公立文化会館の活性化に関する調査研究協力者会議 (第3回)議事録 |
公立文化会館の活性化に関する調査研究協力者会議(第3回)議事録
○ 日 時 平成11年11月8日(月) 10:00〜12:00
○ 場 所 文部省5A会議室(文部省5階)
○ 出席者 協力者:三善座長、上原、加藤、佐藤、澤井、清水、田村、西川、西本、根木、根本、山形の各協力者
事務局:水野文化部長、甲野地域文化振興課長その他関係官
その他:社団法人全国公立文化施設協会千葉事務局長
○ 議事等(○:協力者、△:事務局等)
○ 定刻になりましたので、第3回の公立文化会館活性化に関する調査研究協力者会議を開かせていただきます。
きょうは神津さんが所用のためご欠席と伺っています。まだおそろいではないようですが、定刻になりましたので、開会させていただきます。
初めに、きょうはたくさんの資料が配付されておりますが、その確認を事務局からお願いいたします。
△ 順番に確認させていただきます。
資料1・第1回議事録(案)、資料2・第1回議事要旨(案)、資料3・第2回議事録(案)、資料4・第2回議事要旨(案)、資料5「第1回、第2回における主な論点」、資料6「各報告書における公立文化会館等の役割・あり方について」。資料6の参考資料といたしまして、3枚紙程度の「21世紀に向けた文化政策推進について」が一緒に入っております。資料7「公立文化会館の活性化に関する論点について」、資料8「びわ湖ホールについて」、資料9「豊田市文化活動関係資料」といたしまして、各資料が1まとめになっております。資料10「『地域文化施設に関する調査』分析報告書」、資料11、「新たな公立文化施設の枠組みに向けて」、資料12「公立文化施設の役割」、資料13「今後の公立文化会館の果たすべき役割・在り方について」、資料14といたしまして「都市文化の創造をめざして」という東京都の報告書。また、資料14の資料といたしまして、「参考資料(フランス)」と書いてある2枚紙の資料です。資料15「公立文化会館の活性化に関する調査研究会討議資料」、喜多方文化センターの資料です。資料16「公立文化会館活性化に関する基礎調査について」、資料17といたしまして、文化庁で行っております「地方文化行政状況調査報告書」がまとまりましたので、参考でつけさせていただきました。
以上でございます。
○ どうもありがとうございました。
不備はございませんでしょうか。
ただいまご確認いただきました資料のうち、資料1から4までは、第1回、第2回の議事録、議事要旨でありますが、ご意見、ご訂正等がありましたら、できましたら今週中に事務局までご連絡いただければと存じます。
ご意見がございましたら、それを踏まえまして、修正した議事録、議事要旨の最終確認・確定をいたしますが、それにつきましては座長にご一任いただければと存じますので、よろしくお願いいたします。
また、確定いたしました議事録と議事要旨は、公立文化会館担当者をはじめ一般に対して、ホームページなどを通じて情報公開するということを考えておりますので、よろしくご了承いただきたいと思います。
それでは、本日の議題に入らせていただきます。
今回、第3回以降は、第1回、第2回会議で話していただきました主な論点を踏まえて、個別課題の検討に入りたいと存じます。これまでの主な論点につきまして、資料5として事務局がまとめてくださいましたので、それをまずご説明いただきたいと思います。
△ それでは、資料5につきましてご説明をさせていただきます。
第1回目、第2回目におきましても、主な論点のペーパーを提出させていただきまして、そこに第2回目とか第1回目に先生方からちょうだいした発言等を盛り込ませていただきましたが、これは第1回、第2回の会議における論点ということで、さらにそれを改めたもの、つけ加えたものでございます。
構成につきましては全く前回と変わっておりません。前回も非常にたくさんのご発言をちょうだいしたわけでございますけれども、その内容につきましてはかなり具体的なものが多く、項目として新たなものというよりも、既にある項目についての様々なご提言ということでございまして、具体的につけ加えたものにつきましては若干しかなかったわけでございます。
一つは、「今後の公立文化会館の果たすべき役割・在り方について」の一番最初の部分「地域における文化振興の観点から公立文化会館の果たすべき役割」の最初のところで、創造の後に「発信」という言葉を入れさせていただきました。これは文化会館における情報発信、特にマスメディアを通じた発信ということが必要だろうということ、それから、一般的な形としての文化の発信が必要だろうというご意見があったので、それを加えたわけでございます。
同様に、2ページ目の一番上のところに「情報発信(マスメディアとの連携等)」という言葉も入れさせていただきました。
また、前回の議論におきましては、地方におきます文化行政の所管につきましても様々な議論をちょうだいしたところでございます。したがいまして、4の「その他」の行政、民間との関わりの部分につきまして、これまでは文化庁等国、それから設置者の役割という形で書いてありましたのを「文化庁等国の役割」と「設置者の役割と関係部局の連携」という形で、国と地方とに分けまして、ここに項目として挙げさせていただきました。
以上が、前回から変わった点でございます。
よろしくお願いいたします。
○ ありがとうございました。
今のお話で、項目については大きな違いがないということでしたが、逆に言えば、1、2回の皆様のご論議が、具体的な点で項目一つ一つの内容に深く関わっているということでもあろうかと思います。したがって、個別の議論に入りますときには、前回、前々回の皆様方のご発言をなおここでフィードバックし、発展させるということで、内容的な充実を図りたいと思います。
本日は、まず今まとめていただきました「主な論点」の1の「今後の公立文化会館の果たすべき役割・在り方について」ということにつきまして、個別議論に入りたいと思います。
その議論に入りますに当たりまして、社会の変化を踏まえた公立文化会館の今後の役割について、他の関係審議会、会議などではどうこれをとらえているのか、考えられているのか、それをあらかじめ把握することも意味があるかと思います。それを資料6にまとめてございますので、これを説明していただきたいと思います。
△ それでは、ご説明させていただきます。
各種報告書、審議会の報告書等におきます公立文化会館の役割・在り方についてでございますけれども、関係の各省庁の審議会におきまして、様々な報告、提言、あるいは調査がなされているわけでございます。これらについてまとめたものが資料6でございまして、様々なものがあるわけでございますので、便宜上、まず「文化を通じた地域づくりについて」ということで1ページからまとめました。また、7ページからは「文化施設の在り方について」ということでございまして、運営にわたり若干細かく議論がなされている点について、ここに加えております。また、「子ども・青少年の文化活動」という観点からのご提言、ご報告が17ページ以降、25ページからは「高齢者対応」という観点からの議論、28ページが「文化を支える人づくりについて」という観点からの議論でございます。
あと別冊のような形でお配りしてあるものが、文化庁におきまして文化政策の基本を審議していただきます会議といたしまして文化政策推進会議がございますけれども、随分前になりますが、平成6年に出された「文化政策の推進について」という報告がございます。
この報告について、まず簡単にご説明をいたしますと、平成元年に文化庁長官の要請により発足した文化政策推進会議が、何回か提言を出したわけでございますけれども、6年に出したもので、これにつきましては地域の文化振興に関しましても様々な提言がなされているわけでございます。
1ページ目の(1)の部分でございますが、「支援基盤の整備という形」で、地域文化振興支援組織の確立ということで、文化的な団体が、地域ごとあるいは全国の連絡の団体もあるわけでございますけれども、自主的な活動の充実、地域文化振興への協力体制の整備ということで、そうした活動を支援することが必要ではないかということが、ここに書かれているわけでございます。
2番目でございますけれども、「文化会館支援団体の設立」ということでございます。具体的には公立文化施設協会という形の財団があり、そこのところで様々なマネージメント支援という形で実際にされているわけでございますが、この当時はこういった議論もなされていたわけでございます。
また、全国地域文化情報システムの整備という形で、各種情報が不足しているために事業が円滑に運営できないという問題に対処するということで、システムの整備が提言されております。
また、国と地方の連携強化もうたわれているわけでございます。
(2)「自治体に期待される施策」といたしまして、計画をつくること、それから、文化会館の運営と事業につきましては充実ということ、特に財政的、人事管理上の工夫、施設配置につきましても広域的観点ということがうたわれております。そうした事柄が言われております。
そのほか、様々な文化的な活動、文化についての政策についての提言がございました。
また、文化庁につきましては、地域文化振興のための人材養成が言われていますとともに、町づくり、芸術文化の鑑賞と参加の奨励、生活文化につきましても様々言われているわけでございます。
また、メセナボランティア活動の推進、青少年のための対策、こうしたことが推進会議の報告の中に盛り込まれているわけでございます。
そして、様々な論点があったわけでございますけれども、それ以外の関係各省庁の報告には、特に最近のものにある程度絞ったわけでございますけれども、どういうものがあるかということでございますが、この厚い資料をお開けいただきますと、最初に「文化を通じた町づくりについて」ということで様々なものが挙げられているわけでございます。
「文化振興マスタープラン」という私どもの大きな計画の中では、地域における文化の創造と言われているわけでございますけれども、各省庁の審議会におきましては、4ページでは、経済審議会におきまして「地方都市の個性的・自立的発展の源泉となる突出機能」という形で、都市機能や情報、地方都市におきまして文化等の都市機能が高められるということが述べられておりますし、また、独自の産業文化を持つ町づくりということで文化を持つ町づくりを進める。それから、体力強化という観点ですけれども、遜色のない文化施設の整備ということもうたわれております。
次の国民生活部会の報告では、知識や知恵等「個」の有する「創造性」ということが重要だということで、地方や地域の文化を継承・振興する姿勢等、独自性や多様性の発露を促すというようなことが述べられております。
そのほか、6ページでございますが、国土審議会におきましても、地域文化の情報発信力の強化ということが言われております。
7ページ以下は「文化施設のあり方について」でございますが、生涯学習審議会は、文部省でございますが、文化施設も、ほかの各種体育あるいは生涯学習と同様、生涯学習振興の上で重要な役割を担うということが述べられておりまして、9ページでは、多様で総合的な学習機会の提供、施設を総合的・計画的に配置しということがございます。また、ネットワークということも言われました。それと、情報化の対応、学校教育との連携が触れられております。
10ページは、経企庁の方の経済・社会資本部会でございますけれども、ここでも、運営について、情報化について触れられておりますし、11ページのところでは、先ほどと若干重複しますが、文化を持つ地域づくりとか機能の向上、効率的な配置、ネットワーク機能の広域連携等がうたわれております。
それから、自治省の研究会は平成6年7月に出されたわけでございますけれども、この中でも様々な提言があるわけでございます。市町村、大都市、都道府県ごとに分けまして、それぞれ役割を明らかにして、例えば市町村におきましては、中核的な地域におきましては、圏域内の鑑賞、参加等に係る施設の整備や事業の推進ということが述べられておりますし、都道府県の場合でしたら、様々な支援的な役割等も中に盛り込まれているわけでございます。
このような形で、あと首都圏整備における年次報告というものもございますし、文化に関する世論調査、文化施設の整備充実が非常に大きな観点で述べられているわけでございます。
17ページ以下は「子ども・青少年の文化活動について」でございますけれども、全体を通じて、文化活動や鑑賞の機会を広げるという観点からの指摘が、中央教育審議会、生涯学習審議会のほか、内閣総理大臣の私的諮問機関であります懇談会におきましても触れられておりますし、経済企画庁の経済審議会でも、子どもの芸術文化活動が述べられております。青少年対策の関係から、総務庁からもこのようなものが出ているわけでございます。また、少子化対策という観点からも、24ページですが、厚生省の中で、子育て支援の一環から、ゆとりある教育ということで子どもの文化活動が触れられております。
25ページ以下は高齢者対応でございますけれども、家庭や地域における取り組みということで、様々な観点からの議論がなされているわけでございます。
最後に、28ページに「文化を支える人づくりについて」ということでまとめさせていただきましたが、「文化振興マスタープラン」、それから沖縄についても人づくりという観点で若干触れられておりましたが、お示しをしたわけでございます。
最近のものに限られましたのと、必ずしも私どもが承知していない私的な懇談会等あるかなという感じもするわけでございますが、できるだけ地方の文化に関連することが触れられているものについては拾い出したわけでございまして、議論の参考にしていただければと思います。
以上でございます。
○ どうもありがとうございました。
私、先ほど有効だと思うと申し上げたのですけれども、確かにいろいろな関係会議でこのような答申が出され、感想がまとめられているわけですが、個人的に思いますことは、何々が必要である、推進すべきであるということが述べられているのですけれども、具体的なアクティビティとか方法論、単なるマニュアルじゃない方法論として、現場でそれをどう開拓していくのかということがこの先にあると思っておりまして、この会議では、むしろそういう具体的にどうするかということも含めたご議論をちょうだいできればと思っております。どうもありがとうございました。
この第3回の会議のために、あらかじめ各委員の皆様方に資料等のご提出があればとお願いしたところでありますけれども、きょう資料7から15ぐらいまででしょうか、本当にたくさんの資料が寄せられております。本日の議論の中で、原則的には、寄せていただきました資料は、ご議論の参考資料あるいは補足・引用等に用いていただくということにさせていただきたいのですが、したがって、各委員におかれましては、これを後ほど精読していただきたいと思いますが、議論に先立って、特にお寄せいただいた資料を説明しておいた方がよいと思われるものがありましたら、おっしゃっていただきたいと思います。私も、さっき資料11、12などを拝見していたのですが、状況認識などで非常に重要なご指摘があるように思いました。
どなたか、提出してくださいました資料について、あらかじめご説明いただいた方がよろしいと思われるものがありましたら・・。
○ 資料8はきょうの議論とは関係ありませんので除いてください。前回の補足資料です。
○ ありがとうございました。
それでは、それぞれのご発言の中で、この資料を取り上げていただくことにさせていただきます。
本日の議論は「今後の公立文化会館の果たすべき役割・在り方」という大きな項目ですが、ご発言いただけますでしょうか。
○ 資料11を拝見しますと、私がメモ的に書いたものととても認識が一緒ですので、ご意見を伺いたいと思っています。
まず、主な論点というところに「果たすべき役割・在り方」というのが書いてあるのですが、それより前に、前提として資料11のような状況認識が必要です。私のメモにある認識・・地域、時代、会館の性格、設置者の目的などによって期待される役割とか在り方が異なるので、一律に書き込むことは非常に難しいと思います。基本的には、「会館が自主的に自分のところで、その役割・在り方を苦労しながら開発していく」ということが基本的な認識としてあるべきだと思います。
そういう前提の下で、表記の仕方として、具体的な事例を紹介していって中身を書いていくという方法をとったらどうでしょうか。そうすると、この会館はこういうやり方で、こういうものに注目しているんだなというのがわかってくると思うんです。全部の会館に同じことが当てはまるわけではないので、表記の仕方を工夫したり、最終のまとめを工夫するなどしていただきたいというのが冒頭のお願いです。
○ 公立文化施設協会が今実地調査を始めておりますが、その後の方の項目にサンプリングということがありました。それにも関わるご発言だと思うんです。ただ、サンプリングにもまた限界がありますね。今ご発言のように、あくまで固有な在り方ということで。
その点についてはいかがでしょうか。
○ それでは、資料11にまとめたものを示しながら簡単にご紹介したいと思います。
状況認識としては、1、2、3と書かせていただきました。これは今までの話の中で出てきたようなことだと思いますし、基本的には、地域のコミュニティ施設と芸術施設がどうも機能乖離が起こっているということと、公の概念、施設の概念というものとは違う仕組みが必要になってきている。それから、教育制度の中での舞台芸術のかくある仕組みがかなり難しい状況にあるということだと思います。
先ほどお話がありましたお話がありましたが、こうすべきだという話がいろいろ書いてあって、じゃどうしたらいいかという具体的な話がないというふうに私も思っておりまして、かなり強引ではありますが、少し具体的なビジョンを示すべきだろうということで幾つかの提案をしました。今提案したのは制度的な枠組みの話で、その後で個別プログラムとしてどういういものがあり得るかという話がまた別にあると思うんですが、それは除いてあります。
今ここにシアターという機能を抽出しておりますが、本当は、美術系のいろんなアートのいろんな領域をどうするかという議論があるんですが、それは議論をわかりやすくするためにしておりません。
趣旨は、やはり公の施設という枠組みで全部語るのは難しいだろうということで、そろそろ地域劇場、あるいはパブリックシアターという概念をきちんとうたった施策をした方がいいんじゃないか。ただ、それは公的整備としての関連性はあるんですが、それよりも具体的に今先行している事例がたくさんありますから、そういうものをきちんと位置づけていくということが必要になろう。それもかなり内容としては幅広い内容ですが、それぞれの自発的な関わりの中で、そういう施設を持っていくということがある。
もう一つは、公の施設の中でもかなり地域の芸術文化活動に関わっているところが多いものですから、それをかなり積極的にやれるような場所としてのパブリックシアター機能を一種のコミュニティシアターというような形で考えてはどうか。全国の公立文化施設の10%から30%ぐらいかなというようなことも書いてあります。
次のページには、研修やいろんな専門職員の養成のような場所をそろそろきちんとつくらないといけないなということ。これはどういう形でやるかとか、いろいろありますし、国の行政上の問題がありますから、「国の独立行政法人として」などと書いてありますが、少しそういうことを仕組みとして考えた方がいいということと、大学に博物館コースというのがかなりあちこちで言われているんですが、そういうものと関連させてユニバーシティシアターのようなものをつくりつつ、学内の芸術教養と地域への貢献みたいなところでの仕組みということが必要になってくるかなと思います。これは建物をつくるという意味では全くございませんで、現在ある仕組み、あるいは施設の方向性をそういうキーワードでもう一度整理していきながら、場合によっては法制度を考えていくということまであり得るのではないかと思っております。
○ これらのご発言を受けて、どなたか。
○ 参考資料として後からお配りしましたが、2枚の紙は、まさに同じことなわけです。これは外国の例ですけれども、資料14の参考資料です。これは、この間、大津でフランスのアートマネジメントの講座を地域創造とご一緒にやったんですけれども、そのときのジャン・ミッシェル・ルカという人の基調報告のごく簡単な抜粋です。それを聞いて痛感したのは、今、お話があったシステムということなんですけれども、つまり日本は格付けを嫌いますよね。あるいはクラシフィケーションを嫌いますけれども、フランスの場合、明確にクラシフィケーションが行われていて、それに基づいてきちんとできている。
いろいろ問題はあるんですが、例えば、最初の「6つの国立劇場」というのは、原則として民間からお金は募金しないで、政府がやっている国立劇場が六つあります。
次に、「44の国立ドラマセンター」というのがあるんですが、その項目のところに、同じタイプとして19の国立コレグラフ・センター、10の地方演劇センター云々とあります。これを足すと、国立の次の準国立みたいなものが177あるんです。
その下の「委託劇場・舞台」は、地方公共団体がつくったものを勝手にというか、つくったものに対して文化省がプロジェクトごとに委託するとかいうものです。さらに、それから外れたような一般のシステムに対しても限定的な援助システムがある。これは言ってみれば付加価値税を還元するという形で劇場活動を助ける。
こういうふうに非常に多層的にクラシフィケーションができている。みんな同じに対応しようとしても混乱が起こるだけですね。それを多重層化と言おうと。言葉は発明すればいいと思うんですが、現実に劇場なり文化施設の持っている機能に応じて、あるいは将来的には建てる前から考えてきちんとやっていく。それに対して国はどういうふうにお金を出すか、地方公共団体はどうやるか。これが決まらない限り永劫不滅、さっきお話がありましたように、何々すべきである、あらまほしいという話を何十回やっても何も変わらないと思ったんです。
僕はフランスのことをそんなによく知っているわけではないんです。この話を聞いて、目からウロコが落ちたというか、フランスの文化政策の話はよく聞くんですけれども、実にこんなに具体的に細かく地方文化行政と組んでやるスタンスがはっきり決まっているということに、ちょっと驚いたということでもないんですが、ちょっとメモしてみたわけです。
○ 先ほどのことで質問してよろしいですか。今のお話も聞きながらちょっと質問なんですが、一つは、フランスのように、幾つかの拠点的な国立劇場を配置したり、それに対する支援システムをつくるというのは非常にわかりやすくて、これも一つの行き方だと思っているんですが、ただ問題は、日本のように、今度は地方分権でさらに自治体の自主性を高めようという動きの中で物を考えていった場合に、資料の中にあるように、仮にパブリックシアターというような概念をすると国立である必要はない、しかし、従来の公の施設とは違う概念でと言われると、そこのイメージがいまひとつ、今の形の中で・・つまり自治体立ではなくて、別の財団か、法律をつくって、特殊の法人をつくって、国のある程度計画的なものに基づいてやっていくのか。
一つは、結果として、私も、今の日本の公立文化施設もある意味ではだんだんクラシフィケーションが進んできているような気もいたします。もちろん多層性もできていますし、人材やノウハウの蓄積状況に応じて、また、いろいろなシステムの相違によっていろんな重層的な活動の差異が出てきておりますし、資料の中にあるように、まだ完全ではないにしても、パブリックシアター的な拠点性を持ちつつあるようなところも、そういう芽生えが出てきているのではないかとは思っておるんですが、ただ、フランスのようなシステムの中で国が計画化していくということは、一つの方向で出てくるんでしょうけれども、地方分権の枠組みの中で、しかも地域の自主性や多様性を促進する、画一的でないという意味の中でそれを実現する仕組みとして、余り制度化ないしは国の管理的な要素が強く出てくることに対してはちょっと危惧があるということが一つ。
それから、現行の制度ではいろんな不自由があるということは賛成いたしますけれども、ただ現在、例えば静岡のグランシップのように、公の施設でありながら、その施設を専用劇団に、特定のグループに専用的に利用させている。これは制度的にもそういう条例をつくり、議会の議決をとれば可能なわけでありますけれども、そういう事例もちょっと出始めているということの中で、やはり自治体立、自治体の枠組みというものが日本の場合にはなかなか無視できないんじゃないかなというのが一つ。そこはどういうふうに文化活動の自由性とあれをつけるのかという問題がありますけれども、その辺は、私自身もまだ意見がまとまっておりませんけれども、現在の国立ではなく、かつまた公の施設でもない概念で、このようなものをある程度地域の多様性を生かしながら実現していくイメージをもう少しお話しいただけるとありがたいなと思っているんです。
○ 余り誤解をされると困るんですけれども。日本芸術文化振興会等々の文化施設の補助金を出すときにいつも気になっているのは、例えば、愛知県芸術文化センターが500万ぐらいぼーんと持っていって、ほかのところが、例えば100万とか50万とかいうお金になっているような配分をしようと思ったときに、芸文センターは多過ぎますよとか、びわ湖ホールは多過ぎますよとついつい言いたくなりますよね。なるけれども、それなりの正当性があるというようなことで、文化施設全体の2000館の中で、随分役割が違ってきているというのは厳然とある。それをもう少ししっかり把握した方がいいというふうな気持ちと、実は私の学生時代から、文化振興法をつくるというような、いろんな話がたくさんありますよね。もう30年ぐらいにありますでしょうか。まだそういうことは時期尚早だとか、なかなか枠組みができないとかということで言われてきているんですが、そろそろ、美術館法とか図書館法とかというような枠組みと似ているのかどうか、余り似ていると言うとまた矛盾が出てきたりしますが、そういうような地域劇場法というようなものをつくることもあり得るのではないか。それは必ずしも全部公立施設の話をしているわけではなくて、民設民営であっても美術館・博物館というのは一つの法律的な枠組みの中でいろいろやっていますし、図書館というのもそういう枠組みの中でやっているわけで、必ずしも国がやるという話ではない。
ただ、そういうよりどころがないと、せっかくやっていらっしゃる・・例えば静岡でも、鈴木さんが元気なうちはいいですけれども、失礼なことを言って申し訳ないんだけれども、元気じゃなくなってしまうと、どうなるかわからないなとか、あるいは私が関わった埼玉でも、今は諸井先生が一生懸命やっておられるけれども、そこに対する圧力は相当なものがあるとお聞きしていますし、そのときに防御する砦というか、盾が何にもないですよね。何かそういうような仕組みというのを国がまとめていくというのは、わりと大事な話ではないかなというふうに思っています。
○ 今、発展していきましたから、他の委員からも、大きく施設の中で芸術施設は何かという観点もございましたので、ご発言いただければと思うのですけれども。
○ 今、先生から話をしていただいた資料の2枚目の「文化の民主化」とか「文化の民主主義」という話を聞いて、なるほどと。私も、行政を預かる者にしてみれば、ここが一番重要なところなんで、こういう実態から、サッカーで言うなら、いかにサポーターを増やすかということが大切なことじゃないのかなと思うわけです。そういう意味では、地方を預かっていまして一番苦労することは、一般の方というのは、予算を云々するときに、市会議員がどうして、理解者がどれだけあって、予算がどうとか、赤字がどうという論議になってくることがたくさんあるわけです。これだけ経営赤字を出していていいのかというのがあるわけでして、ある意味では、私はきょう最初に説明を受けました資料6はとてもいいものだという感じがして、こういう資料は文部省なり文化庁がどこへ出しているのか。
例えば、議会事務局、市会議員にも全部こういうのを送って、そして国の考えはこうだよとか、文化管理をしている文化協会とか振興財団もあるわけですが、そういうところにこういうのを送って、そういう中から理解者なり協力者を得て、まずは一遍そういうサポーター、いまひとつは市民サイドのそういった多くのファンを育てる。2面を持っていかないと、実際のところはきれいごとで終わってしまって、そこが一番大切・・今、聞きながら、ある意味では政治に関わっている人たちの理解者もですけれども、一般市民のサポーターをどれだけ増やしていくかという論点があっていいのではないのかなという思いがしたわけです。
○ 確かに、概念的に言うと、従来の公共施設から概念が拡張されていることは事実だと思うんですね。それをもとにしながら、だんだん概念が拡張していく。まず、概念を整理する必要があるだろう。その上で幾つかの項目をつくっていくことは、作業として、まず前提的にどうしても今やらないと、今の公共施設の実態を旧来の概念に当てはめてやろうとすると、いろいろ無理が出てくるのではないかということが1点。
それから、長い見通しの中では、幾つかの目的、最終的な着地点にいく非常に具体的な像を描くということは非常に重要だと思うんですが、まずその前に、そういう新しい活動あるいは従来の活動も含めてなんですが、幾つかのモデルケースみたいなものに対して、何か支援できるようなところからつくっていくべきじゃないかと思うんです。パブリックシアターの概念とか、コミュニティシアターとか、新しい概念の明示が先になることを非常に恐れるというか、むしろ実態に即して、明らかに具体的に拡張されているんだから、その拡張されている部分は何かということを拾い出すという作業が、まず必要だろうというふうに思いました。
ただ、法的整備以前に、例えばパブリックシアターとかコミュニティシアターという文言がある段階で出てくることは、具体的に今活動しているところの強力なバックアップにはなるだろうと思うんですが、ただ、突出している館の問題というのは僕は余り大きく取り上げる必要はないと思うんです。やはり環境をつくるということを先に考えないと、従来型の突出したもので何か引っ張っていくという考え方から転換しないといけないんじゃないか。いろんなことをすべてそういうふうにやってきたような気がするんです。先行事例みたいな特化したものを持ち上げてくるみたいな。
先ほど言ったモデル事業というのも、現行行われている事業の中で、そういうものに対してある支援システムみたいなものがつくれないかなというのが僕の意見なんですけれども。突出しているみたいなものに整備を与えていくことよりは、むしろ突出できないでいるところをどうやって変えていくかということについて、何か制度的な整備を考える必要があるんじゃないかというふうに私は思いますけれども。
○ ただ、突出しているところを事例として挙げるということは、一個人の力によってということもあるかもしれないけれども、「そういう在り方もあるんだ、そういうこともあり得るんだ、それはいい方向なんだ」。ということを書くことは必要だと思うんですね。それによって、「あ、そうなのか、これが世に言うシアターの概念で、そういうことをやっているものが日本にもあるんだな。」ということを議員さんにもわかってもらうということは、あり得るんじゃないかなと思うんです。
○ もちろんあります。
○ 私も、芸術文化に対する認識が日本では非常に遅れているというのが、やはり皆様が一番苦労なさっているところだと思います。それを掘り起こしていく努力というのは、いろんな形でしなくてはいけないと思うんですけれども、さっきお話がありましたように、文化振興法などの法律・・とりようによっては、ここにも書きましたけれども、公民館法でも、これを盾にやることはできなくはないわけですね。設置条例でやっていらっしゃるところもある。これはやっぱり意識だけの問題なんですけれども。
もう一つは、芸術家の立場でご参加なさっていらっしゃいますけれども、施設に関わっている芸術家の方でいらっしゃるので、きっとおっしゃりにくいこともおありになるんじゃないかと思うんです。私は、どうやって芸術文化の認識を高めていくかというときに、芸術家の協力というのは絶対必要だと思うんです。その辺は、私ども放送の場合でもそうでございますけれども、すべての芸術分野について私は認識しているわけではないんですが、芸術に携わっているから、それは聞くべきだ、ありがたいものだというような認識が、日本の場合はちょっとあるような気がいたします。フランスのように、文化を一人ひとりに理解してもらうための努力が一番必要だと思うんですけれども、その場にはなると思っていますけれども、芸術家の方の協力というのがすごく必要だと思います。もしかしたら携わっていらっしゃらない芸術家の方のご参加も必要だったかなという気が、ちょっといたしますけれども。
○ 環境という意味が、またかなり複雑といえば複雑ですけれども、つまり政治家もそうだし、市民意識もそうだし、芸術家もそうだし、広い意味での風土とか。
○ イギリスにプロムスという音楽祭がございますね。あれは1893年に始まったことなんですけれども、要するに、一人ひとりに音楽の楽しさを知ってほしいという、いわゆる底辺を掘り起こす意味で始まったものが、イギリスでは100年以上やっていて、100年以上やってもなお続けていかなくちゃならないことだと思って続けているという実態ですよね。100年以上続けていても、今でも、子どものためにはどうやったらいいかということを最近また考えている。イギリスでも、海外でも、特にクラシック音楽離れというのがございますので、そういうことについて今でも考えられて、なおかつ新しい取り組みをしているというのが実態でございます。やはり芸術家側の協力というのはぜひとも必要だというふうに常々考えております。
○ 今までの議論を踏まえながら、まだ問題は少しも整理する必要がないんで、問題提起という時間だと思っているんですけれども、ご発言があればどうぞ。
○ フランスの例ですけれども、1枚目の紙の真ん中に書いてある準国立、地方公共団体とセットする場合、文化省から出ている予算は10%からマキシマムで四十数%に過ぎないんです。つまり言ってみれば、これは地方公共団体が主体であって、ただ、プログラムの芸術性の維持とか何とかいうのだけ文化省が介入するというシステムですね。だからトータルで言うと、フランスの文化予算は日本円に換算して大体3000億円です。その2.5倍が地方公共団体です。地方公共団体の予算というのは、日本では考えられないんですが、人口10万くらいの都市だと1人当たり千二百八十何フラン、つまり1人当たり2万数千円使っています。要するに、人口10万くらいの都市だと10%から10%を超える予算が文化予算になっているんです。それとセットして文化省が組んでいる。文化省は、中身の性質とか、そういうことには言及しますけれども、必ずしも干渉しない。それで1回館長が選ばれてしまうと、地元の人がアドミニストレーターになって、3年間なら3年間任せてしまうわけです。その館長がだめなら代える。次に契約しないわけですから。こういうシステムがきっちりできていると、個性あるプロクラムができると思うんですけれども、そうなるのは大変です。
だから、一つは、私も余り知らないんですが、フランスの文化政策は国家主導型と簡単に割り切りますけれども、そんなに簡単ではない。
それから、2枚目の「文化の民主化」と「文化の民主主義」というものですが、これは後でお読みいただければ・・つまり高級官僚とか何かしか、オペラとか、そういうものにはほとんど行かない。人口の10%だと。これに多額のお金を使ってよろしいものかという、やはりプレッシャーでいつも動きがあるんです。文化大臣というのはそれにいかに答弁するかという大変な・・。ですから、マルロオ時代は、端的に言うと文化の上からの民主化という路線。これは非常に美しい理想で、天才の作品を万人の共有にするというのがマルロオの理想で、やってみたら、いつまでたってもチケット代などを国がサポートしてもオペラは10%も行かない、クラシックも。これがわかってくるわけです。この矛盾の中で、今、次の方向を模索している。
そうしますと、我々は簡単に国家主導型と決めつけてあれしているフランスも非常に動いている。イギリスも動いているだろうし、アメリカも。はっきり言って、きっちりした文化政策が現在まで存在しないわけですから、もう一回そういう数字だけではなくて内容的に、何もまねするのではなくて、外国の事例のいいところを研究し直す必要があるんではないかと思いました。
○ 今の意見に多少つけ加えるというか、同じようなことを考えていたものですから。
公共性とか、今、社会学の上では公共圏という言い方が多いと思うんですけれども、ハーバーマス以来、いろんな議論がかなり活発になってきて、それは一つの国とか地方自治体が公共性を全部担うものではなくて、地域社会が公共性を全体で考えていくべきだ。その中で、芸術家も、その地域にいる人たちも、すべてが何か議論する場・・意味空間というか、抽象的な空間として、概念としての場が必要だろうというようなことが盛んに言われていて、それを公共圏というような言い方をしていると思うんですけれども、そういう意味では、文化センターは文芸的な公共圏の涵養の場として地域で存在すべきだという言い方を今考えているんです。
そういう意味で、すべてそういう開かれた環境の中で、みんなで文化というものをどう考えるかということを自分でアクセスしながら、お互いの議論をしていきながら、物をつくっていきながらやる仕組みというふうに見直してみると、前から僕がこだわっています公の施設という概念はすごくやりにくいというか、ただ借りるだけという話になってしまうということで、そこを何とか切り崩していかないと、次の先が見えないなというふうには思っているんです。その辺のところをどう考えるか、いろんなやり方があると思うんですけれども、その辺のところはぜひご検討いただければというふうに思っています。
○ それは行政の仕組みとは違った観点が必要だという・・。
○ 開き方みたいなもの。ただ、さっきの公の概念というのが、地方自治法上は非常にかたい枠組みになっていますから、それと違うよという言い方をどこかでだれかがしないといけないし、ある意味では制度的な仕組みというものも考えないといけないのではないかなと思うんですけれども。そうでなければ、今よりどころがないので、みんなそこへ行ってしまいますよね。
○ 制度的には多層ではなくても、例えば東京みたいな地域を考えますと、国立であるのか、公共であるのか、区立であるのか、民間であるのかを問わず、内容によって聴衆・観客が集まってくるということで、多様なものが集まって文化圏を自然につくってしまっているという状況がありますね。それを制度的に多層化するとか、あるいは概念整理するということがどのように可能なのか、個々の会館の模索の中では大変に難しい問題だと思うんです。
○ だれがネコの首に鈴をつけるかという話なんですけれども、日本は文化庁であって省ではないですけれども、文化庁がとにかくプランを出す。たたかれたって何だっていいんだ。たたかれても、今までの官庁的な立場ではなくて、いろんな意見を吸収して、それを踏まえて・・つまり文化庁が出さないと、いろんな民間の経団連とか何でもいいですけれども、そういうところが出したって、それはおさまりになるはずはないわけです。つまり税金を使っても芸術文化を支援することが妥当であるのはなぜかというところから始まって、文化庁がプランをおつくりになって、提言をおつくりになって、それを踏まえて議論しないと、どこまでいっても、経団連はこう言っているよとか、何々振興会はこう言っているとか・・。
△ なぜこの懇談会をやるかということの問いかけを皆さんからしていただいているような気がいたしております。私どもきょうお配りした資料6は、いろいろなところで言われています。重要であるということは指摘がある。文化庁自身の文章自体も入っているんですけれども、やはりもう少し具体的な方向性というものを一つの発信として打ち出すことが、いろいろな地方で文化行政を発展させるときのバックボーンとしても使っていただける。私どもはフランス型を目指しているのではなくて、あくまでもそういう文化的な施設をやっておられる方が、基本的、自主的、自発的、主体的に役割を追求されるというのは当然だと思っておりますけれども、その上に立って、ビジョンの示し方がまた問題ではありますけれども、こういう会議を持つことによって、そういうことの中で一定のまとめをすることによって、私どもとしては、いわゆる文化会館と言われているものの活動をより活性化していきたいというねらいで、今議論をお願いしているわけでございます。
先ほどから最終的にどうまとめるかというレベルについて、いろいろなお考え、また、まとめたことによる逆の負の面ということの危惧、いろいろなご指摘をいただいていると思うんですけれども、引き続き活発にご議論いただく中で、私どもなりの役割を果たしていきたいと思っております。
○ これは私の勝手な意見ですけれども、行政を預かって、文化もスポーツも歴史も教育もまとめて「文化」ととったときに、何かヨーロッパの国々は、「文化も経済なり、経済も文化なり」という思いが非常に強い。
ですから、この前、管理職対象に講話をしたときに、いわゆる文化の振興策を図ることで、地域への経済波及効果は非常に大きいものがあると。消費が冷えきっている。物をつくって、大量生産、大量消費をするということは、いろいろな公害問題が出るけれども、文化の消費は公害が出ないよと言っているんですよ。
文化とか、歴史とか、スポーツもそうですけれども、そういうものの振興を図ることによって経済波及効果が非常にあるはでは。私どももお祭りをするわけですけれども、祭りをすると1年に約2億の予算を使います。使いますけれども、3日間で、まちに落ちている金は10億です。祭りをやって、ビールを飲んだり、移動に乗り物に乗ったり、衣装を買ったりということで10億円が落ちているわけです。そういうことを文化事業も考えてすべきではないのか。何でも赤字だからだめではなくて、ここでは赤字かもしれないけれども、全体として経済に果たす役割は大きなものがあるんですよ。それぞれのファンの方に来ていただく。乗り物に乗ってきていただく。終わってから、またまちで家族で食事をしたり楽しんでもらう。そうした効果も前に出すべきではないのか。ただ、文化事業だから、赤字だからという短絡なものではなくて・・どうも日本は、物をつくって、売って、経済を支えている。日本は物づくりの文化で発展して来たと思うんです。それはそれで、もう一つは、そういった文化事業の推進(消費)によって経済波及効果を図るべきでそういう分野の評価がこれからのまちづくりの一番の問題ではないのか、こう言っているんです。
だから、人づくりこそまちづくりですよと。文化関連事業だって、経済に大きな役割を果たしていくということを言ってもいいのではないかという気がしてしようがないんです。
○ 私のメモの「具体的な役割を果たしている事例」というところで、地域のイメージを変える、流入人口を増加させる、経済の文化化の時代に地域活性化の核になるというのは、まさに今市長がおっしゃったとおりのことなんですが、その大きな役割のところを「在り方・役割」に書いておかないとまずいと思います。おっしゃるとおりだと思います。
○ ありがとうございました。
きょうの議論の枠ということはないのですが、資料5の1というところに、二つの「○」があって、あと「・」が幾つかございます。今のご発言などもここに触れるものだと思いますので、ここからもう一度立ち上がって、ご議論をなさっていただいてもよろしいと思います。
○ 私のような地方の小さな町の現場で仕事をしていますと、私が提出した資料の15ですけれども、あわててつくりましたので、つじつまの合わないところがちょっとあるんですけれども、全国公立文化施設協会さんが作成された平成11年度の資料の中で、協会に加盟している施設のうち、実際に加盟されている施設の中には現在建設中で、まだ運営をしていない施設もあるんですけれども、そういう施設を除きまして、自治体といいますか、人口別にどういうふうな分布になっているのかというのを拾ってみたんです。
そうしましたら、ここで拾った資料でいくと1300館くらいの館ですけれども、そのうち全体の60%が人口10万人未満の自治体が管理している施設だと。さらに、全体の館のうちの63%がここ10年くらいの間にできた会館であるということなんです。そういうふうにして見ていきますと、全国の館の6割が小さな自治体が管理運営している施設ですから、この施設が活性化していけば、日本全体の会館が活性化するんだろうという気がします。
それで、例えば人口5万未満の施設も結構あるわけですけれども、人口5万未満の自治体となると、先ほど来、いろいろな委員の方のご発言にもありましたけれども、町の中で一番大きな建物は文化会館ですよということもあり得るわけです。そうすると、その文化会館がどう動くかによって、町の経済に与える影響とか、そういうことも非常に大きくかかわってくるという感じがしますので、これから議論をずっと進めて、後で担当の方がおまとめになるときに、いわゆる全国の2000館に共通する部分はどの部分なのかとか、今言った全体の6割を占める小さな会館が考えるべきことはどの点なのかというようなことを少し整理していく必要があるのではないかなという気がいたします。
○ 委員の資料にもご指摘があって、人口1万人以上の地方自治体が約1700、全国の公共文化施設が約2000。2000のうち1万以上の自治体が1700ということですから、おっしゃったことと符合しますね。
○ 僕はフランス流のやり方というのは余り好きじゃなくて、もっと自由におのおのの地域が好きなように文化活動をやれば好いと思っています。フランスは、国威発揚、植民地経営というところから文化政策が発達したので、政治経済と絶対に関係があるわけです。僕はイタリア文学もやっているものですから、フィレンツェのやり方をみてるフィレンツェは芸術家を育てたけれども、それを売り払ってフィレンツェの国威発揚に使っているわけです。芸術のために芸術をやっているわけでは決してないんで、そういうことを抜きにして芸術を論じても仕方がないということと、社会を勘定に入れなければいけないということがある。
一方文化活動の、基本は、法律とか何とかいうことではなくて、プログラムだと思うんです。いい企画があれば人は寄るんで、それをつくることに知恵を絞ることを考えた方がずっと効果的で、国の法律を整備して、どれだけ国からお金をもらうとか、そこへ文化庁がどれだけ口を出すかというような問題は二の次だというふうに思います。やっても悪くはないでしょうけれども。
それから、さっき、お話に出ていたことは非常に大事なことで、大きな文化会館はそれぞれ県が自分の売り物になるから、適当にお金もつけるし、いろんなことをやるわけでしょう。だから、そんなものはほったらかしていいわけで、それよりも、もっと小さいところの文化会館が何かやるとすれば、それはプログラムの問題もありますし、おのおのの地域の特殊性にのっかったシステムを考えるよりほか仕方がないわけで、そのための方式をお考えになれば、文化会館の大部分を占める60%ですか、10万人未満の自治体の文化活動をどう活性化するかということをお考えになるのが、一番大事なことじゃないでしょうかという気がしております。
そして、芸術家の企画策定参加も結構なんですけれども、芸術家はえてして自己満足のために、自分のやりたいことをやりたいと言いますので、市民が何を望んでいるかということを考えないわけにはなりますまい。芸術家の努力は芸術家の努力で、十分大事なんですけれどもね、そうなってくれば、運営より企画をやるような委員会に、偉いお芸術家じゃなくて、その地方に住んでいながら頑張っている芸術家みたいな方々をたくさん入れて、それに行政の専門家も入って、僕は何かわかりませんけれども、全国に通用するような方式というのはないわけですから、そこでお互いによく考えていく。
もう一つできることは、いろいろな館の間でネットワークをつくって、いい企画ができたら、それをほかにも移して、そういう試みをやるようなアイデアの流通というのが非常に大事だと思うんです。
この間、武蔵野市で、手前みそになりますから、自分のことを言うのは好かないですけれども、日本では『曾我物語』と『平家物語』と『忠臣蔵』というのは伝統芸能の三大ソースなんですね。源になっていて、題材がいっぱい出ていますので、それを使って、おのおのの地域に住んでいる平家を主題にした芸能というのがあります。武蔵野の場合だと、落語と浄瑠璃と琵琶ですね。それから、踊りと狂言、『屋島』というのがありますから。そういうので、東京の西側のあたりに住んでおられる芸術家を口説いて、「『平家物語』の世界」とか何とかいう主題で、このごろいろいろやっております。すぐに売れてしまいました。やっている小屋が500以下で、小さいものですから、わりあい簡単にお客が集まるわけです。またそういう企画は何も同じ芸術家を使う必要はないわけで、『屋島』あたりだったら、那須与一の話があるわけですから、そういう話の語りが残っている場所なら、その地方の芸術家も入れるし、かなりレベルの高い人を頼んで、それにはある程度の出演料を払って、主題は同じだけれども、おのおののバージョンで、おのおのの場所で違った顔触れでやっていくというような企画のアイデアをぐるぐる回したらいいんじゃないかという気がするんです。そういう連絡が取れていないような気がします。
その2点か3点ぐらいのことでいいでしょうか。
○ ありがとうございました。
それでは、別に交通整理するわけではないのですけれども、人口10万以下の地方都市と文化施設の数の比率が、今議論しております公共文化会館の果たすべき役割の「地域における」という○印のところにかなり密接な関係を持ったご指摘だと思うんですね。ですから、一つは、文化会館が地域と結びついて、地域に対して何をするのか。また、その地域性、固有性の中で、個々の会館のアクティビティの違いが出てくるだろう。その地域が会館を支えるという意味では、政治家も、市民も、それからご指摘のように、芸術家の参加といったことも必要になってくるだろうということはあると思います。
ただ、そのときに、個々の地域と文化会館という結びつきだけで物を考えていいかどうかということについては、文化圏的な広がり、あるいは交流とか、そういうような観点でもっと考えていくと、それは地域自治体の制度とか、国の制度の仕分けとか、そういう制度的な問題にもつながっていくだろう。制度の前に、もう少し現状の制度から逆にソフトを引きずり出してくるという観点が必要になってきて、それは、突出したものではないけれども、ある一つのモデルについての文化の在り方というものを象徴するような支援、そういったものの実行、実践を先に立ち上げていくべきではないか。そこから概念整理をしていくことと、着地点としての欠陥、つまり制度的なというか、機構としての欠陥を保全していく方向性というものが大事になってくる。
私は、今までそのように先生方のお話を聞いていたんですが、また2番目の○につきましても、どうぞ言及していただいてよろしいと思いますので、ご発言がございましたら、どうぞよろしくお願いします。
僕は一つわからなかったことを聞いてもいい。モデルと言ったことは、実は僕はまだよくわかっていないんです。突出しているものではなく、つまり環境のモデル。
○ 要するに、概念が拡張したと申し上げましたけれども、例えば経済効果みたいなものは、従来の地方公共文化施設の運営の中には余りカウントされていなかった部分なわけです。したがって、それを運営する者の意識とか評価についても、そういうことは余り機軸になっていなかった。同じように、例えば地域文化ということですよね。もう少し言い方を変えると、地域の伝統の継承と地域の文化の創造みたいな役割が新しく出てきていると思うんです。さらに言えば、それのインフラストラクチャーというか、地域にある・・僕は、日本は文化が遅れているとか芸術創造に対して関心がないということではなくて、根本的な発掘ができていないんじゃないかと思うんです。
従来の館であれば、何かいいものがやる。「しかし、人が集まらなかったよ」、これでおしまいなんです。まだまだこのことは理解できないんだ、じゃ人を集めるものをやりましょうみたいな形で対応しているんだけれども、もしいいものをやって人が集まらなかったとしたら、やっぱり集めるための活動というのが新しく出てくると思うんです。そういう活動というのは突出したものではあり得ないというのが僕の議論の趣旨なんですね。そういうところに一つのモデル事業みたいなものをつくらないと、見えやすい突出したもの、例えば大がかりな創造活動をやっているとか、あるすばらしい芸術家を抱えているとかいう活動ももちろん重要なんだけれども、そのことを地域と共有するための活動というのがやっぱり新しい役割として文化会館にあるだろう。そういう部分については、まだ設置者の理解というのはなかなか少ないわけです。とにかくいいものをやれば人は集まるんじゃないか、あるいはクラシックに集まらなかったときは、この辺はまだクラシックは無理だという話で終わってしまうわけだけれども、実際にそれがいいものであるとすれば、それに出会わせるための事業をやらなくてはならないし、こういうところには何か支援をしていかないと、実は立ち上げられないわけです。
この間の議論でも言いましたけれども、実施事業予算というものを持ったときに、小さい予算であれば、やっぱり一つぐらいはいいものを呼んできたいということがあると思うけれども、それにまつわって、その予算の倍ぐらいかけて、実際にはそれを地域に浸透させるための活動をやらなくてはいけないわけです。この辺のところにポイントがあるのではないかというのが、先ほど僕の申し上げた趣旨なんです。僕も足らずだったんですけれども。
○ わかりました。
○ 皆さんから出てきている意見とほとんど・・つまりダイバーシティーがあって、単なる中身の多様性だけではなくて、規模別とか、全国2000以上のホールがありますけれども、私どもの参考の資料にも載っておりますけれども、これだけ2000以上のホールがありましても、実際に月1回ペースぐらいでオリジナルの企画を打ち出せるところはその1割から2割ぐらいがせいぜいですから、そういうオリジナル企画を発信できる能力を持っている施設と、そうではなくて人口の少ない会館、公民館的なところで行政の力でやっているところとでは、当然バックグラウンドが違いますし、それに対する地域における役割も違っておりますし、支援の仕方も恐らく違ってくるだろうと思いますから、そういうダイバーシティーを前提にして、おのおのに多層、重層的な考え方を投入していくということは、皆さんの議論でも当然前提になっていると思いますし、それは全く同様であります。
ただ、私どもも自治体の公立文化施設の活性化になるように仕事をしておるんですけれども、やはり壁にぶち当たる部分というのは、多分、地域における文化振興の観点からというよりも、例えば行政の中のプライオリティーとして、環境とか、福祉とか、そういう行政と、これからのライフスタイルにおける文化芸術の価値というのは一緒だということを我々は強調しておりますけれども、その理解がなかなか進まない。これがよく言う外国と日本の文化芸術風土の違いという言い方にも関係するのかなと思ったりしますけれども、個別に見ると、地域によっては理解が非常に進んでいる地域もありますし、また、そういう方々がおりますけれども、全体的な日本の状況という形で見ると、特に地方の状況という形になると、文化芸術活動の評価づけというものがまだまだ低い。
これをどういうふうにして高めていくか。意識の問題とか、教育の問題とか、首長のご理解の問題とか、いろいろあると思うんですけれども、先ほどの言われたいいプログラムをどんどん出していけば広がるよというのも、確かに一つの解決だと思うんですが、どうも大都市の場合と地方の場合の状況があって、これは一つはマスコミの関係なんかの地方での評価の問題というんですか、いい活動に対するよし悪しの評価というのは、大都市は非常に敏感だけれども、地方に行くと非常に鈍感になってしまって、せっかくいいものをやっても、悪いものをやっても、余り差がないとか、例えば行政における予算措置は余り変わらない。いいものをやったから、すぐ予算が増えるかというと、変わらないという問題もあるような気がいたします。
いろんな問題があって、ダイバーシティーがあるなというのが実際で、順序から言いますと、文化芸術活動自体の地域における意味づけ、評価づけを高めるための措置がまずあって、そういう努力があって、その中で役割分担としてパブリックなホールとプライベートなホールとの役割分担やそれ以外の新しい類型が出てくるだろうし、パブリックなホールの役割も従来の制度から少しはみ出したような形で広がる必要があるだろうしという役割の分担の問題が出てくる。それも大都市や地方の小さな都市とは少し違った議論があるのかなと。
これもはっきりはいたしませんが、地方のぎりぎりのところでは、非常に多目的なホール、一つの施設ですべてに使わざるを得ないという状況もありますから、しかも民間の活動と言っても非常に限られておりますから、最低のミニマムの地域文化活動、芸術活動を支えるにはやはり自治体がかなり頑張っていただいて、自治体の首長のご理解のもとに、相当部分のところまでは頑張っていただく必要があるのかなと。その上で、そういう踏台をベースにして、いろんな多様な民間のアクティビティを自由に受け入れるような、ふところの広い文化施設管理をやっていただくということが必要なのかなとか、そんなようなことをちょっと思っております。
○ 今のマスコミにのせて評判になるというのは、だれを対象にして評判になるんですか。
○ 評判になると言うと、ちょっと違う。要するに、評価をどんどん厳しくしたり、いい評価をしたりというか、地方では評価する人自体がいない。地方新聞では、ビッグネームはすぐぼーんとのっけるけれども、地方の非常に地味な活動をしても、それをちゃんと見る目がいないので、必ずしもそういうものがきちんと評価された形でマスコミにのらないという話も聞くんですね。
○ 例えば10万以下の町とか、1万ぐらいの町で・・。
○ そうすると、まず大新聞の駐在員がいませんね。
○ 対象としているのはその町に住んでおられる方でしょう。
○ 意味はそういうことですね。
○ そういう方たちにいろんな方法で連絡を取るシステムをマスコミに頼らないでお考えになって、そしてその人たちが見にくれば、土地に根ざした文化活動になるわけでしょう。外で評判になったから、みんな見にくるというのでは、それも大事だと思いますけれども・・。
○ 市の広報に書いたものを見るのと新聞で読むのでは、ちょっとインパクトが違うんじゃないでしょうかね。この辺はいろんな議論があると思いますけれども。
○ さっきからの議論の中で気になることなんですが、非常に気をつけなければいけないのは、国なのか、都道府県なのか、区なのか、民間なのかによって、設置者によってクラシフィケーションをしないようにしてほしいなと思うんです。小さな町で、人口が10万未満、5万未満の町でも、本当にすばらしい音楽ホールを持って頑張っている町もあるわけで、何か外的な要素によってクラフィシケーションをしてほしくないなということ。つまり人口規模とか、だれが設置しているかによって、一般化してクラシフィケーションしてほしくないなという思いが1点あります。
それから、私もとても気になっていることなんですが、日本芸術文化振興基金の各公立文化施設・会館に対する補助金のやり方は、逆にクラシフィケーションする必要がある分野だなと思っているんです。審査に携わる人はみんなそう思うんだけれども、手段がなくて、結局、ここは財政規模が大変小さくて頑張っているから、ここにはあげなければいけないなという議論にならざるを得ないというのは、問題があるなと思いながらもそのままになっているんですが、そういうところは活動の質とかレベルによってクラシフィケーションして、配分して、図書館ではありませんが、<望ましい基準>を達成した場合には支援をするという明確なるものがあっていいんじゃないかなというふうに思います。
滋賀県の図書館振興にあったては、<望ましい基準>を達成した場合には補助する。館長は司書であることといった条件をつけてレベルアップを図っていったので、結果として、とてもいい図書館ネットワークが出来上がったという事例があります。
例えば法律にしなくても、<望ましい基準>があるといいと思います。それが具体的に何であるかというのは、今言ったように、外的な要件でくくれないだけに、中身に入らざるを得なくて難しいんですが、何か必要です。
○ でも、会館の大きさとか住んでいる場所によって、活動のタイプが違うわけですから、それはやっぱり仕方がないんじゃないでしょうか。どれでも一律に文化会館に全部お金を出すんだというわけにはいかないんでね。そうでしょう。
○ そうなんです。だから中身によって判断してほしいということであって、単純に外的要因によって判断してほしくないというだけの話です。
○ そうすると、プログラムの実績主義にならざるを得ない。例えば大きくて音響効果が幾らよくても、ずっと何もやっていないところにお金を出すかということになるでしょう。だから箱だけではなくて、箱よりもむしろその施設が例えば音楽なら音楽のプログラムでどういうことをやってきたかという実績評価ですよ。
○ その辺を代弁しますと、毎年すごく立派なことをやっていらっしゃる。最初は、一番最初にこういうことをやられているから、例えば500万円の補助金が行きますよ。でも、5年たつと「もういいかげん、いいでしょう」という話で、ぼそっと切られてしまうということがありますね。愛知県芸術文化センターがそういう事例で、5年たって、もういいでしょうというふうにしてやっているわけですね。
○ それは日本流の公平主義なんです。だから3年がマキシマムで、3年連続すると、次は打ち切ってという。だから継続性ができない。
○ 継続性ができないとか、いろんな仕組みがすごくひずみが来ていて、全部平等主義でやっているからそうなっているので、少しユニークなところは、ユニークなような仕組みに対して継続的にするのか、しないのかということも、最初から議論をきちっとしておかないといけないなと思います。
ただ、それは県がやっているから、たくさんお金をくれという話ではないよという言い方だと僕は思いますね。
○ そのとおりです。
○ 助成というようなところに少しバイアスがかかっているようですけれども、内容によって弁別するという弁別の基準というのはすごく難しいんで、それはどうなんでしょうか。芸術行為のよし悪しというのが内容だとすれば、そのよし悪しをだれが判断するのかという問題にもなります。
○ 一つ気になるのはさっきの小さな町で、僕も実は今三つぐらいかかわってやっているのは、大体10万人以下の町ばっかりなんです。そのときに、逆に言うと、今芸術文化的な活動に特化しようと思うと、それはその地域から見ると、ある種の片輪なんです。万遍なくいろんなことをやらなくてはいけないという要望がまた一方ではすごく強くて、ところが、全部万遍なくやっていくと、世の中はおかしくなってしまうというところなんですね。そのときに、どこかへ突出しようとか何とかということが、どういうふうに決まってくるかということを見たときに、もちろん様々な見方があって、個人的にある分野の人がそこにいらっしゃったから、そのものが伸びていくとかいうようなことから、意図的にそういうことをやろうという仕組みで引っ張っていくとか、いろんなやり方が多分できていると思うんです。
何を言いたいかというと、制度は皆さん余り好きじゃない、芸術文化に関しては余り制度は好きじゃない方が多いんだけれども、例えばNPO法とか、環境基本法とか、科学技術基本法とか、そういうものができるということは、大学の制度がきちんと変わっていくとか、環境基準が変わっていくとか、あるいは社会の市民の活動の仕組みがきちんと整備されるとか、非常に大事な枠組みをやっぱり持っていると思うんです。ところが、芸術文化に関しては本当に何にもないですよね。本当に何もないです。だから、ここで非常に大きなフレームとして、そういうものをどう考えるかということも一緒に考えないと、いつまでもすごくマイナーな話になって、芸術は経済にとっても非常に大事だという話にいつも戻るんだけれども、そこへいっても、何となくそれが認知されていないというか、その辺のところの堂々めぐりになってしまうんですね。
○ 2点あるんですが、一つは、さっきの支援の継続性という問題だけれども、これは意図はともあれ、お金を出すというシステムだけではなくて、例えばフランスのような内容についてある種の一貫性を持つ、あるいは国が責任を持つというようなシステムと同伴する。あるいはアメリカ型の支援のように、お金を使われ方について決算書を物すごく厳しく審査するというものを伴わないと、日本の場合はその方向が物すごくアンバランスだと思うんです。継続してお金は欲しい。しかし、規制は困る、緩やかにしてほしい。ですから、制度的に手をつけるとすると、そういう両輪に手をつけないとぐあいが悪い。
2点目は、多少書生の議論になるわけですけれども、今おっしゃった認知という問題で言うと、認知を受けるのは小さい規模のところのそういう経常活動ですね。例えばタックスペイヤーに対する認知を受けるのに、やっぱり顔の見える行政体というのが一番、そこから積み上げていかないと、文化行政についてお金を使うということ・・つまり通しやすいのは大きなレベルで、国のようなレベルで、例えば税法上の措置をするみたいなことが一番通しやすいわけですけれども、これが下の方に、本当に重要性とかその効果、あるいは生活環境が変わるという実態的なものとして実感してもらうというのは、非常に難しいと思うんです。将来的にそういうところに持っていくためにも、まず下という言い方はよくないかもしれないんですが、地域と密着したところで・・。それこそ非常に困難だと思うんです。しかし、そういう議論を直接持っている公共事業の館と地域の住民の方たちがやっていく、あるいは地域の住民の方たちに積極的に働きかけるという活動をやらない限りは、僕は常に回ってしまうと思うんで、今、日本の文化行政の中で一番欠けているのはそこだと思うんです。
そこは何となくエヘヘと笑いながら・・ちょっとおしゃべりさせていただくと、僕が館とかかわったのは、黒テントで回っているときに、公有地にテントを張らせていただくために20年余り各地のいろんな行政体の公園課とか、そういうところにお話をかける。そうすると、必ず困ったなという顔をされるわけです。今までない、何か面倒なことが起きてしまうな。それが、今、実際に例えば世田谷のパブリックシアターなんかでやっているときに、何か抜本的に変わっているかというと、どこかで困ったな、面倒なことをやらされているなというところは変わっていないわけです。これが変わっていないということは、館が変わっていないのではなくて、それを支えている地域の意識みたいなものが、実はまだ全然手がついていない。ここ30年ぐらい大きく変わったように見えるけれども、実はそこは何にも変わっていないんじゃないかというふうに、このところ思うところなんです。
多少青っぽい議論なんですけれども、そこについての具体的な方策が何かとられる必要があるし、そのことが大きな完成だと思うのは、日本の芸術文化は伝統と現代というものが完全に切れてしまっている。地域に根づかないというのはそこだと思うんです。伝統というのは、何も伝統芸能という意味ではなくて、地域における伝統的な生活と今言われている芸術みたいなものがどうしてもまだ取り込めていないわけです、生活の中に。しかし、それを生活の中に取り込むという新しい伝統の創造を行わない限りは、地域というのは落っこっていくわけです。だから、芸術文化の問題というのは、今みんなが取り上げているのは、SOSなんだと僕は思うんです。実はそういう深いところでのSOSがある。ただ、それに対する具体的な対処が有効にされていないというところなんじゃないでしょうか。
○ 行政の人間が困ったなという顔をするのは、地域の人たちとか、住民の人たちとか、あるいは議員から、けしからんではないかと言われるのを恐れて、困ったような顔をするんですね。先ほど新聞の話が出ましたけれども、例えばテントを公園かどこかに張るというようなことは、地元の新聞がいいことだよと書いてくれると、それで認知されてしまうところがありますね。
この話とはちょっと外れて恐縮ですけれども、喜多方というのは日本酒の産地で、市内に10軒の蔵元があるんですが、全国から自分のお酒をつくりたいという人を募集して、冬の間、1月から3月までの間に8回か9回喜多方に通ってもらって、自分だけのお酒をつくってもらうという酒づくり講座をやっているんです。今年で4回目で、間もなく始まるんですけれども、やはり行政が特定の業種に肩入れをするのはけしからんという議論が実はあって、そういうプレッシャーというのは確かに結構かかってきていたんです。ところが、最近、地元紙が論説で、もうそういう時代じゃない、行政が特定の業種に肩入れするのはけしからんと言っている時代じゃないよ。喜多方でやっている。これはまさに地域の文化を引っ張っていく行政としてあるべき姿だというふうに書いてくれたんですよ。それで認知されてしまうんです。そういうところが地方の小さな都市には特にありますね。
○ 何も全国規模のマスコミのことを言っているわけじゃなくて、地域の人たちと組んでやるのは絶対賛成で、それはやった方がいい。あらゆる手段を使ったらいいと思います。だけれども、NHKとか、朝日がというのは、その場所については意味が余りない。それもまったく意味がないとは思いますけれども。
それから、絶対に評価はやらなければだめですよ。評価の委員を次々と変えていけばいいんですよ。
○ 私が言う評価というのは、総合評価が必要だということを言っているんです。町民レベル、市民レベルでの。
○ だんだん積み上がって方針ができてくると思うんです。西洋の芸術、お芸術をやればいいというのではなくて、とにかくそういうのが文化政策だと思っているのを変えていかなければだめだと思うんです。
○ 要するに、大新聞しても、いわばオーソリティーのお墨つきというのが批評としてまかり通ってしまうと困る。だから発掘とかいうのは、全部、市民レベルの生活文化の中に芸術がどう取り込まれるかということ。
○ むろん、それだけでもだめですけれども、そこのところが難しいと思います。
○ 難しいけれども。
○ 私も、皆さん方がおっしゃいましたように、文化会館そのものは存在の実態そのものが極めて多様性に富んでいるといいますか、千差万別であり、したがって、そこに一義的なものをというのは到底無理な話だろうと思われます。地域に密着した形での当該地域での存在活動について、どういうふうな物の考え方をするかということだろうと思いますけれども、パブリックシアター的な方向というのも、ある館ではあるでしょうし他方、そうではなくて、大半の館では、どちらかというとコミュニティシアターというよりも、コミュニティセンター的な存在ではなかろうかなという感じがしております。その際に、文化行政として一義的にこうやるべしということではなくて、グルーピングをして、このグループに対してはこういう支援の仕方がある、このグループに対してはこういう支援の仕方があるというメニューを幾つか用意すべきではなかろうかと思われます。
ただ、芸術文化に特化すべきなのか、それとももう少し幅の広い生活文化的な側面を念頭に置くべきなのか、そこが非常に難しいところという感じがします。文化振興法ということを言われたのですけれども、文化の中身、対象をどうとらえるかによって、振興法自体の中身、内容も異なってくるんじゃなかろうか。芸術文化に特化するというのも一つの枠組みとしてあり得ることですけれども、もっと幅広い文化そのものということになりますと、対象が拡散してしまって、一体どこに焦点を絞っていいのか、結果的には理念論に終わってしまうといったこともあり得るんじゃなかろうかなという感じがしております。したがって、文化会館に対して、芸術文化に特化した方向を求めるのか、それとももう少し幅広い文化一般ということを期待するのか、それはこちらでもって誘導するというよりも、それぞれの地域の事情に応じて各地の館が経営理念として持たれるべきではなかろうか。
その際に、地域によって、こういう言い方をしては失礼なんですけれども、文化的成熟度の違いがかなりあるだろうと思います。従って、そこに行政サイドがかなりコミットすべき地域もあれば、かなり民間サイドにゆだねてしまっていいというところもあるんじゃなかろうかと思います。
つまり、マネージメントに関しても、行政のコミットの仕方が9割、場合によっては10割りあってもいいような館と、そうではなくてかなり低いあるいはゼロに近いような、そういった館があってもいい。それはお金の支援とは別に、行政全体としてのコミットの地域の実態に応じての違いとなってあらわれてくるのではなかろうか。
いずれにしましても、千差万別の存在である文化会館に対して一義的な物の考え方というのは、なかなか難しいわけでして、いくつかグルーピングをしながら、支援の対象なりを別途メニューとして考えるといった考え方をしてよろしいのではなかろうか、こんな感じがいたしているところでございます。
○ きょうは、学校事業で遅くなりまして、大変申し訳ないと思っております。
先生方からいろいろなお話を伺いまして、なるほどというところがたくさんあるんですが、私の場合、子どもの立場というか、先ほどから地域と出ておりますけれども、子どもの実態から見たという形でお話をさせていただきます。 私、たまたま現場に出まして、神奈川県の方の公立中学校教育研究会というのがあるんですが、そこにも役員として所属させていただいて、なお横浜市にあります中学校研究会の方も役員をやっております。なお、旭区なんですが、18区あります一つの区の研究会の役員、まとめをしておりまして、その立場から申しますと、先ほど来お話が出ておりますが、子どもたちの活動が非常にすばらしいんです。私、きょう写真を持ってきたんですが、うちの学校のあれになってしまうかもしれないんですけれども、子どもたちの目というのかしら、芸術あるいは創造的な分野に関するすばらしい感性を持っているんです。それをどうやって引き出すかというのが私たちの仕事だと思っているんですけれども。
この間、秋の文化祭が終わったんですが、本校で言いますと、全学年が舞台芸術というんでしょうか、総合芸術になるんですけれども、演劇発表をするんです。いろんな分野がかかわるんですが、見事に一生懸命頑張ってくれて、必ずどこかで活躍するという場面をつくりまして・・ただ、体育館でやります。そうしますと、ピンマイクをいっぱい使ったり、いろいろ工夫しているんですが、音響効果が非常に悪いわけです。ステージも弾けるような運動、活動をしますものですから、ステージと同じぐらいの大きさの張り出しをいつも子供が使っている机を使ってやっているんですけれども、今年はかわいそうなので、何とかお金を出してあげて張り出し舞台をつくろうということで、30万弱かかったんですが、子どもが一生懸命やるんだから出してあげようという形で協力してもらって、活動しました。そうしますと、子どもたちは伸び伸びと、いろいろな場面で思い切り発散できるというか、活動できて、非常に満足している。それが日ごろの生活に返ってくるんですね。
芸術がイコールお金につながるには時間がかかるかもしれないんですけれども、私は、子どもたちがそういう活動を通じて、もっとやってみたい、あるいは聞いてみたい、見てみたいという分野が出てくることが、将来的に、文化立国と言うんですか、芸術文化をもっと高めようということにつながっていくんじゃないかなというふうに考えます。
そこで、神奈川県を受けて横浜市、市を受けて区と来るわけですが、ご存じのように、財政難ということで、会館を借りたいんだけれども、お金がないというので、非常に苦労しております。横浜市でも、県立音楽堂、青少年センター、県民ホール、歴史博物館、みなとみらいホール、市民ホール等々のいい会館がたくさんあるんですけれども、公の会館でも財団に変わったところもありまして、私たちは子どもたちの大きな発表を区のレベル、市のレベル、県のレベルでやってあげたいんですが、借りることがまず難しいんです。規制がありまして、6か月以上前に申し込んで当たったら貸してあげるというような状況が現実にありまして、子どもの活動を支えるために、委員会に掛け合ったり、いろんな行政に掛け合ったりしながら、何とか活動させてあげたいというので取り組んでいるところなんです。文化庁から出されておりますマスタープランにもありますが、子どもを育てるいい環境をぜひつくってほしいな、つくらなければいけないなというふうに切実に思っております。
一つ、この間、横浜市で連合文化祭というのがございまして、約半年にわたりましていろんなところで活動するんですが、音楽だけに限らず、いろんな教科、分野も発表するんですけれども、それぞれすばらしい活動をしております。そんなところで子どもたちの活動に前向きに取り組めるような、これからの子どもたちを育てるよい環境をつくっていくために、私も何かお話をしたいなと思っておりますが、その辺で、借りるための手続き上の苦しさ、財政難の苦しさというところに今突き当たっております。
その中で、一つ大変うれしいことがございまして、先ほどご理解、評価づけというお話がございましたが、今年、旭区の30周年なんですが、たまたまうちの区のブラスバンドが、土曜日も東京の方で・・国レベルで活動している団体がたくさんありますものですから、地域の方から、ぜひ中学校の音楽を聞きたいという形で、今年、音楽会・・小さな公会堂があるんですけれども、とても入らないんです。でも、行政はそこでやってほしいという話があったんですが、掛け合い、掛け合いの中で、子どもの実態をお話ししていく中、活動をする場面を見る中で、先ほど出ました「みなとみらいホール」の大ホールで活動することができることになりました。11月15日なんですが、そこに区長さん、総務の部長さんが協力していただいて、せっかくパイプオルガンがあるんだから聞かせてあげようじゃないかという形で、上下と言ってはいけないんでしょうけれども、上の方がご理解があるとこんなに違うんだなということを感じまして、文化庁が出されております公的な活動についても、もっともっと広めて、子どもたちのためにお力をいただきたいなと思っております。
○ ありがとうございました。
私の不手際で、いろいろな話が出ましたが、逆に言いますと、きょうの議論の土俵であります1項目だけでなく、これから個別論議を重ねていきます中で、すべてのご発言がそこに脈略していくことと存じます。
それでは、時間なのですけれども、次回以降の個別課題につながるということを考えておりますので、どなたか、ほかにご意見がなければ・・。
○ 明治以来入ってきた西洋の音楽なり演劇なりを考えると、非常にプアであるということになるんですが、生活文化的に考えると、水平志向的に変えれば、こんなに豊かな国はないわけでありまして、1000万人が詩をつくっているとか、お茶とか、お花とか、生活文化的な要素が非常に多いわけです。
だから、今の日本の文化状況を一言で言ってしまえば、生活文化的なんですよ。そこで芸術文化的なものをどうするかということが問題だと思うんです。だからクラシフィケーションの話でも、次元を変えて考えれば、いっぱい建っているんだから、一つは生活文化的なものにもっと使えばいいじゃないか。みんなが芸術文化志向で、無理してむだなことをやらない。一方で、かちっとした芸術文化的なコアがある。真ん中に、両方に使えるような接点、生活文化的なものをやるかもしれないし、芸術文化的なものをやるかもしれない。この三つのジャンルを考えたら、わりと割り切れるんじゃないかなということをふと思いついたんです。館の大きさとか、芸術の中身とか、そういうことになると、どんどん枝分かれして話はどこへも行きませんから、2000建っているものをそういうふうに大ざっぱに考えてみたら、それぞれ生活文化的なものはもっと活用して、国民全体の民意は生活文化的なんですから、生かすように使えばいいし、一部のコアとなる芸術文化的なものは集中的に強化すればいいし、あと真ん中、この三つのジャンルで考えられないかなとふと思いついたんです。
○ 実態としてではなくて、視点の整理という観点ではね。
それでは、調査についてのご報告。
△ お手元に資料16としてございます。前回までに、調査研究会議のバックデータといいますか、そういったものを採取する必要から、基礎調査を行うということでご了解を得て進めているところでございます。
現状の状況をこの資料に基づいてご報告いたしますと、四つほど考えなければいけないということで、包括的な実態並びに意向調査、事例調査、そして資料分析というふうなプログラムを考えているわけですけれども、当面、包括的な実態並びに意向調査につきまして、先週の金曜日に資料16以下についております調査票をもちまして各施設に発送させていただきました。対象は約2000有余でございます。作業的な手順を考えますと、2週間ぐらいでファックスをいただこうというふうに考えましたので、施設概要、ホール概要は、これまでの公立文化施設協会等々の調査である程度わかっているところでございますので、あらかじめその分は記入して、それぞれの館の負担を軽くする方向でお願いしてございます。
これらを踏まえまして、できましたら第4回のこの会議に、速報という形で、ここに掲げてありますようなものについてご報告を申し上げたいと思っております。
なお、この調査票の中に、前回までの議論で私ども何とか入れたいと思っている部分がありましたが、行政の評価というのがどうなっているんだろうかと。これが、調査票の中で本音と建前的な部分でどう答えていただけるのかということを実際の調査会社とも相談しまして、なかなか難しいんではないか。これにつきましては、事例研究等の中で、一つ我々が考えておりますことは、行政の担当者というよりも、客観的なものとして、例えば議会での論議がどれだけなされているのか。少し調べますと、設置の時期には多くの論議がされているようでございますが、その後、ほとんど論議されていないかもしれない。その辺のことをやはり事例で少し裏づけて、それと予算の推移とか、そういうことで何か見えてくるものがあるのではないか。そんな形にかえさせていただければと思います。
それから、当初の会議でございました税の問題についても、、いわゆる財団をとっている場合の会計処理の仕方とか、これについても事例で少し整理しておきたいなと考えております。
それから、今回の中で、経済波及効果の産業連関分析的なものはあろうかと思いますけれども、流入人口などは、パーソントリップができていれば追いかけられるのではないか。今まで経済の波及効果というのは、わりと言われている調査研究も幾つか承知しておりますけれども、人口移動にかかわってきたというのは、余りそういう面から整理されたものを承知しておりませんので、パーソントリップをうまく使えば、それから資料分析できるのてはないか、そんなふうに考えております。
内容につきましては、時間の関係がありますので、特に一つひとつ紹介いたしませんが、ごらんになっていただいた上で、こういったものもさらに必要ではないかということがありましたら、時間との関係はございますけれども、できるだけ整えて次回にお持ちしたい、そのように考えております。
○ ありがとうございました。
ほかに、事務局の方から。
△ 事務局の方から1点だけ連絡させていただきます。
次回、第4回会議ですが、12月2日(木曜日)2時から、午後からですので、お間違えないようにしていただければと。場所は、また同じ会議室で、文部省の5A会議室ということでお願いしたいと思います。
また、本日話題に上りました「文化振興マスタープラン」の中に、若干ですが、経済効果も触れてありますので、ご参考にしていただければということで最後にお配りいたしました。
○ 基礎調査につきましては、お目通しの上、何かご指示がありましたら、公文協の事務局の方にお寄せください。
きょうは、司会不手際もありまして、申し訳ございません。
部長から何か。
△ きょうも大変活発にご議論いただいて、ありがたく思っております。特に評価に関するいろいろなご指摘、在り方等についてご意見が出たのが大変印象深くお聞きいたしました。次回の個別課題での運営等の面につきましては、そういうことについてより議論を深めていただいて、審議を引き続きお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○ どうもありがとうございました。
|