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資料3−1

IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等についての論点

平成18年4月27日
文化庁著作権課

1.  電気通信役務利用放送法に基づくIPマルチキャスト技術を用いた放送(以下、「IPマルチキャスト放送」という)については、有線放送と同様のサービスを提供できること、地上波デジタル放送の同時再送信の手段として利用される予定であることを考慮し、著作権法上、有線放送と同様に取扱うこととしてよいか。

2.  IPマルチキャスト放送を有線放送と同様に取扱うこととする場合、どの範囲で見直しを行うべきか。

 
(1) IPマルチキャスト放送のうち、どの部分を対象とするか。
 
【案1】 「放送の同時再送信」の場合に限り、有線放送と同様に扱う。
(考えられる論点例)
地上波デジタル放送の同時再送信に対応するという意味では、この部分に限って緊急に対応することに意義があると考えられるが、「通信・放送の融合」の進展や、コンテンツ利用の手続きを円滑化するという観点から、十分といえるか。

【案2】 「放送の同時再送信」及び「自主放送」について、有線放送と同様に扱う。
(考えられる論点例)
同様に取扱う趣旨が「同様のサービス」ということであれば、自主放送も有線放送と同様に扱うべきとの考えもありうるが、権利者が集中処理体制の整備を進めている状況において、権利を大きく引き下げることが適当か。

(2) 「有線放送と同様の取扱い」とは、具体的にはどのような内容とするか。
 
1 放送される実演及びレコードについて
 
放送を受信して行う有線放送については、実演家及びレコード製作者の権利が働かない(第92条、第95条、第97条)。

2 商業用レコードの二次使用について
 
有線放送(自主放送)において商業用レコードを利用する場合には、実演家及びレコード製作者は二次使用料請求権を有する(第95条、第97条)。

3 学校教育番組の放送等その他の権利制限について
 
有線放送により著作物等を利用する場合には、一定の要件の下で著作者等の権利が制限されている。
  (権利制限の例)
 
学校教育番組の放送等(第34条)
教育機関における遠隔授業に係る送信(第35条)
営利を目的としない上演等(第38条)
時事問題に関する論説等の転載等(第39条)
政治上の演説等の利用(第40条)

4 一時的固定制度について
 
有線放送事業者は、有線放送のために著作物等を一時的に固定することが認められる(第44条、第102条)。

5 著作隣接権による保護について
 
有線放送事業者には、著作隣接権による保護が与えられている(第100条の2〜第100条の5)。

6 IPマルチキャスト放送の取扱いを考えるにあたっては、有線放送事業の現状にかんがみ、上記1から5の有線放送の取扱いについても見直しが必要か。


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