研究炉等安全規制検討会(第7回) 議事要旨
1.日時
平成15年5月14日(月曜日) 10時~11時55分
2.場所
文部科学省 別館9階 特別会議室
3.議題
- 品質保証の安全規制への取入れについて
- 解体中の原子炉の安全規制について
- 重要度分類に基づく検査項目の見直しについて
- その他
4.配付資料
- 資料7‐1 第6回研究炉等安全規制検討会議事概要(案)
- 資料7‐2 品質保証の安全規制への取入れについて
- 資料7‐3 解体中の原子炉の安全規制のあり方について
- 資料7‐4 重要度分類に基づく検査項目の見直しについて
- 資料7‐5 研究炉構造基準及び高温ガス炉構造基準の改定について
- 資料7‐6 核原料物質(自然放射性物質)の規制免除レベルの取入れについて
- 資料7‐7 保安規定遵守状況検査計画について
5.出席者
委員
代谷座長、越塚座長代理、瓜生委員、桜井委員、高橋委員、丹沢委員、冨田委員、中島委員、西委員、前田委員、山中委員
文部科学省
吉田原子力規制室長、恒吉運転管理・検査管理官 他
6.議事要旨
(1)吉田原子力規制室長、代谷座長から開会の挨拶
(2)事務局から配布資料の確認
(3)前回(第5回)検討会の議事概要の確認
配布資料7‐1について、了承された。
(4)品質保証の安全規制への取入れについて
資料7‐2に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。(→は事務局からの回答。以下同じ。)
- 中島委員 保安規定への記述との関連で、監査組織は保安規定の中で位置付けられるものか。それとも品質保証計画の中で位置付けられるものか。
→ 監査組織が本当に適正な組織かどうかを見るという意味では、監査組織は保安規定の中で記述されるべきと考えている。品質保証計画については、日常の保安活動が監査を通じて確認できるような内容になっていればよいと考えている。
- 冨田委員 品質保証計画というものは柔軟に変更できることが重要。一方、保安規定は認可マターであり容易に変更できないが、両者の整合性についてはどのように考えているか?
→ 現状の教育計画の策定と同じように、品質保証計画を考えていただければよい。監査組織の独立性、監査機能等の3つの基本方針に変更がなければ、保安規定の変更も必要ない。
- 冨田委員 サイクル機構東海事業所のように保安院と規制が重複している事業者の取扱はどのようにするか。
→ 当省としては、秋頃を目途に規則の改正を行いたいと考えているが、当省と保安院との考え方に大きな齟齬が生じないよう検討して参りたい。
- 越塚委員 監査組織の位置付けとしては、保安規定の内容を監査するのではなく、保安規定に規定されていないことも監査する責任があるということか。
→ これまでの保安検査では、国が直接、いわゆる保守・運転の人たちを対象として検査をしてきたが、現状では、プロセスを見ることは困難。そこで、事業者自らが設置した監査組織が内部監査をし、国はその監査組織・活動等を検査することとした。
- 桜井委員 これまで国は事業者の施設の運転に係る書類を確認していたが、今後は監査組織の監査書類を確認対象とするという理解でよいか。
→ すぐにそのやり方が実施できるかどうかは別にして、今後そういう方向で検討していきたいと考えている。
- 丹沢委員 保安検査のあり方については、これまでの3年間の実績を踏まえ、より実効性のあるものとするべく、別途の検討が必要。
- 山中委員 小規模の事業所において監査組織の独立性をいかに持たせるかという点で、何か工夫を考えているか。
→ 例えば、原子炉主任技術者を監査組織の長とするという案もありうる。
- 代谷座長 重要なのは事業所の規模ではなく、施設の規模である。例えば、小規模の研究炉であれば、少人数で管理できる体制を認めることが合理的。
- 高橋委員 国の確認対象が本当に変更になるかどうかという点は、事業者がいかに監査組織を作るかということと密接に関係しており、明確にしておいた方が良いのではないか。
→ 重要性は認識している。
- 瓜生委員 事業者が内部監査として行う安全監査が現在の保安検査に替わるのが理想型。例えば、品質保証をしっかりやっている事業者には負担を軽くするというのも一案ではないか。
→ 成績の良いところについては、保安検査の方法を変えていくというのは、これからの当然の流れであると認識。
- 桜井委員 現在の保安検査が安全監査の検査に移行する期間は事業者にも負担が伴うため、両者の納得できる形で進めることが重要。
- 前田委員 理事長、学長、所長といったトップマネージメントを行う者が、品質保証体制に関与できる体制であることが重要であり、その点も確認すべき。
- 代谷座長 本件については、方向性としては取り入れることで了承することとする。但し、具体的にどうするかについては、今後も検討が必要。
→ 今後、安全委員会や事業者との意見交換を行うとともに、引き続き取り入れ方策について検討して参りたい。
(5)解体中の原子炉の安全規制について
資料7‐3に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。
- 代谷座長 臨界になる可能性が全くないものを原子炉として扱っていること自体が非常におかしい。本案は、この点を含めて今後合理的な形の規制に変えていくということで是非進めて行くべき。
- 丹沢委員 説明で示された「今後の課題」については、長期的な課題ではあるものの放っておくと先に進まないため、今から検討を進めておくことが重要。
- 越塚委員 炉は解体中であったとしても、使用済燃料がまだある場合には、保安検査や定期検査が必要になってくるのか。
→ 臨界の可能性がある以上、検査は必要であるが、例えば、同じ事業所内に他の原子力施設があり、そこに燃料を移すということであれば、使わなくなった原子炉を廃止しても良いというように、柔軟に考えていきたい。
(6)重要度分類に基づく検査項目の見直しについて
資料7‐4に基づき、事務局からの説明のあと、次のとおり委員から意見、質疑があった。
- 冨田委員 定期検査の法的な要求である使用前検査時の状態に維持されていることというのと本件の重要度との整合性について
→ 上流側である設工認において何を書くかについて、電気事業法では決まっているが、研究炉等については決まっていない。その点についても今後検討したい。
- 代谷座長 電気事業法の場合には対象が決まっているとのことだが、研究炉の場合には、ある施設では重要であるが、別の施設では重要でないということが多々ある。
→ 今回の重要度分類に関する検討結果がまとまれば、上流側にも反映できるのではないかと考えている。
- 代谷座長 今回の検討結果をこの場で詳細に審議するというのは難しいので、数人の委員で検討していただきたい。JMTRの件なので、越塚委員、丹沢委員、冨田委員にお願いしたい。なお、施設の詳細については、現地で原研から直接情報を得ることも有効。
- 越塚委員 資料の「整理の基本方針」のところで、保安検査により確認すると書いてある事項について、品質保証の取入れの話に従えば、今後は監査組織が監査して、保安検査ではその監査状況を確認すると言う理解でよいか。
→ そのとおり。
(7)その他
資料7‐5~資料7‐7に基づき、研究炉構造基準及び高温ガス炉構造基準の改定、核原料物質(自然放射性物質)の規制免除レベルの取入れ並びに保安規定遵守状況検査計画について、事務局から説明のあと、次のとおり委員から意見があった。
- 高橋委員 品質保証の考え方を保安規定に取り入れることと関連して、各事業所における品質保証の実態を調査してはどうか。
→ 保安検査とは別に、調査ということで検討したい。
以上