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資料3−3
近年、メディアの大変革が進むとともに、変化のスピード自体も加速している。我が国のコンテンツ産業はこのような時代の変化に絶えず対応しながら発展を模索しなければならない状況に置かれている。 (略) また、知財制度の面においてもこれまで個々の法的課題について整備を進めてきたが、将来の多様な発展を後押しし、今後さらに我が国の競争力を強化するためには、ビジネスモデルの開発に際して支障となるおそれのある法的課題に対してより迅速かつ柔軟に対応しうる制度が必要ではないかとの指摘もある。 このため、新たなビジネスモデルの追求に向けた取組を支援するとともに、新たなビジネスモデルやコンテンツの利用形態の出現を視野に入れつつ、必要な知財制度の見直しを検討する。
ネット上に存在するウェブサイトから必要な情報を検索するビジネスモデルとして検索サービスが普及しているが、ウェブサイトの収集等に当たり事前に権利者からの許諾を得ることが現実的には不可能であり、著作権侵害に該当しかねないとの問題を解消するため、早急に著作権法改正等の所要の措置を講じる。また、この問題を契機として、新しいビジネスの展開に著作権法等の法制度が過度の制約とならないよう、米国著作権法におけるフェアユース規定等を参考としつつ、権利行使に関して調整する包括規定の導入の可否などについても検討する。
(略)このため、著作者の権利を適切に保護しつつ、イノベーションの促進のために外部情報を利用しやすい創造環境を整備する観点から、著作権法を始めとする知財法制の在り方について早急に検討に着手するとともに、特許情報の利用を促進することが必要である。
国立国会図書館を始めとする図書館の蔵書には膨大な学術情報等が存在しており、オープン・イノベーションを支える基盤として、これらの情報にインターネット等を通じて国民が容易にアクセスできる環境を整備することが重要である。 しかしながら、蔵書のデジタル化にかかる経費などの問題のほか、現時点では法律的にも次のような課題がある。
このため、著作権者や出版者に及ぼす影響にも配慮しつつ、図書館が権利者の許諾なしに蔵書のデジタル化を行えるようにする方策や、図書館間でのデータのやり取りや利用者への情報提供の在り方について検討を行うべきである。
特許情報データベースには最先端の技術情報が膨大に蓄積されており、イノベーション創出を加速するため、研究開発活動においてその利用を促進することが必要である。 このため、本データベースが大学等の研究者にとって利用しやすいものとなるよう、特許審査において利用された先行技術を示す引用文献情報を充実するとともに、特許分類に慣れていない研究者が簡単に検索できるようにするためのシステムについての研究開発を推進すべきである。 また、我が国の特許情報のみならず、海外(既に提供している欧米に加え、中国、韓国)の特許情報の提供に対するニーズも高いことにかんがみ、外国特許庁との調整等を踏まえつつ、これらの海外の特許情報の提供を行う方向で検討すべきである。
現在、学校によるインターネットを利用した遠隔授業を受ける受講者は、同時中継型の授業であれば、授業の過程で用いられる著作物の送信を受けることができるが、同時中継型でない場合には、著作権者の事前の許諾を得ない限りそれが認められていない。 他方、米国においては、受信者を受講者に限定する等の条件の下、授業で用いられる著作物のインターネット等を利用した送信が可能となっている。 このため、我が国においても、著作権者に及ぼす影響にも配慮しつつ、一定の条件の下、インターネットを利用した授業で用いられる著作物の送信等が同時中継型の授業に限らず可能となるよう検討を行うべきである。
高度情報化社会の下、取り扱われる情報量が爆発的に増大する中、自ら望む情報を容易に取り出す等のため、映像・画像解析、テキスト解析等の基盤的技術が重要となっている。これらの技術に係る研究を行うためには、映像、テキスト等に関する膨大な情報を蓄積し、研究目的で利用することが必要となる。 このような研究のために放送番組に係る情報やウェブ情報を複製・改変することは、著作物の本来の利用とは異なるものであり著作権者の正当な利益を害するおそれは少ないと考えられるにもかかわらず、事前にすべての著作権者から許諾を得ることは事実上困難であるため、実際の研究活動に相当程度萎縮効果が働いていると指摘されている。 このため、著作権者に及ぼす影響にも配慮しつつ、映像・画像解析、テキスト解析等に係る研究のために映像情報やウェブ情報の利用を円滑化するための方策の在り方について検討を行うべきである。
インターネット環境の安全性を確保するためには、ウィルス対策ソフトウェアの研究開発や暗号ソフトウェアの研究開発を行うことが不可欠である。その際、ウィルスの及ぼす作用の分析等を行うため、既存ソフトウェアの解析(逆コンパイル等)を行うことが必要となる。 しかしながら、著作権法上、ソフトウェア解析の位置付けが明確でないため、これらの研究開発に萎縮効果が働いているおそれがある。 このため、ネット環境の安全性確保やソフトウェアに係る研究開発の促進を図るため、著作権者に及ぼす影響にも配慮しつつ、ソフトウェア解析を円滑に行うことができる方策の在り方について検討を行うべきである。
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