独立行政法人国立女性教育会館の評価等に関する有識者会合(令和5年度開催)議事要旨

1.日時

令和5年7月28日(金曜日)16時00分~18時00分

2. 場所

  オンライン開催

3. 議題

  (1)独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化について
  (2)令和4年度における業務の実績に関する評価について

4. 出席者

 <委員>

   植草委員、小山内委員、河野委員、黒瀬委員

 <文部科学省>

   安里男女共同参画共生社会学習・安全課長、鈴木男女共同参画学習室長、
   田才女性政策調整官、濱部男女共同参画共生社会学習・安全課長補佐、廣山男女共同参画推進係長、中山男女共同参画推進係員

 <国立女性教育会館>

   萩原理事長、磯山理事、伊藤監事、長内監事、櫻田総務課長(併)財務・企画課長、
   勝俣情報課長(命)総務課長代理、祖父江事業課長、渡辺研究国際室長 ほか

5. 議事要旨

 文部科学省所管の独立行政法人の評価に関する基準(平成27年6月30日文部科学大臣決定)に基づき、独立行政法人国立女性教育会館(以下、「NWEC」という。)から、令和4年度業務実績に関する自己評価についての説明がなされ、有識者から意見を聴取した。有識者からの主な意見は以下のとおり。
 

【議題(1)独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化について】

 特になし
 

【議題(2)令和4年度における業務の実績に関する評価について】

1-1 男女共同参画社会の実現に向けた人材の育成・研修の実施

○コロナ禍の中で実施したオンライン研修は、年々、内容を充実させながら参加者にとって分かりやすく、参加しやすい形で実施され、参加者数が増えているという点は大変評価できる。一方で、参加しやすいことのデメリットとして、学びで終了し、その後の実践にどうつながっているかという部分が不透明である。効果測定としては、現在の参加者の満足度や有用度といった割合だけでは分かりづらく、次にどの程度活かされているのか検証が必要であり、実践につなげるための仕掛けづくりも含めて検討する必要がある。
 

○女性関連施設相談員研修は、参加者からの評価である有用度が99.1%と非常に高い。会館で行う相談員研修は他機関が実施するものとは異なり、相談員のスキルアップに関する内容に留まらず、男女共同参画の視点における複合的な課題への理解といった内容も含まれており、特に男女共同参画センター等の相談員にとって重要な学びにつながっているため、今後も更なる充実に取り組んでいただきたい。
 

○学校における男女共同参画研修の課題として、全国フォーラムでメインターゲットとしていた教育長や教育委員からの申込みが思うように伸びず広報の工夫が必要であることや、女性参加者の割合が多く男性参加者の増が必要であることが挙げられているが、これらは過去にも課題とされている。全体にも共通するが、毎年同じような課題を挙げるだけでなく、それらの課題に対してどのような対応を行ったのかについて検証する必要がある。
 

○学校における男女共同参画研修について、教員等は元々、会館の取組に関心があるわけではないため、学校教育関係者の参加を増やすことは難易度が高いが、研修参加者からは、研修を受けて重要性に気付けたといった声がある。そのような参加者のリアルな声は次回以降の参加に結びつきやすいため、ホームページで参加者の声を掲載することも考えられる。また、参加者が管理職であれば、所属する学校や地域にも広がることも考慮し、参加につなげるための仕掛けを検討する必要がある。

 
1-2 男女共同参画社会の実現に向けた基盤整備のための調査研究の実施

○少ない研究員数で多くの調査研究を実施し、調査結果の発信や研修等での活用促進に努めていることは大変評価できるが、より多くの人に調査結果が届くような仕組み作りが必要である。会館のホームページから調査研究結果にアクセスするだけでなく、研究者がそれぞれ行っている研究や活動のキーワード検索をした時に、より多くの人が会館の調査結果にアクセスできるようになると良い。

 
1-3 男女共同参画推進のための広報・情報発信

○会館が収集している情報や資料は大変貴重なものであるが、資料の収集においては男女共同参画センターと連携し、各地域にあるセンターの情報も収集するなど資料を増やす取組も重要である。

○ホームページのアクセス件数について、アクセスの多いコンテンツや少ないコンテンツは何かを把握する必要がある。その上で、アクセスの少ないものは構造的な問題があるのか、内容に問題があるのかということを分析し、改善を図られたい。

○ジェンダー平等が進んでいる国のほうが豊かになるということは企業社会においても同様であり、ジェンダー平等やマイノリティーの人が活躍できる会社が発展するということは統計的にも明らかになっている。その中で、心理的安全性という言葉がよく聞かれるが、正しく理解していないと思われる企業等も多いため、今後の会館における啓発活動において、立場の弱い人が言いにくいことを言える組織風土の問題であることを啓発し、理解を促進していただきたい。

○図書パッケージの貸出は、3か月ごとにテーマを変えて、会館が100冊ずつ貸し出してくれる形となっている。例えば、政治、ハラスメント、障害者、住生活、女性漫画といったテーマや、子育て、女性史、働き方、貧困、メディアといったテーマ設定でパッケージ化されており、非常に分かりやすく良い取組である。この貸出によって借受機関の職員や利用者が男女共同参画に関心を持ち、行動変容を起こすことにもつながるため、今後も男女共同参画の推進に資する取組として引き続き学習者への支援を行っていただきたい。
 

1-4 男女共同参画の推進に向けた国際貢献

○男女共同参画の推進に向けた国際貢献の分野は、非常に専門性が高い分野である中、5名と少ない人数で成果を出していることは素晴らしいが、今後の会館の機能強化を踏まえれば、専門的な知見を有する研究員の人材確保はより必要となる。
 

3-1 予算の適切な管理と効果的な執行

○会館では専門的な業務を行っていることや、今後、会館の機能強化を図っていくということを踏まえ、経費節減の増減による評価に囚われず、必要な予算の執行に充てていただきたい。


 

お問合せ先

  【お問合せ先】
  総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課男女共同参画学習室
   男女共同参画推進係
    電話番号:03-5253-4111(2654)