研究炉等安全規制検討会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成14年7月29日(月曜日)14時~17時

2.場所

文部科学省別館特別会議室
他機関における検討の状況等について

3.議題

  1. 研究炉等安全規制検討会の開催について
  2. 研究炉に対する検査の現状について
  3. 他機関における検討の状況等について
  4. 検査のあり方について

4.出席者

委員

小佐古委員、越塚委員、桜井委員、代谷委員、高橋委員、丹沢委員冨田委員、中島委員、林委員、前田委員

文部科学省

山元科学技術・学術政策局長、瀬山大臣官房審議官、青山原子力安全課長、吉田原子力規制室長他

5.配付資料

資料1‐1:研究炉等安全規制検討会の開催について

資料1‐2:原子炉施設に対する検査の現状

資料1‐3:原子炉設置者等から提起された課題

資料1‐4:他機関における検討等

資料1‐5:検査のあり方の検討に資するための論点(案)

(その他の席上配付資料)

○ 研究炉等安全規制検討会の運営について(案)

○ 検査制度見直しの方向性‐検査の在り方に関する検討会中間とりまとめ‐
(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会報告)

6.議事要旨

(1) 山元科学技術・学術政策局長より開会の挨拶

(2) 委員及び事務局の紹介

(3) 委員の互選により代谷委員を座長に選任し、座長の指名により越塚委員を座長代理に選任。

(4) 資料「研究炉等安全規制検討会の運営について(案)」を了承

(5) 事務局より資料の確認

(6) 検討会の開催に至る経緯及び研究炉等の安全規制に関する検討課題等について事務局より説明の後、委員より意見、質問があった。主な意見及び質問は以下のとおり。
(○印:委員の発言、→:事務局の発言。以下同じ。)

○ 代谷座長 定期安全レビューについては、安全性あるいは信頼性の向上を考えるのか。現状の機能を維持し、これまでどおりの安全を確保するという形になるのか。

○ 冨田委員 今後、研究炉等の安全規制に定期安全レビューを取り入れていこうという趣旨か。
→ 吉田室長 一つのアイデアとして示したもの。導入の可否も含めて広く検討していただきたい。

(7) 原子炉施設に対する検査の現状及び原子炉設置者等から提起された課題について、事務局より説明の後、委員より意見、質問があった。主な意見及び質問は以下のとおり。

○ 小佐古委員 毎年1回の定期検査と毎年4回の保安検査との位置付けはどう考えているか。3ヶ月に1回という頻度は多すぎるのではないか。定期検査と保安検査の違いはどこにあるのか。
→ 恒吉管理官 施設定期検査においては、使用前検査等で合格した性能がその後も維持されているかどうかを、また、保安検査においては、保安規定が確実に守られているかどうかを検査している。なお、保安検査については、各回毎に重点項目を定めて実施し、1年でおおよそ保安規定の全項目を見るようにしている。

(8) 原子力安全・保安院における検査の在り方の見直しに関する中間報告書及び英国原子力施設安全局(NII)による安全規制の現状について事務局より説明の後、委員より意見、質問があった。主な意見及び質問は以下のとおり。

○ 冨田委員 資料中の「パフォーマンスの評価」、「性能規定化」、「民間規格・国際規格の機動的採用」及び「法律に基づく措置の機動的実施」などについて、明確な説明が欲しい。
(座長の指示により、中間報告書本文「検査制度見直しの方向性‐検査の在り方に関する検討会中間とりまとめ‐」が配布された。)

○ 代谷座長 研究炉について、各国が実際にどのような規制を行っているか調査して欲しい。

○ 小佐古委員 保安院の資料は、あくまで実用炉を想定したもの。研究炉の特徴を見据えた議論が必要。また、英国のように検査官依存型を目指すのか、アメリカのように、リスク評価などいろいろな手法を持ち込んで行うのか、意識した議論が必要。

(9) 検査のあり方の検討に資するための論点について事務局より説明の後委員より意見、質問があった。主な意見及び質問は以下のとおり。

○ 中島委員 研究炉の検査のあり方を考える際には、研究炉における事故トラブルとは何かを明確にする必要がある。研究炉は不具合があれば止めて点検する使い方が基本的にある。原子炉が止まることで安全が損なわれたと思われているのではないか。
→ 倉田企画官 研究炉の設計思想が止めることを前提にしていることは原子炉設置者の意見の中にもあり、本検討会のレポートにも盛り込みたい。

○ 桜井委員 研究炉は、高経年化した原子炉が多いが、取り替え可能な部分が多くある。

○ 小佐古委員 使用前検査、施設定期検査で見ていないところの設備の劣化でトラブルが起こっているように思う。高経年化と品質保証とを中心に据えて議論してはどうか。

○ 代谷座長 発電炉の高経年化対策は、高温・高圧の過酷な条件で使われている設備が多く重要だが、研究炉の場合は状況が異なる。また、高経年化に伴ってリレーなどが壊れる可能性が出てくるが、安全規制が災害の防止や公共の安全を確保するために行われると考えると、これらにつながらないものであれば規制する必要はないと思う。

○ 越塚委員 トラブルのレベルが解らないと安全確保のレベルが明確にならないのではないか。また、品質管理について、保安院の報告書によれば事業者の自主的な安全活動を引き出すようにすることが大前提になっている。品質管理に検査の重点を移すというのは、規制を強化する方向だけを意味しない。

○ 小佐古委員 品質管理とは、全てのステップ、責任者を決め、文書管理していくこと。世間一般ではISO(国際標準化機構による品質管理規格)導入と受け取られている。

○ 越塚委員 本質的なところは、事業者が自主的に保安活動をしているかどうかということ。

○ 冨田委員 事業者が行っている品質保証活動は、計画書、要領書等を定めて一つ一つ手順を踏んでいくこと。品質保証を検査に導入するとは規制側がそれをやるということではないと思う。

○ 丹沢委員 品質管理は事業者の自主性に任せるべきと考える。国がそれをどのような形で確認していくのかがこれからの検討課題である。

○ 冨田委員 狭義に考えれば、品質保証は一般消費者を対象にしたもの。発電炉の場合は電気の品質を保証するということがあるが、研究炉の場合はそのようなものはない。安全性を保証するという言い方になる。

○ 小佐古委員 品質管理システムを入れようとしても大学などでは対応できないと思うが、一般の人は品質管理・品質保証と書くとISOのことと受け止める。言葉の定義、範囲を注意する必要がある。

○ 越塚委員 ISOは小型炉にはなじまない。保安院の議論を認識した上で研究炉のように特殊な場合を考えておくことが必要である。

○ 代谷座長 研究活動が安全に行えるように、適切な規制を行うとの観点から議論をまとめていきたい。その上で品質管理・品質保証という言葉の使い方も考えていきたい。

○ 中島委員 国としてソフトの検査をどういう形でやるかということを考えることである。
→ 瀬山審議官 研究者自らが運転を行っているような場合、規制の面で配慮すべきことがあるか伺いたい。

○ 小佐古委員 研究部門と運転管理部門を明確に分ける、施設の規模により分けないことも認める、運転管理の組合のようなものを作って専門的にやらせるなどのオプションがある。どのようなものをイメージしているのか。
→ 瀬山審議官 研究炉の今後を考えて運転管理を専門家集団に任せるということを考えるのであれば、法制度の見直しも含めて考えなければならない。

○ 代谷座長 時間の関係で本日の議論はここまでとしたい。(事務局には、)本日の議論を踏まえて検討の課題等をまとめて、次回会合に提示して欲しい。

(10) 次回の予定について、事務局より9月9日(月曜日)午後で調整したい旨説明。また、各委員に対して、品質管理等に関する意見を8月16日(金曜日)までに提出していただきたいとの要請があり、了承。

(11) 瀬山大臣官房審議官より閉会の挨拶

お問合せ先

科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室

担当:宮田、岩田、北村
電話番号:03‐5253‐4111(内線7164)、(内線7173)、(内線7178)
ファクシミリ番号:03‐5253‐4037

(科学技術・学術政策局原子力安全課原子力規制室)