1. |
IPマルチキャスト放送等のブロードバンドを用いた放送型送信によるレコードの利用に関する当協会の考え方 |
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○ |
IPマルチキャスト放送等のブロードバンドを用いた放送型送信による著作物等の利用については、視聴者のコンテンツ享受多様化のメリットをもたらし、コンテンツ流通の活性化に繋がるとの観点から、適切な権利保護を前提に促進すべきと考える。 |
○ |
当該利用の促進に当たっては、著作物等に係る管理事業者の集中管理による許諾システム等、契約の円滑化によって実現すべきであり、決して権利の切り下げによるものであってはならない。 |
○ |
当協会は、通信ネットワークを用いた放送型送信におけるレコードの利用について、下表の範囲で送信可能化権に係る集中管理を実施し、ブロードバンドにおけるコンテンツ流通の促進を支援したいと考えている。 |
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2. |
IPマルチキャスト放送について、著作権法上の扱いを有線放送並みにすべきという意見について |
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○ |
当協会は、IPマルチキャスト放送について、著作権法上の扱いを有線放送並みにすべきという、実質的に実演家やレコード製作者の権利の切り下げとなる意見に反対する。そのような意見は、クリエータ等の権利保護によるコンテンツ振興を目指す我が国の知的財産推進戦略の方向性に逆行するものである。 |
○ |
2011年の地上波テレビデジタル全面移行に際し、IPマルチキャスト放送による同時再送信が難視聴地域対策の有効な手段であるとすれば、これに協力することも必要と考えている。しかし、上記1.のとおり、その実現は、権利者の権利の切り下げによるものではなく、一元的な許諾システムの構築による契約の円滑化をもって達成されるべきである。 |
○ |
法制度の見直しに当たっては、地域メディアの特性を有する有線放送と、広域メディアとしての特性を有するIPマルチキャスト放送といった、そこにメディアとしての特性に大きな違いがあることを押さえた上で、仮にそれを同一の扱いにした場合にレコード製作者等の権利者に与える影響等をしっかり検証することが必要と考える。 |
○ |
IPマルチキャスト放送を、著作権法上有線放送並みにした場合、レコード製作者等の権利者に与える影響として、例えば、以下のようなケースが考えられる。
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自主制作番組の場合
有線放送の自主制作番組におけるレコードの使用について、レコード製作者には報酬請求権しかないため、『新譜アルバムの全曲をそのまま全て、DJ等を途中で挿入することなく、繰返し演奏するようなラジオチャンネル』が多数出現した場合でも、これを禁止できない。 |
放送の同時再送信の場合
IPマルチキャスト事業者が自ら、又は、関係のある第三者により、電波法の規制を受けない小出力無線放送を行い、その放送をいったん受信し、IPマルチキャストで同時再送信すれば、上記と同様の問題となる(下図参照)。
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その他の問題 |
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IPマルチキャスト放送に限定せず、通信ネットワークを用いた放送型送信全般を「有線放送」とした場合、IPマルチキャスト放送事業者だけでなく、個人でも上記及びの送信を行うことが可能となるが、これについては報酬請求権の権利行使さえも極めて困難となり、レコード製作者等に与える被害は甚大になると考えられる。 |
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我が国の著作権法では有線放送事業者にも認められている一時的固定の制度(著作権法第44条第2項)は、ベルヌ条約等の国際条約では放送事業者には認められているが、有線放送事業者には認められていない。有線放送の範囲が現状のままであれば、スリーステップテスト(ベルヌ条約第9条第2項)に照らし問題ないとしても、その範囲の拡大により上記又はのような事例が生じた場合には、国際条約に違反する可能性がある。 |
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3. |
IPマルチキャスト放送による同時再送信の円滑化については、契約の円滑化で対応できるという考え方について |
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○ |
IPマルチキャスト放送による同時再送信については、当協会がレコード会社から権利の委任を受けて集中管理を実施する予定であり、同時再送信の円滑化を支援できるものと考えている。 |
○ |
当協会は、本年5月中の事業開始を目指し、関係者との協議を進めている。 |
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4. |
まとめ |
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○ |
当協会会員レコード会社は、ブロードバンドでのレコードを用いたコンテンツの流通を促進するため、当協会に権利(送信可能化権)を委任する考えを持っている。この場合、管理事業者は利用者に対して応諾義務を負うため、集中管理はレコード会社の音楽配信等のビジネスと競合しない範囲に限定される。 |
○ |
IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱いを「有線放送」とすることは、このような産業被害を回避することができなくなる畏れがあり、レコード製作者の権利保護に欠けるものである。 |
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