「脳科学と教育」研究に関する検討会の開催について

平成14年3月13日
 

初等中等教育局
科学技術・学術政策局
研究振興局

1. 開催目的
     我が国が直面している諸課題を克服し持続的に発展していくためには、幅広い知識の創出と蓄積、それを有効利用するための英知が必要であるとの認識の下、科学技術の振興が積極的に図られている。こうした中で、目覚しい進歩を遂げている分野の一つに脳科学がある。未踏領域である脳機能解明等により得られる新知識については、医療や産業だけでなく教育の分野において、既存の科学との統合・融合による新たな視点からの展開(パラダイムシフト)を生むことが期待されている。
     国際的にも、21世紀の新たなテーマとして、脳科学の進展を踏まえて学習のメカニズムを研究する機運が高まっている。
     学習メカニズムに関する研究については、学習を脳の動き、さらに脳自体を育むことと捉えることにより、従来の脳科学や教育学にもない、人間の基本的能力向上に資する新領域の科学が創生されることが考えられている。
     昨年4月の日本学術会議の声明により指摘されているとおり、新しい科学技術の領域を拓いていく上で文理統合研究は重要であり、自然科学と人文・社会科学の複数領域の知見を統合して、社会における新たなシステムを構築するための社会技術研究を本年度より着手したところであるが、本領域に関する研究は、その典型的な研究である。また、本研究は、知識や技能の獲得のみならず創造性、洞察力、理解力等の育成、さらには、加齢と能力維持等の生活や社会システムに直結する重要な意義を有する。
     以上により、最新の脳神経科学や発達認知科学等の成果を活用し、人文・社会科学を含めた新たな視点から、人間の誕生から生涯に亘る全ての学習のメカニズムに関する研究を推進するための計画等について検討することとする。

2. 検討事項    

  (1) 脳科学と教育に関する研究計画
    1 脳科学の研究成果の教育における活用に関する考え方
    2 研究課題
    3 研究体制、推進方策等

  (2) その他

3. 検討体制及びスケジュール
     脳科学と教育に関する研究計画については、当面(5年程度)の計画と概ね10年を見通した長期計画を策定する。当面の計画については、本年6月頃を目途に、また、長期計画については、1年以内を目途に検討の取りまとめを行う。
     また、必要に応じて、科学技術学術審議会研究計画・評価分科会ライフサイエンス委員会との十分な連携により検討を行う。


4. 検討会の構成
     検討会の構成は別紙の通りとする。必要に応じ、別紙以外の者にも協力を求める他、関係者の意見を聞くものとする。
     なお、検討会の庶務は、初等中等教育局教育課程課、科学技術・学術政策局基盤政策課、及び研究振興局ライフサイエンス課が協力して行う。

(科学技術・学術政策局基盤政策課)