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資料3

著作権等管理事業法の概要

1. 目的
   本法は、著作権及び著作隣接権を管理する事業を行う者について登録制度を実施し、その業務の適正な運営を確保することにより、
1 著作権及び著作隣接権の管理を委託する者を保護するとともに、
2 著作物、実演、レコード、放送及び有線放送の利用を円滑にし、
もって文化の発展に寄与することを目的とする。

2. 定義
  1) 管理委託契約
 次に掲げる契約であって、受託者による著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(「著作物等」)の利用の許諾に際して委託者(委託者が当該著作物等に係る次に掲げる契約の受託者であるときは、当該契約の委託者)が使用料の額を決定することとされているもの以外のものをいう。
1  委託者が受託者に著作権又は著作隣接権(「著作権等」)を移転し、著作物等の利用の許諾その他の当該著作権等の管理を行わせることを目的とする信託契約
2  委託者が受託者に著作物等の利用の許諾の取次ぎ又は代理をさせ、併せて当該取次ぎ又は代理に伴う著作権等の管理を行わせることを目的とする委任契約
  2) 著作権等管理事業
 管理委託契約(委託者と受託者が人的関係、資本関係等において密接な関係を有するものを除く。)に基づき著作権等の管理を行う行為であって、業として行うもの
  3) 著作権等管理事業者
 文化庁長官の登録を受けて著作権等管理事業を行う者

3. 登録
  1) 登録を受ける義務のある者
 著作権等管理事業を行おうとする者
  2) 登録の実施方法
 文化庁長官は、登録を拒否する場合を除いて、登録申請者の事業概要を著作権等管理事業者登録簿に登録しなければならない。登録簿は縦覧に供する。
  3) 登録の拒否要件
 以下に該当する者は、登録を受けることができない。
1  法人でない者
  ただし次のような法人格のない団体は、本法においては法人と扱う。
  営利を目的とせず、
  代表者の定めがあり、
  構成員のみとの管理委託契約に基づく著作権等管理事業を行うことを目的とするもの
2  他の著作権等管理事業者の名称と同じ又は紛らわしい名称を用いようとする法人
3  登録を取り消されて5年を経過していない法人
4  本法、著作権法に違反し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない法人
5  以下のいずれかに該当する役員がいる法人
 成年被後見人又は被保佐人
 破産者で復権を得ない者
 登録を取り消された著作権等管理事業者の当時の役員であった者であって、その取消の日から5年を経過していない者
 禁錮以上の刑に処せられてから5年を経過していない者
 本法、著作権法、プログラム著作物登録特例法、暴力団対策法、刑法、暴力行為等処罰法の罪を犯し、罰金刑に処せられてから5年を経過していない者
6  財産的基礎を有しない法人(債務超過又は支払不能の法人を想定)

4. 業務
  1) 管理委託契約約款
1  著作権等管理事業者は、管理委託契約約款を定め、あらかじめ、文化庁長官に届け出なければならない。変更の場合も同様とする。
2  著作権等管理事業者は、変更の届出をしたときは、遅滞なく、委託者に対し、その届出に係る管理委託契約約款の内容を通知しなければならない。
3  著作権等管理事業者は、管理委託契約約款によらなければ、管理委託契約を締結してはならない。
  2) 管理委託契約約款の内容の説明
 著作権等管理事業者は、管理委託契約を締結しようとするときは、管理委託契約約款の内容を説明しなければならない。
  3) 使用料規程
1  著作権等管理事業者は、利用区分(著作物等の種類及び利用方法の別による区分をいう。その基準は文部科学省令で定める。)ごとの著作物等の使用料の額等を記載した使用料規程を定め、あらかじめ、文化庁長官に届け出なければならない。変更の場合も同様とする。
2  著作権等管理事業者は、使用料規程を定め、又は変更しようとするときは、利用者又はその団体からあらかじめ意見を聴取するように努めなければならない。
3  著作権等管理事業者は、使用料規程の届出をしたときは、遅滞なく、その概要を公表しなければならない。
4  著作権等管理事業者は、使用料規程に定める額を超える額を、取り扱っている著作物等の使用料として請求してはならない。
  4) 使用料規程の実施禁止期間
1  著作権等管理事業者は、実施禁止期間(文化庁長官が届出を受理した日から30日間)中は、使用料規程を実施してはならない。
2  文化庁長官は、届け出られた使用料規程が著作物等の円滑な利用を阻害するおそれがあると認めるときは、3ヶ月の範囲内で実施禁止期間を延長することができる。
3  文化庁長官は、届出を受理した日から30日の間に利用者の利益を代表すると認められる者(利用者代表)から文化庁長官が指定した著作権等管理事業者(指定著作権等管理事業者)に協議の求めをした旨の通知を受けたときは、6ヶ月の範囲内で実施禁止期間を延長することができる。(6.1)12参照)
4  文化庁長官は、実施禁止期間を延長した場合において、その期間が経過する日までの間に指定著作権等管理事業者から協議において使用料規程の変更の必要がないとされた旨の通知を受けたときは、実施禁止期間を短縮することができる。文化庁長官が裁定により使用料規程の変更の必要なしとしたときも同様とする。
  5) 管理委託契約約款と使用料規程の公示
 著作権等管理事業者は、管理委託契約約款と使用料規程を、公示しなければならない。
  6) 利用の許諾の拒否の制限
 著作権等管理事業者は、正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならない。
  7) 情報の提供
 著作権等管理事業者は、著作物等の題号、名称その他の取り扱っている著作物等に関する情報、その著作物等ごとの取り扱っている利用方法に関する情報を利用者に提供するように努めなければならない。
  8) 財務諸表等の備付け及び閲覧等
 著作権等管理事業者は、事業年度経過後3ヶ月以内に、その事業年度の財務諸表等を作成し、5年間事業所に備えて置かなければならない。委託者は、業務時間内はいつでも、その閲覧又は謄写を請求することができる。

5. 監督
  1) 報告徴収及び立入検査
 文化庁長官は、本法の施行に必要な限度で、著作権等管理事業者に対し、その業務若しくは財産の状況に関し報告をさせ、その職員に事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させることができる。
  2) 業務改善命令
 文化庁長官は、著作権等管理事業者の業務の運営に関して委託者又は利用者の利益を害する事実があると認めるときは、委託者又は利用者の保護に必要な限度において、著作権等管理事業者に対し、管理委託契約約款又は使用料規程の変更その他業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
  3) 登録の取消し等
 文化庁長官は、著作権等管理事業者が以下のいずれかに該当するときは、その登録を取消し、又は6ヶ月以内の期間を定めて著作権等管理事業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
1  本法、本法に基づく処分に違反したとき。
2  不正の手段により登録を受けたとき。
3  3.3)1245のいずれかに該当するようになったとき。

6. 協議及び裁定
  (別紙1参照)(PDF:45KB)
  1) 協議
1  文化庁長官は、著作権等管理事業者について、その使用料規程におけるいずれかの利用区分(合理的理由があれば区分を細分することも可)において、全著作権等管理事業者の収受した使用料の総額に占めるその著作権等管理事業者の収受した使用料の額の割合が相当の割合であり、
ア) その利用区分において収受された使用料の総額に占める全著作権等管理事業者の収受した使用料の総額の割合が相当の割合である場合、又は、
イ) 当該著作権等管理事業者の使用料規程が、その利用区分における使用料の額の基準として広く用いられており、かつ、その利用区分における著作物等の円滑な利用を図るために特に必要があると認める場合、
には、指定著作権等管理事業者として指定することができる。
2  指定著作権等管理事業者は、その利用区分の利用者代表(ある利用区分における利用者総数に占める構成員数の割合、使用料総額に占める構成員の支払額の割合等から、その利用区分における利用者の利益を代表すると認められる者)から、使用料規程に関する協議(使用料の額、利用区分の設定等)を求められたときは、これに応じなければならない。
3  利用者代表は、2の協議に際し、自己の構成員でない利用者から意見を聴取するよう努めなければならない。
4  文化庁長官は、利用者代表が協議を求めたにもかかわらず指定著作権等管理事業者が協議に応じず、又は協議が成立しなかった場合であって、その利用者代表から申立てがあったときは、その指定著作権等管理事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
5  指定著作権等管理事業者は、協議が成立したとき(変更の必要なしとされたときを除く。)は、その結果に基づき、その使用料規程を変更しなければならない。
6  使用料規程の実施の日前に協議が成立したときは、使用料規程のうち変更の必要ありとされた部分の届出は、なかったものとみなす。
  2) 裁定
1  1)4の命令があった場合において、協議が成立しないときは、その当事者は、使用料規程について文化庁長官の裁定を申請することができる。
2  文化庁長官は、裁定の申請があったときは、その旨を他の当事者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
3  指定著作権等管理事業者は、使用料規程の実施の日前に裁定の申請があったときは、実施禁止期間を経過した後においても、裁定がある日までは使用料規程を実施してはならない。
4  文化庁長官は、裁定をしようとするときは文化審議会に諮問しなければならない。
5  文化庁長官は、裁定をしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
6  使用料規程を変更する必要がある旨の裁定があったときは、その使用料規程は裁定において定められたところに従い、変更されるものとする。

7. 雑則
  1) 信託業法の適用除外等
1  信託業法第1条(信託業務を行う者の内閣総理大臣の免許制)、第2条(信託業務を行うことができる者を株式会社に限定)の規定は、管理委託契約に基づき著作権等のみの信託の引受けを業として行う者については、適用しない。
2  信託会社、信託業務を営む銀行その他の金融機関は、信託業法第4条(信託の引受け対象財産を限定。著作権等の引受けを認めない)の規定にかかわらず、信託契約による管理委託契約(2.1)1)基づき著作権等の信託の引受けをすることができる。

8. 罰則
   本法の定める義務に違反した者に対し、所要の罰則を設ける。

9. 附則
  1) 施行期日
 本法は平成13年10月1日から施行する。
  2) 著作権に関する仲介業務に関する法律の廃止
 著作権に関する仲介業務に関する法律は、廃止する。
  3) 仲介業務法の許可を受けている者についての経過措置
 本法の施行の際、仲介業務法の許可を受けている者は、施行日に登録を受けたものとみなす。平成14年3月31日までは、仲介業務法で許認可を受けた業務執行方法、著作物使用料規程をそれぞれ本法の管理委託契約約款、使用料規程とみなす。
  4) 仲介業務法の許可を要しない著作権等管理事業についての経過措置
 本法の施行の際、著作権等管理事業を行っている者は、平成14年3月31日までは、登録を受けないで引き続き著作権等管理事業を行うことができる。平成14年3月31日までは、本法の管理委託契約約款、使用料規程に関する義務は適用されない。
  5) 検討
 政府は、本法の施行後3年を経過した場合において、本法の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。



(別紙1)指定著作権等管理事業者における使用料規程の届出と協議・裁定の流れ(概要)(PDF:45KB)
(参考)指定著作権等管理事業者以外の著作権等管理事業者における使用料規程について(PDF:22KB)
(別紙2)著作権等管理事業法と仲介業務法の比較




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