資料 3 |
文化審議会著作権分科会司法救済制度小委員会
(第4回)議事要旨
以上の3つについては既にご提案いたしましたが、そのうち「法定賠償制度」と「(量の)推定賠償制度」について補足いたします。
1. | 権利行使に対して迅速かつ簡便(立証責任の軽減)に対処できることを目的として、「法定賠償制度」を導入する。 |
(案1)侵害を受けた著作物1件につき、10万円を最低額として賠償を請求できる。 |
(1) | 諸外国との比較(別紙参照) 諸外国の法定賠償制度の立法例を参考に、当該国とわが国との「一人当りGDP値」および「最低月収」の割合により金額を補正した。 |
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(2) | 権利行使のため、最低いくら必要とするかを参考とした。
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2. | 著作権侵害の数量を立証することは極めて困難であることから「侵害の量を推定する推定賠償制度」を導入する。 侵害の量の推定としては、 業としての侵害行為を行っているものが、 侵害の量を明らかにする資料等を保存していない場合には、 権利者が立証した侵害の量の3倍(2倍)の量の侵害があったものと推定する。 但し、侵害者がそれだけの量がなかったことを反証することができる。 |
各国の法定賠償制度 | 日本の :1人当たりGDP=37,436ドル :最低月収=10万264円 |
No. | 国 | 対応法 | 著作物1件あたりの 法定額/倍率 |
国民1人当たり GDP(米ドル) |
日本の1人当たり GDPまたは最低月収補正額 |
備考 | 1人当たりGDP (最低月収) 対日補正率 |
為替レート 2002/09/24 |
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1 | アメリカ合衆国 | 著作権法 第504条(C) |
750ドル〜3万ドル | 35,082 | 9万8千円〜394万8千円 (故意:1974万1千円) |
故意:15万ドル上限 善意:200ドル下限 |
1.07 | 123円 |
2 | カナダ | 著作権法 第38条第1項 |
500カナダドル〜2万カナダドル | 23,124 | 6万3千円〜252万7千円 | 1.62 | 78円 | |
3 | 台湾 | 著作権法第88条 | 1万台湾ドル〜50万台湾ドル | 13,122 | 11万4千円〜570万円 (故意:1140万円) |
故意:100万台湾ドル上限 | 2.85 | 4円 |
4 | ロシア | コンピュータプログラム及び データベースの法的保護に関する ロシア連邦法第18条第1項 |
ロシア法の定める最低月収の10倍〜5万倍 | 1,800 | 100万3千円〜50億1300万円 | 最低月収450ルーブル | 20.8 (55.7) |
4円 |
5 | ウクライナ | 著作権及び関連する その他の権利に関する ウクライナ法第44条 |
ウクライナ法の定める最低月収の10倍〜5万倍 | 620 | 100万3千円〜50億1300万円 | 最低月収140フリブナ | 60.38 (31.14) |
23円 |
6 | イスラエル | 1992年最高裁判決 | 1万NIS(ニューイスラエルシュケル)〜2万NIS | 10,618 (1992年) |
138万1千円〜276万3千円 | 1992年当時の 日本の1人当たりGDP =29,918ドル |
2.01 | 49円 (1992年平均) |
7 | 中国 | 著作権法第48条 | 50万元以下 | 789 | 3億5587万5千円 | 47.45 | 15円 |
※参考資料 |
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