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ブロードバンドを用いたコンテンツ流通を活性化させるには、まずは権利者の十分な理解を求めるとともに、流通の源泉であるコンテンツ制作に適切な資金が還流する仕組みが必要である。急速に流通のみを促進させようとして、制作者や権利者の権利を軽視すると、制作能力を弱めてしまうおそれもあることを認識すべきである。 |
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ブロードバンドによるコンテンツ配信サービスは、大まかに言って、 コンテンツを利用者のアクセスにより提供する「VOD型」、 サービス主体が調達したコンテンツを編成して送信する「自主編成型IPマルチキャスト」、 放送事業者の同意を得て、放送番組を同時再送信する「再送信IPマルチキャスト」の3種類に分けられると考えられる。 |
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このうち、 のVOD型および の自主編成型IPマルチキャストについては、現行の法制度の下でサービスの提供が開始されており、その健全な発展を遂げるべく、放送事業者を含む関係者の取り組みが続いている。配信されるコンテンツには多くの著作権者・著作隣接権者が関わるため、それぞれの分野での権利の集中管理体制、利用しやすい料率設定などが重要であり、また、その検討にあたっては透明性の確保が求められる。 |
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一方、 の再送信IPマルチキャストは、関係各界の協力の下、地上デジタル放送の補完措置として、今後の実用化をめざした検討が行われている。 |
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地上デジタル放送は制度上、平成23年(2011年)7月24日までの完全移行が定められており、放送事業者はその実現に向け、放送波によるカバーを大前提として鋭意努力している。昨年12月に公表された「デジタル放送推進のための行動計画(第6次)」においても、各放送事業者は残り5年という限られた期間にも関わらず、長年をかけて整備してきたアナログ放送エリアの90パーセント以上をカバーすることを明らかにしており、さらに95パーセント以上との見通しも示されている。 |
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このような電波によるカバーは、今月から開始された「ワンセグ」サービスを含め、非常災害時の情報伝達の確保という観点からも重要である。しかしながら、電波によるカバーが困難な“条件不利地域”が一部残るため、すべての視聴者が公共性・公益性の高い放送番組を享受できるよう、補完措置としてのIPマルチキャスト、CSなど、あらゆる手段の検討が必要となっている。 |