回のレビューではPSAは行っていないが、人的・時間的余裕があればPSAを行うことも可能だったか。また、研究炉のレビューでPSAを行う必要性をどう考えるか。

○ 桜井委員 必要性云々までは考えていないが、現実として、JMTRの部品そのものに対しての故障率等のデータが今はそろっていない。軽水炉のものを持ってきても必ずしも有効な診断は得られないということから、時間的にも今回は無理であると判断した。

● 事務局 発電炉の場合は一定以上の温度、圧力のものは供用期間中検査が義務づけられているが、研究炉ではその基準に当てはまるのはHTTRだけ。ほとんどの研究炉では圧力も温度も低く、どれだけ経年劣化が起こるのかが見通せないので、今回の定期安全レビューは、研究炉の場合どのようなレビューが必要なのか検討するため、とりあえずやってみようということで実施した。

○ 代谷座長 ちょっと気になるのは、定期安全レビューというと経年劣化などを含めた健全性の話がポイントだと思うが、果たしてこのやり方で良いのかどうかという気がする。

● 事務局 定期安全レビューのあり方を議論する際に、「定期」という意味があるかどうか、また経年劣化についてと安全活動全般については別の姿のレビューがありうるとか、いろいろな議論をこれからやっていけば良いのではないかと思う。

○ 桜井委員 今回の報告書は定期安全レビュー(仮称)という表現をしているが、まとめるにあたって、高経年化という観点で「定期」ということがいいのかについて議論したが、結論は出ずじまいだった。

○ 冨田委員 お話を聞いてやはりプラントによって随分違うなという印象。例えば常陽などであれば、温度が高かったり、熱過渡が大きかったりするのでもう少しハード的なものに着目したレビューが必要だろう。

○ 桜井委員 JMTRの場合、50℃、15気圧の運転で、炉心も頻繁に取り替えている。燃料については40日もすると全部取り替えることになるので、このような状況になっている。

○ 代谷座長 ハード的なものは三十数年使っていて特に問題になりそうなところはないということか。京大炉だと、アルミタンクの中に炉心が全部入っているが、タンクの周りを覆っているコンクリートとタンクの間に水分が入って裏側から腐食することを一番気にしている。10年前と3年前にチェックして、今後も定期的にやろうということにしているが、そのようなところは特にないか。

○ 桜井委員 JMTRでは昭和34年、臨界になってすぐにステンレスのプールが漏って2年近く止まった経験があるが、その対策を厳重に取っており、その妥当性については今回もチェックした。

続いて配付資料4‐2の添付資料「炉の特徴を踏まえた安全規制の実施について(案)」について、事務局より説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。

○ 冨田委員 重要度分類だけで対応を決めると、今までの話はがらっと変わる可能性がある。今まで細かい計算が必要だったものが重要度分類上それはいらないということがどんどん明らかになってくるはず。そこまで踏み切るのかどうか。

○ 代谷座長 だからといって反対にいままでどおりで良いのかという話はある。少しずつでもやれるものからやっていって、その結果として設置変更などの形で反映されていくものがあっても良いのではないか

● 事務局 これについては全ての研究炉で一度に全部やっていくということではなく、出力などである程度分類した上で、まずは代表的なものについて当たってみてはどうかと思っている。その中で少し整理が付くのではないかと思う。

(5) 原子炉の解体、廃止に伴う適切な安全管理について
配布資料4‐3に基づき事務局から説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。

○ 丹沢委員 良く論点が整理されているが、逆に検討事項として残っているという裏返しでもある。具体的方策と問題点のところで、いくつかに共通していることだが、現行の法の枠組みだと難しいところも本来的には制度を改善していくよう検討すべき。また、外廃棄が今はできないが、どんなことが可能かという検討もすべきでは。

● 事務局 これらの問題点を整理していく中で、法改正も一つのオプションとして考えながら検討したい。外廃棄は炉規法の制度上では手段として残っているが、運用上はきれいに整理されてはいないというのが現状。外廃棄ができる条件なども検討し、必要があれば外廃棄という手段もありうるのではないかと考えている。

○ 越塚委員 炉規法の中で、炉から使用施設への転換ができるようにはならないか。炉が無くなって、使用済燃料と廃棄物だけ残っているような場合、どこに困難があるのか。

● 事務局 ここで困難としているのは使用済燃料について。使用済燃料については炉規法上、貯蔵の事業という位置づけがあり、1トン以上の燃料の貯蔵には許可が必要となっているので、使用施設で同様に貯蔵するのは困難ではないかということ。

● 事務局 使用済燃料については貯蔵の事業、廃棄物については廃棄物の管理事業というのがそれぞれある。使用についても本来は核燃料物質を研究などに使用するというものを想定しているはず。それぞれの事業等の最後のところをどうするかは、これまで緻密な議論がされていなかった部分だと思う。これから少し時間を与えていただいて、きちっとした議論をしていきたい。

また、本議題に関連して、参考資料1について事務局より説明を行った。

(6) 原子力施設に対する総点検について
配布資料4‐4に基づき事務局から説明があった。

(7) 国の施設定期検査・保安検査と事業者の自主点検の関係について 配布資料4‐5に基づき事務局から説明があった。

(8) その他
次回(第5回)会合は、12月3日(火曜日)を予定。

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:宮田、岩田、北村
電話番号:03‐5253‐4111(内線7164)(内線7173)(内線7178)
ファクシミリ番号:03‐5253‐4037

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)