平成14年10月4日(金曜日)10時~12時
特別会議室(文部科学省別館)
代谷座長、瓜生委員、小佐古委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、冨田委員、林委員
山元科学技術・学術政策局長、広瀬原子力安全監、青山原子力安全課長、吉田原子力規制室長 他
(1) 吉田原子力規制室長から開会の挨拶
(2) 事務局から配布資料の確認
(3) 前回(第2回)会合議事概要の確認
配布資料3‐1について、コメント等があれば10月11日までに事務局まで連絡することとされた。
(4) 安全規制のあり方について‐東電問題への当省の対応‐
配布資料3‐2(本文及び別添1~2)に基づき、事務局から説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。 (○印:委員の発言、→事務局の発言。以下同じ。)
○ 代谷座長 総点検結果に対する今後の対応について、「客観的手法をもって」というのは具体的にはどういうことか。
→ 恒吉運転管理・検査管理官 事業者の中でどのような体制を組んで、どういう手法で、何を根拠に調べたかを確認するが、内部監査チームのような対応をとったか、帳票等のエビデンス等がそろっているか、下請け業者等との関係の整理などについて調査したい。
○ 小佐古委員 研究炉や小さい核燃料の研究施設は、高温高圧でもないので、動力炉とは異なった特性を持つが、それでもどうやって客観性・透明性を確保するかは重要な議論。高経年化、自主検査、解体炉、品質保証等々についても、客観性・透明性の確保の仕方という意味での議論をしていただきたい。また、今は議論が経産省などで動力炉を中心に急激に進んでいるが、冷静に研究炉の特性を踏まえて議論してもらいたい。
→ 広瀬原子力安全監 ご指摘のとおり、取り組んでいきたい。まずは後ほど説明する自主点検をどう位置づけていくかということから始めていきたい。
配布資料2‐3(別添3)に基づき事務局から説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。
○ 冨田委員 事業者の自主点検のうち2番目を施設定期検査ではなく保安検査の中で見ていくということだと、施設定期検査の性能検査がかなり少なくならないか。
→ 吉田室長 性能を見ているもの以外の外観検査、分解検査などを保安規定に位置付けて保安検査で確認することを考えている。事業者が実施する定期自主検査と国の施設定期検査の両方で実施する点検項目もある。
○ 丹沢委員 保安検査は保安規定に定められたことをソフト面でやっていく形だが、今回の案の運用は、ハード的な部分も保安検査の中に盛り込んでいくということか。
→ 吉田室長 このような検査を保安規定に位置付けようとしているが、保安検査のやり方については別途検討が必要。品質保証体制など事業者の検査の体制を見るというソフト的なやり方もありうると考えている。
○ 代谷座長 施設定期検査はハードの検査、保安検査はソフトの検査と考えていたが、今後は、やり方のソフトの部分は別として、実際の性能の部分まで保安検査の方でやるのか。
→ 吉田室長 保安検査のやり方として、ソフトだけということではなく、運転管理業務として自主検査に立ち会うということもありうると思う。
→ 広瀬原子力安全監 事業者の安全管理に必要な規定は基本的に全て保安規定に盛り込むことになっており、自主点検も含めて保安規定に入るということは無理のないことだと思っている。原子炉等規制法が改正されて、保安規定の遵守状況を保安検査で確認することになったが、保安検査は必ずしもソフトの検査ということではなく、事業者が分解検査などをするときに立ち会って、的確に行われているかを確認するなどの方法もあると考えている。
○ 小佐古委員 暫定的にこのように対応されるのは迅速で結構なことだが、今後はIAEAのガイドラインや他国の考え方などについても根本的にさらって、研究炉の特徴を踏まえたあるべき仕組みを研究することも必要。
→ 広瀬原子力安全監 今回の件を契機に原子力安全委員会でも原子力施設の規制のあり方について検討を始めている。IAEAの安全基準や試験研究炉それぞれの特徴も踏まえて、根本から諸施設の安全規制のあり方を考えていきたい。
○ 瓜生委員 事業者が保安規定に位置付ける際にどの部分を盛り込むかは個別の対応になるのか。
→ 倉田企画官 そのとおり。
○ 高橋委員 17ページの図で、事業者の自主点検と国の検査の関係としては、書いてある矢印以外にも情報が行くのではないか。変更部分をわかりやすくするために省略したのか。
→ 吉田室長 そのとおり。細かく表現すると矢印の引き方が難しくなるので簡単にしたもの。一部は我々が実際に検査で確認している項目もあり、それは矢印とは別のイメージになる。
○ 代谷座長 資料3‐2については、原子力規制室の考えを了承した形でよいか。
(委員から異議なし)
(5) 解体中の原子炉の規制について
配布資料3‐3に基づき事務局から説明の後、次のとおり各委員から意見、質問があった。
○ 丹沢委員 廃止の際、複数の原子炉がある事業所の場合は、設置許可申請書を変更するのか。
→ 広瀬原子力安全監 廃止届が提出された時点で、設置許可申請書から自動的に削除されると考える。
○ 丹沢委員 原子炉としての機能をやめて、放射性廃棄物を使用施設で管理できていれば、原子炉施設は廃止できると解釈して良いか。
→ 広瀬原子力安全監 そこは重要なポイントだと考えているが、その点は今後もう少し精査したい。ここで想定しているのは、原子炉の設置許可を持っている同じ事業所の中で管理されるということ。
○ 代谷座長 原子炉の機能を失っているのに原子炉の規制を受けるというのは矛盾がある気がする。炉規法の中で規制区分を変えられれば非常に良いのではないか。
→ 広瀬原子力安全監 JCO事故の後、加工事業の許可を取り消した際、使用の許可を取って管理しているといった例もある。解体中の原子炉が解体中のまま残るのは適当ではないので、いろいろなやり方を検討したい。
○ 丹沢委員 原子炉施設のある部分でRIを使用している場合など、RI施設としての機能だけ残るような場合、炉規法だけでなく障防法との関係も検討する必要があるのではないか。
→ 広瀬原子力安全監 放射性廃棄物については研究所などでは一部混在しているようなところもある。違う法律でどう考えて行くべきか、検討したい。
○ 小佐古委員 解体届を出してから廃止に至るまでの運用のルールを工夫すれば、法令改正などなしにミニマムな方法でうまくいくのではないか。
→ 広瀬原子力安全監 解体以降について手続き上は特に改良すべき点があるとは考えていない。この手続きをいかに的確に運用していくかが大事であるので、一つ一つ整理して取り組んでいきたい。
○ 桜井委員 解体中の原子炉については、規制の内容は解体の進捗にあわせて少なくはなるが、性能維持の観点から一部検査がされている。燃料要素を取り除き、装荷できなくなった状況では、解体の安全性や外部への影響の低減といった観点から規制すべきではないか。
→ 南山補佐 その点については現在も国が解体工事に伴う安全確保の確認をさせていただいていると認識しているが、定期検査の内容については引き続き検討したい。
○ 丹沢委員 廃止措置に関しては日本原子力学会の標準委員会でも研究炉の廃止措置の考え方をまとめているところ。まだ案の段階だが、この場で紹介していただいてはどうか。
○ 小佐古委員 発電炉の方も昨年議論が終わったので一緒に出してはどうか。
→ 広瀬原子力安全監 はい。
○ 小佐古委員 研究炉の場合は原子炉としての機能を失ってから後のプロセスが複雑。動かしていないのに何十年も主任者をおいて検査を受けているところもある。また、大学が持っていたり、試験研究用だったりするので維持経費も相当な負担になっている。何らかの知恵を出しても良いと思う。
→ 広瀬原子力安全監 ご指摘のように解体中の原子炉について、解体の段階にもよるが定期検査、保安検査、原子炉主任技術者等の規制をどうやっていくのか、整理していきたい。
(6) その他
次回(第4回)会合は、10月23日(水曜日)を予定。
担当:宮田、岩田、北村
電話番号:03‐5253‐4111(内線7164)(内線7173)(内線7178)
ファクシミリ番号:03‐5253‐4037