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2.音楽著作物のレコード録音等に係る制度


【米国】注釈8

 
第115条   非演劇的音楽著作物に対する排他的権利の範囲:レコードの作成および頒布のための強制使用許諾
 非演劇的音楽著作物の場合、第106条(1)および(3)に規定する当該著作物のレコードを作成し頒布する排他的権利は、本条に定める条件に基づいて強制使用許諾の対象となる。
  (a)  強制使用許諾の適用および範囲
(1)  非演劇的音楽著作物のレコードが著作権者の許可に基づいて合衆国内で公衆に頒布された場合には、他の者(レコードを作成しまたはデジタルレコード配信を行う者を含む)は、本条の規定に従うことによって、当該著作物のレコードを作成し頒布する強制使用許諾を受けることができる。いかなる者も、レコードを作成する主たる目的がそれらを私的使用のために公衆に頒布する(デジタルレコード配信による場合も含む)ことにある場合に限り、強制使用許諾を受けることができる。いかなる者も、他人が固定した録音物を増製してレコードを作成するために著作物を使用するときは、(1)録音物が適法に固定されており、かつ、(2)録音物の著作権者(録音物が1972年2月15日前に固定された場合には、音楽著作物の著作権者の明示的な使用許諾または録音物に含まれる当該著作物の使用についての有効な強制使用許諾に従って録音物を固定した者)がレコードの作成を許諾した場合を除き、強制使用許諾を受けることができない。
(2)  強制使用許諾は、その対象となる実演の様式または解釈の仕方に適合させるために必要な限度で著作物を編曲する特権を含む。ただし、著作権者の明示的な同意がなければ、かかる編曲は、著作物の基本的な旋律または根本的な性格を変更してはならず、また、本編に基づき二次的著作物として保護されない。
  (b)  強制使用許諾を受ける意思の通知
(1)  本条に基づいて強制使用許諾を受けようとする者は、著作物のレコードの作成前またはレコードの作成後30日以内でその頒布の前に、その意思の通知を著作権者に送達しなければならない。著作権局の登録その他の公の記録が著作権者を明らかにせず、かつ、通知を送付することができる住所を記載していない場合には、意思の通知を著作権局に提出すれば足りる。通知は、その形式、内容および送達方法において著作権局長が規則により定める要件をみたさなければならない。
(2)  第(1)項が要求する通知を送達せずまたは提出しない場合には、強制使用許諾を受けることはできず、さらに、交渉による使用許諾を欠く場合、レコードの作成および頒布は、第501条に基づき侵害行為として訴えることができ、かつ、第502条ないし第506条および第509条に規定する救済に全面的に服する。
  (c)  略
  (d)  定義 ――本条において、以下の語句は以下の意味を有する:「デジタルレコード配信」とは、録音物のデジタル送信による各々のレコードの配信で、送信の受信者がまたは受信者のために録音物のレコードの特定可能な複製を行うものをいい、デジタル送信が録音物または録音物に含まれる非演劇的音楽著作物の公の実演にもあたるかは問わない。録音物の即時の非インタラクティブの加入契約送信であって、録音物を聞き取れるようにするために送信の開始から受信者による受信までの間に録音物またはこれに含まれる音楽著作物が複製されない場合には、デジタルレコード配信とならない。

 
注釈8   山本 隆司・増田 雅子共訳『外国著作権法令集(29)―アメリカ編―』(社団法人著作権情報センター,2000年)

【ドイツ】注釈9

  第61条 録音物製作のための強制許諾
   音楽の著作物に関する利用権が、著作物を営業上の目的のために録音物に写調し、これを複製し、頒布することを内容として、録音物の製作者に許与されたときは、著作者は、この法律の施行地域に主たる事務所又は住所を有する他の録音物製作者のいずれに対しても、著作物の発行後、同じく、この内容をもって、相当なる条件にて、利用権を許与する義務を有する。ただし、さきの利用権が許諾を得て管理団体によって管理されるとき、又は著作物がもはや著作者の確信に合致しなくなり、その故に、もはや著作者に対して著作物の利用を期待することができなくなり、かつ、著作者がこの理由からあるいは存する利用権を撤回したときは、この限りではない。著作者は、映画の製作のために著作物の利用を許諾する義務は負わない。
   この法律の施行地域に主たる事務所も住所も有しない録音物製作者に対しては、その製作者が主たる事務所又は住所を有する国において、この法律の施行地域に主たる事務所又は住所を有する録音物製作者に対して、連邦法律集における連邦法務大臣の公告に基づき、相応の権利を与えられる限り、第一項に基づく義務が存する。
   本条の規定によって許与される利用権は、この法律の施行地域においてのみ、及び著作物が録音物への写調に対して保護を受けない国への輸出についてのみ、効力を生ずる。
   著作者が、著作物を営業上の目的のために録音物を写調し、これを複製し、頒布することを内容として、他人に排他的利用権を許与したときは、本条の規定は、排他的利用権を有する者が第一項に掲げる利用権を許与する義務を負うことに対比して、適用される。
   歌詞として音楽の著作物と結合された言語の著作物で、音楽の著作物と結合して録音物に写調し、これを複製、頒布することを内容として、録音物製作者に利用権が許与されたときは、本条の規定を準用する。
   利用権の許与を目的とする請求権を主張する訴えに対しては、著作者又は第四項の場合には排他的利用権を有する者が、この法律の施行地域に普通裁判籍を有しない限り、特許庁の所在地を管轄する裁判所が管轄権を有する。仮処分は、民事訴訟法第九三五条及び第九四〇条に掲げる要件を充たさないときにも、命ずることができる。
   本条の規定は、第一項に掲げる利用権がもっぱら映画の製作のために許与されるときには、適用しない。

 
注釈9   斉藤 博訳『外国著作権法令集(16)―ドイツ編―』(社団法人著作権情報センター,1995年)

【英国(1956年法)】注釈10

   (音楽的著作物のレコードに関する特別例外)
第八章    (1)音楽的著作物の著作権は、次のことを条件として、その著作物又はその翻案物のレコードを連合王国で製造する者(以下この節において「製造者」manufacturerという。)により侵害されない。
  (a)  その著作物のレコード又は場合によりその著作物の類似の翻案物のレコードが小売販売を目的として先に連合王国で製造され又は連合王国に輸入され、かつ当該著作物の著作権所有者により又はその許諾を得て製造又は輸入されていること。
  (b)  製造者が、レコードを製造する前に、著作権所有者にそれを製造する意思について所定の通知を行なつたこと。
  (c)  製造者が、レコードを小売で販売し若しくは他人に小売販売させるためにそれを提供する意見を有し、又はそのように販売若しくは提供されるべき他のレコードを製造するためにそれを使用する意思を有すること。
  (d)  小売で販売されるレコードの場合に、製造者が、著作権所有者に対し、所定の方法でかつ所定の時期に、この節の以下の規定に従つてきめられる額の使用料を支払うこと。
 
  (2)  この節の以下の規定に従うことを条件として、前提(d)に掲げた使用料は、所定の方法で計算される当該レコードの通常の小売価格の百分の六・二五に相当する額とする。
 もつとも、このように計算された額が一ファージングに満たない端数を含む場合には、この端数は一ファージングとして計算し、また、このただし書によらなければ使用料の額が三ファージングに満たない場合には、その額は三ファージングとする。
 
  (3) 〜(11)略

 
注釈10   外国著作権法令集 文部省 昭和38年3月


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