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著作権に係るライセンス契約におけるライセンシー(利用者)の保護について、昨年の審議における論点、及び7月に出された「破産法等の見直しに関する要綱」を踏まえ検討を行ったところ、概要は以下のとおりであった。
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著作物の種類やビジネスの実態によって、業界の要望するライセンシーの保護のあり方に差異がある。例えば、放送番組や映画の二次利用(放送、ビデオ化等)におけるライセンス契約は、独占的利用許諾が一般的であり、また契約内容も定型的であることから、このような業界に関係する委員からは、著作権が第三者に譲渡された場合、ライセンサーの地位も承継され、著作権の譲渡前の条件で適法に利用できるようになることを要望する意見が出された。一方、工業製品の製造業界におけるライセンス契約は、特許権、著作権、営業秘密など種類の異なる権利を一括して取扱うことが多く、またクロスライセンス契約のように当事者間で相互にライセンスし合う取引もあり、このような業界に関係する委員からは、著作権が第三者に譲渡された場合、ライセンサーとしての地位を当該第三者に承継させることを要せず、ライセンシーは引続き適法に当該著作物の利用を継続できる方法を要望する意見が出された。
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著作権の譲受人である第三者に対抗するための要件の付与の方法については、複雑なライセンス契約が一般的な業界に関係する委員からは、無体財及び非独占的ライセンスの特質に基づくライセンシーの利益と著作権の譲受人の利益の比較衡量、制度の実効性、米国の制度の例から、契約書の存在によって対抗できるとする方法がよいのではないかとの意見が出された。一方、研究者、弁護士等学識経験委員からは、公示によらない対抗要件の付与については、著作権譲渡取引の安全性の観点等から、我が国には馴染まないのではないかとの意見が出された。
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ライセンス契約に関する対抗要件制度を整備した場合にライセンサーの地位が承継されるかどうかについては、不動産が譲渡された場合に賃貸人の地位が不動産の譲受人に承継されることにならい、ライセンス契約のライセンサーの地位が著作権の譲受人に承継されることを議論の出発点とした方がよいという意見が学識経験委員から出された。
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ライセンシーの保護については、知的財産権全般に通じる制度設計が求められているところ、著作権のみが特別な対抗要件制度を設けることは適切ではなく、他の知的財産権における同様の検討を踏まえ整合性のある制度設計をすべきであるとの意見が多かった。
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