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古文書の部

14、未指定から重要文化財へ)

   きょうがくしようしょう       
 1  経覚私要鈔    82冊

  大きさ 第一冊   縦  29.5 センチメートル、横  24.3センチメートル
  所有者 独立行政法人国立公文書館   東京都千代田区北の丸公園3-2

     『経覚私要鈔』は、興福寺大乗院門跡経覚(こうふくじだいじょういんもんぜききょうがく)(1395〜1473年)が、応永22年(1415年)から文明4年(1472年)までを記した自筆原本である。 内容は寺内の様子や寺領支配などを中心とし、その他に筒井氏や古市氏などの動向を含めた大和の情勢、京都の動静から芸能にまで及び、中世社会経済史研究上の基本史料として極めて重要である。(室町時代)


   へいじょうきゅうせきだいぜんしきすいていちしゅつどもっかん        
 2  平城宮跡大膳職推定地出土木簡    39点

  所有者 独立行政法人文化財研究所(奈良文化財研究所保管)奈良県奈良市二条町2-9-1

     木簡とは、出土した木片に文字が書かれたものをいう。本木簡は、昭和35年、平城宮跡の発掘で最初に出土した「一号木簡」を含む大膳職推定地の木簡39点である。一部に天平宝字6年(762年)の年号が記され、その内容は『続日本紀』や正倉院文書などの奈良時代の史料を裏付けるものであり、古代の文献資料として欠かすことのできない重要な史料といえる。本件は、木簡指定の最初となる。(奈良時代)


   かわしまけもんじょ    
 3  革嶋家文書(二千四百五十九通)    24巻、217冊、1帖、2,121通、23鋪、8枚

  所有者 京都府(京都府立総合資料館保管)

     『革嶋家文書』は京都市西京区川島の革嶋家に伝来した文書で、鎌倉時代から大正時代までのおよそ8百年間に及ぶ家の歴史を伝える。その内容は山城国葛野郡革嶋南庄下司職の相伝文書、細川幽斎(ほそかわゆうさい)や明智光秀らの下での活躍を伝える文書、近世における郷士のあり方や村方騒動、さらに勤王志士との交友など幕末世相の様子を示すものなどである。とくに、「新撰組」による探索や、高杉晋作の「奇兵隊」の活動を伝える書状は注目される。(鎌倉時代〜大正時代)


   せっかんけいず    
 4  摂関系図    1帖

  大きさ 縦  23.7センチメートル、横  15.0センチメートル
  所有者 財団法人陽明文庫   京都府京都市右京区宇多野上ノ谷町1-2

     『摂関系図』は、摂関系図と大臣任例からなる。摂関系図は、藤原鎌足(ふじわらのかまたり)から朱線で系図線が引かれ、朱線の最後は一条実経(いちじょうさねつね)と鷹司兼平(たかつかさかねひら)であることから、建長年間(1249〜56年)に作成されたことがわかる。また、大臣任例は武内宿禰(たけうちのすくね)から藤原師継(ふじわらもろつぐ) までの182人を記し、師継の大臣就任が文永8年(1271年)であることから、この頃に追記が行なわれたと認められる。五摂家の成立時期に遡る摂関系図の最古写本として重要なものである。(鎌倉時代)



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