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資料4−3

1. はじめに
   試験研究用原子炉施設等を含む原子力施設から発生する廃棄物のクリアランスに用いるクリアランスレベルについては、これまでに原子力安全委員会において、IAEAの「TECDOC-855」の考え方に基づいた検討が行われており、「主な原子炉施設におけるクリアランスレベルについて」(平成11年3月、原子力安全委員会放射性廃棄物安全基準専門部会)、「重水炉、高速炉等におけるクリアランスレベルについて」(平成13年7月、原子力安全委員会)、「核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)におけるクリアランスレベルについて」(平成15年4月、原子力安全委員会)として取りまとめられている(以下、「安全委員会報告書」という。)。また、安全委員会報告書の中では、上記施設に対するクリアランスを判断するための重要放射性核種の評価が行われている。
 クリアランスレベルについては、その後、IAEAにおいて、「TECDOC-855」で示された値が見直され、平成16年8月に「規制除外、規制免除及びクリアランスの概念の適用」(IAEA安全指針RS-G-1.7、以下、「RS-G-1.7」という。)が出版されたことを受け、原子力安全委員会においてこれまでの値が見直された。具体的には、原子力安全委員会放射性廃棄物・廃止措置専門部会において、RS-G-1.7に示された規制免除レベルの適用概念及び評価方法から、最新知見など、安全委員会報告書に反映すべき事項が抽出され、安全委員会報告書のクリアランスレベルの再評価を行い、「原子炉施設及び核燃料使用施設の解体等に伴って発生するもののうち放射性物質として取り扱う必要のないものの放射能濃度について」(平成16年12月16日(平成17年3月17日一部改訂及び修正)、以下、「クリアランスレベル再評価報告書」という。)として取りまとめられた。
 クリアランスレベル再評価報告書では、安全委員会報告書で示された58核種のクリアランスレベルの見直しが行われるとともに、クリアランスレベルに関し、「推定年線量が10マイクロシーベルト毎年のオーダー以下であるという、保守性の観点からみれば、再評価値とRS-G-1.7の規制免除レベルの計算値との間には有意の差はないものと見なすことができ、その意味では、RS-G-1.7の規制免除レベルを我が国における原子炉等解体廃棄物のクリアランスレベルにも採用することに不都合はないものと考えられ、したがって、国際的整合性などの立場からは、RS-G-1.7の規制免除レベルを採用することは適切と考えられる」との考え方が示されている。なお、報告書では、軽水炉、ガス炉、重水炉、高速炉及び核燃料使用施設に対して選定された重要放射性核種の見直しは行われていない。文部科学省研究炉等安全規制検討会技術ワーキンググループ(以下、「技術ワーキンググループ」という。)では、このようなクリアランスレベルの検討経緯を受け、試験研究用原子炉施設等におけるクリアランス制度導入に向け基本となるクリアランスレベルについて導入すべき数値の検討を行うとともに、試験研究用原子炉施設(軽水炉、重水炉、高速炉)及び核燃料使用施設(照射済燃料及び材料を取り扱う施設)のクリアランスレベル検認に用いる重要放射性核種について原子力安全委員会が示した核種の再評価を行った。

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