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損害額算定制度について
【現行制度】
●「賠償額」=「損害額」(侵害行為が無ければ権利者が得られたであろう利益の額とする) |
<民法709条> |
(例) |
「賠償額」=「損害額」=「権利者の譲渡数量の減少」×「権利者の単位当たり利益」 |
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損害額の立証が困難な場合における損害額の推定・認定 |
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(「賠償額」=「損害額」という原則は維持。)
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●推定規定(侵害者の利益→損害額) |
<著作権法114条1項> |
(例)「損害額」=「侵害者の譲渡数量」×「侵害者の単位当たり利益」
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●法定規定(使用料相当額→損害額) |
<著作権法114条2項> |
(例)「損害額」=「侵害者の譲渡数量」×「使用料相当額」 |
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裁判所による認定の規定(損害額を立証するために必要な事実の立証が当該事実の性質上極めて困難である場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定)
<著作権法114条の4> |
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平成14年度「司法救済制度小委員会」の提言を受けて、著作権法を改正(平成16年1月1日より施行) |
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◎推定規定(「侵害者の譲渡等数量」×「権利者の単位当たり利益」→損害額) |
<新著作権法114条1項> |
(注: |
権利者が自ら販売を行っている場合に適用。
店頭販売だけでなく、違法ネット配信にも対応できるように措置。) |
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(例) |
「損害額」= |
「侵害者の譲渡数量」×「権利者の単位当たり利益」 |
「損害額」= |
「違法ネット配信されたもののダウンロード数量」×「権利者の単位当たり利益」 |
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【検討事項】
損害額の立証が困難な場合における損害額の推定・認定 |
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(「賠償額」=「損害額」という原則は維持。) |
○ |
法定規定(いわゆる「法定賠償制度」:法定された金額の範囲内で裁判所が認める金額を損害額とする。) |
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後藤委員提案 |
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案1 侵害を受けた権利者は、侵害を受けた著作物1件につき、10万円を最低額として損害賠償請求できることとする。
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案2 侵害を受けた権利者は、100万円を損害賠償請求できることとする。但し、侵害者の反証により減額できることとする。 |
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<制度導入の意義> |
・ |
侵害の成立だけを立証すれば、法定された金額の範囲内で裁判所が認める金額を損害額とできることにより、権利者の立証負担が軽減される。
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<課題> |
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適切な金額を定めることが困難 |
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法定する金額が低額な場合訴訟に必要な費用すら賄えない |
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現行著作権法第114条の4に基づき相当な損害額を認定する制度が既にある |
○推定規定(権利者が立証した数量の2倍の数量を基に損害額を推定)
久保田委員、後藤委員、前田委員、山本委員提案 |
侵害を受けた権利者が損害賠償請求をする場合において、侵害者が販売等した数量は、権利者が立証した数量の2倍と推定する。 |
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<制度導入の意義> |
・ |
把握が困難な侵害者が販売等した数量について、権利者が立証した数量の2倍と推定できることにより、権利者の立証負担が軽減される。 |
<課題> |
・ |
あらゆる侵害事件について立証した数量の「2倍」と推定することが適当か。 |
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(「賠償額」=「損害額」という原則は維持。) |
○ |
三倍賠償制度(立証された「損害額」の3倍の額を賠償額とする。) |
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後藤委員提案 |
侵害を受けた権利者は、被告が故意又は重過失の場合に、「損害額」の3倍の額を賠償額として損害賠償請求できることとする。 |
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<制度導入の意義> |
・ |
立証された損害額の3倍の額を損害額とできることにより、侵害に対する抑止力として効果的 |
<課題> |
・ |
侵害者に対する制裁は刑事罰の役割 |
・ |
他の法領域との均衡 |
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