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日本におけるアーカイブの例について
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図書等の刊行物
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国立国会図書館(昭和22年〜)
国立国会図書館法第25条第1項の納本制度により、図書、小冊子、逐次刊行物、楽譜、地図、パッケージ系電子出版物などを収集。
図書で約860万冊、逐次刊行物で約1,121万点。(平成17年度末)
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蔵書については、ホームページから検索が可能。 |
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また、明治期、大正期に刊行された図書のうち、著作権処理がなされているものについてデジタル化し、インターネットで閲覧可能にしている。(無料)
デジタルライブラリー 約97,000タイトル(約143,000冊)(平成19年7月現在) |
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公立図書館や大学等においても、様々なアーカイブが見られる。 |
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放送番組
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NHKアーカイブス(平成15年〜)
NHKが過去に放送してきたニュース・番組を体系的に収集・保存。
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ニュース |
番組 |
全国総計 |
397万7千項目 |
61万2千番組 |
NHKアーカイブス |
142万2千項目 |
51万6千番組 |
地方の放送局 |
255万5千項目 |
9万6千番組 |
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(平成18年度末現在) |
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平成15年2月より「番組公開ライブラリー」を常設し(全国54か所の放送局等)、過去の放送番組のうち著作権処理がなされているものを、来館者に対して公開(無料)。利用者数 累計33万2,588人(平成19年4月18日現在)。 |
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ホームページの検索システムからは、番組タイトル・放送日・放送波・主な出演者・内容紹介(要約)の検索が可能(無料)。 |
「番組公開ライブラリー」で公開している番組の数(平成19年4月現在)
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放送法改正(案)第166回通常国会に提出され継続審議となっている。 |
NHKが放送した放送番組(番組アーカイブ)を、ブロードバンド等を通じて有料で提供することをNHKの業務に追加するとともに、利用者保護のため、その業務の実施基準について認可を要すること等を措置する。
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財団法人放送番組センター放送ライブラリー(平成3年〜※施設の開設は平成12年)
放送法第53条に基づき、地方局を含む全ての民放局、NHK、放送大学の番組、コマーシャルのうち、放送番組収集諮問委員会を経て定められる「放送番組収集基準」に基づいて、放送事業者の任意により提供。著作権の処理については、放送番組センターが行う。
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テレビの収集基準
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国内及び海外の賞を受けた番組 |
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高視聴率、視聴者の反響など話題を集めた番組 |
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表現技法、制作技術などにおいて新しいジャンルを開拓した番組 |
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現代史、社会風俗、人物などの記録として価値のある番組 |
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芸術、科学、伝統文化などの記録として価値のある番組 |
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長期間継続して放送された番組 |
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各社がセンターにおける保存を希望した番組 |
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その他、放送史の記録として価値のある番組 |
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デジタルベータカム(動画)、DAT(音声)等の媒体で保存。
テレビ番組 約10,000本
ラジオ番組 約2,500本
コマーシャル 約800本 |
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12,300本(約90パーセント)を来館者に対して公開。(無料) |
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平成15年度から番組提供者が公開時期を指定する「公開保留制度」や視聴を放送関係者や研究者の研究目的のみに限定する「研究視聴制度」を導入。 |
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放送ライブラリーのホームページ(http://www.bpcj.or.jp/)(※放送ライブラリーホームページへリンク)では、タイトル、キーワード、放送局(制作者)、放送年(制作年)から検索が可能。 |
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(3) |
映画(フィルム)
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東京国立近代美術館フィルムセンター(昭和27年〜※センターの設置は昭和44年)
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芸術的に優れた作品(外国映画を含む)、映画史的に重要な作品、フィルムセンターの事業をする上で必要な作品、その他貴重な資料としての作品等を中心に国内外の映画フィルムを収集。近年は、製作会社の原版等の寄託が多い。
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相模原分館において、24時間空調によりフィルムの管理・保存を実施。可燃性のフィルムの不燃化や、複製による原盤等の保存用フィルムの作成、フィルムの洗浄及びデジタル技術等を活用したフィルムの復元を実施。
種別 |
日本映画 |
外国映画 |
合計 |
劇映画 |
7,688 |
4,160 |
11,843 |
文化・記録映画 |
16,942 |
2,611 |
19,553 |
アニメション映画 |
1,802 |
281 |
2,083 |
ニュース映画 |
10,823 |
151 |
10,974 |
テレビ映画 |
3,582 |
435 |
4,017 |
合計 |
40,837 |
7,638 |
48,475 |
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(平成19年3月現在) |
寄託フィルム;約42,000缶 |
館内に限って有料で上映。一般的な市場価格に比べて低廉な料金(500〜1,000円程度)を設定している。平成18年度は、291日間で761回の館内での上映を実施。
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フィルムの購入、寄贈の際に、作品ごとに権利者との間で館内に限って許諾なしで上映できる旨の契約を締結している。館外での上映、貸出し等が必要な場合は、別途許諾を求めている。 |
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レコード
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「歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)」(注)(平成19年4月始動)
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1900年初頭〜1950年頃までに国内で製造されたSP盤及び金属原盤に収録の約7万曲(音源)を対象予定。 |
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収録技術、音声フォーマット等について技術検討部会にて検討予定。 |
活用に関する運用フォーマットについて運用検討部会にて検討し、平成23年度からの公開を目指す。
(注) |
日本放送協会(NHK)、社団法人音楽著作権協会(JASRAC(ジャスラック))、社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)、財団法人日本伝統文化振興財団、特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)、社団法人日本レコード協会(RIJA)の6団体からなる。 |
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美術品等
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東京国立博物館(平成6年〜取組開始)
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所蔵する文化財について、4種類の解像度による画像データを作成し、メタデータを付けて保存。 |
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画像情報の一部はメタデータとともに「東博ウェブサイト」を通じて公開しており、分野、地域から検索が可能(無料)。また、所蔵の国宝及び一部の重要文化財を高精細画像で閲覧できる「e國寳」サイトを運営(無料)。 |
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平成14年から株式会社DNPアーカイブ・コムとの間に契約を結び、同社を窓口として館蔵品画像の有償ライセンス販売を開始。 |
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文化遺産オンライン(平成15年4月開設)
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博物館・美術館等が収蔵する文化遺産(美術工芸品他)をはじめとし、建造物、記念物、文化的景観、伝統芸能、民族など、国・地方の指定文化財を中核に捉えながら、幅広く文化遺産を対象として収集。
→文化遺産オンラインに参加する博物館・美術館等が、所蔵品の見本画像と10項目程度の目録情報(メタデータ)を登録。 |
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インターネット上で、時代、分野、地域からの文化遺産検索が可能(無料)。 |
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全国の博物館・美術館の開設サイトとリンクが貼られている。 |
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