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資料1

「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(IPマルチキャスト放送及び罰則・取締り関係)報告書(案)」の概要

 地上デジタル放送への移行への対応、他の知的財産権制度との調和の維持、模倣品・海賊版対策の強化という観点から、以下の3点について早急に検討する必要が生じたため、法制問題小委員会において集中的に検討を行った。

IPマルチキャスト放送の著作権法上の取扱い等について

(1)基本的な考え方
「放送の同時再送信」部分については
IPマルチキャスト放送による地上デジタル放送の同時再送信が平成18年末にも開始されることにかんがみ、早急に「有線放送」と同様の取扱いとする。その際、現在有線放送になされている有利な取扱いの内容について、有線放送の実情等の変化を踏まえ、適切なものに改める。
IPマルチキャスト放送による「自主放送」部分については
(ア)
論点が広範にわたること、権利を制限される実演家等の理解を得るために十分な準備期間を設けた上で検討する必要があること
(イ) 放送新条約の検討状況や、今後の通信・放送の融合に係る放送法制の見直しの検討状況及びIPマルチキャスト放送の実態を見極める必要があること
から、直ちに制度改正を行うことはできず、今後、引き続き検討を行った上で結論を得る。

(2)具体的措置内容
1 有線放送により放送を同時再送信する場合の規定の見直し
 有線放送事業の大規模化等に伴い、実演家及びレコード製作者に新たに報酬請求権を付与することが適当。
2 IPマルチキャスト放送により放送を同時再送信する場合の規定の見直し
 有線放送と同様、原則として、実演家及びレコード製作者に与えられている許諾権を報酬請求権に改めることが適当。
3 非営利かつ無料で放送を同時再送信する場合の規定の見直し
 基本的に、有線放送と同様に取り扱うべき。
4 権利制限規定の在り方
5 著作隣接権の付与及び一時的固定
6 著作権契約の在り方
 従来型の小規模な有線放送事業者への配慮が必要。関係団体の円滑な合意形成に向け、文化庁も適切な支援を行う必要がある。

(3)通信・放送の融合の進展等を踏まえた今後の検討の在り方
 IPマルチキャスト放送のうち、「自主放送」の部分の取扱いについては、事業の実態の推移や放送法制における位置付け等に留意しつつ、関係省庁間で連携をとりながら、引き続き検討を行うことが必要。

罰則の強化について

(1)著作権侵害罪の罰則引き上げについて
1 著作権侵害罪の個人罰則の引き上げについて
 特許法における刑罰(懲役刑10年以下、罰金刑1,000万円以下)とのバランスを踏まえ、懲役刑及び罰金刑の引き上げを行うことが適当。

2 著作権侵害罪の法人罰則の引き上げについて
 特許法における刑罰(罰金刑3億円以下)とのバランスを踏まえ、罰金刑の引き上げを行うことが適当。

(2)秘密保持命令違反罪の法人罰則引き上げについて
 産業財産権法における秘密保持命令違反罪の法人罰則(罰金刑3億円以下)とのバランスを踏まえ、罰金刑の引き上げを行うことが適当。

(3)その他の著作権法違反の罰則について
 著作権侵害罪とのバランスと各規定の趣旨を照らし合わせながら、罰則の引き上げの必要性について判断することが適当。

税関における水際取締りに係る著作権法の在り方について

○「輸出」規定の必要性について
 国内における侵害行為を抑止し、水際において確実に侵害物品の取締りを行う観点から、「輸出」行為の目的や態様等について一定の限定をかけつつ、「輸出」に関する規定を整備することが適当。あわせて、「輸出」行為の予備行為として侵害に至る蓋然性が高い行為(輸出を目的とする所持)についても取締りの対象とすることが適当。


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