○: | 法制問題小委員会の中で,「図書館などの公共施設等において映画の著作物等を上映することについて権利制限の対象から除外する」ことについては,図書館は権利者側との間で合意事項を持っているが,ここでの議論は図書館に限らないことになっているので,法改正に当たっては,全国公民館連絡協議会,全国公民館連合会,社会教育推進全国協議会との協議も必要。 図書館館内における個人ブースでの視聴については,図書の閲覧と同様のものとして考えていたが,閲覧に大きな支障を生じないようにする必要がある。特に教育映画,文化映画については,図書館,公民館,教育委員会が買う立場にあるが,購入が全く叶わないということにならないようにする必要がある。 著作権法第38条第1項の問題については,図書館側として様々な検討を行ってきたが,この度法制化に動くことになったので,これまでの合意事項を基に権利者側と話し合いを進めていきたい。
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○: | 法制問題小委員会の中で教育関係の権利制限の見直しの方向性が示されているが,これを受けてどのような条文を考えているのか。
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△: | 経過措置を含め条文の作成については今後具体的に検討することになるが,現行法第35条のような条件を付すことが必要になろうと考えている。
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○: | 法制問題小委員会で映画の保護期間の延長が提案されているが,一般の著作物の保護期間の延長について検討はされたのか。
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△: | その点についても検討が行われており,法制問題小委員会の審議経過の概要にも「保護期間そのものに関する考え方等についても,今後検討を行うことが適当である。」と記述されている。
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○: | 契約・流通小委員会の中で「契約のシステム・慣行が充分定着した段階で廃止すべき規定」として「第15条(職務上作成する著作物の著作者)」をあげた理由はなにか。
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○: | 著作権法において契約に関する規定を抽出し,その在り方を検討したものであり,第15条を直ちに改正することを前提に検討したわけではない。
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○: | 法制問題小委員会の「法改正を行う方向とすべき事項」で,教育関係の中で「教育機関」とあるが,学校と違いはあるのか,また,「特定の生徒等向け」の遠隔教育とはどういう意味か。なお,第35条但し書きに該当するか否かのガイドラインを作成するということであるが,作成に際しては,幅広い使用者・権利者の参加が必要である。 図書館関係で,再生手段の入手が困難である図書資料を保存するための複製についての「一定の条件」の内容はどのように決めるのか。さらに,ここでいう「複製」は,新聞等についても内容を変えない複製と考えていいのか。 補償金に係る議論が種々行われているようだが「図書館資料の貸出について補償金を課すこと」のみが「法改正を行う方向とすべき事項」に入っている理由は何か。また,補償金の在り方については,今後当事者間で協議するということがこれからの方向のようであるが,補償金制度を導入するということであれば,慎重な取組が必要である。 今回の方向性に異議をはないが,今後,第35条但し書きに関するガイドラインの作成や今回積み残された事項についての関係者間の協議には多くの団体が参加できるようにしてもらいたい。
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△: | 「教育機関」は現行法の第35条と同じで,学校だけでなく公民館等も含まれる。また「特定の生徒等向け」とは,例えば放送大学番組のように「誰でも見ることができる」という場合は含まれないという趣旨であり,学校でいえばその学校の生徒等に限られる。 図書館の再生装置については,閲覧のために再生装置が必要であるもので,技術の変化によって使用出来なくなってしまう恐れがある資料を,内容を変えずに電気的・電子的方法で複製する場合に限定られるので,新聞のようなものは現時点では対象とはならない。また,補償金については,多くの事項が議論されたが,図書館資料の貸出については方向性が了解されたので,「法改正を行う方向とすべき事項」に整理されている。 今後行われるガイドラインの作成や当事者間協議は,関係者が独自に行うものであり,多くの関係団体に参加していただきたい。また,この著作権分科会の各小委員会への関係者の参加についても,なるべく希望に添うようにしたい。
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○: | 司法救済制度小委員会で「特許法第102条第1項」と同じような規定を設けるといことであるが,特許の場合は権利者が実施する場合が多いが,著作権の場合は権利者が自分で実施しないという場合が多い。この規定が適用される場面を考えるに当たっては,従来の損害額の規定との関係の整理が必要ではないか。また,「積極否認の特則の導入」について,「プログラムの著作物などについて,侵害物件の解析が困難な場合があるため」これを設けるとしている。特許の場合は同一性があるかどうかということで侵害が確定されるが,著作権の場合は同一性とアクセスを立証しなければならない。ここであげている「特則」は同一性だけに関していうのか,あるいは「盗んでいない」ということまでも含まれるのか。
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○: | 著作権の場合は権利者が自分で実施しないという場合が多々ある。この不実施者については,自らの販売による数量や損失が生じるということが無いので,この規定を導入しても,この規定を適用しないと考えている。そのような場合には現行の法定損害賠償規定で対応するものと考えている。 「積極否認の特則の導入」については,これは訴訟の入り口の問題であり侵害物件が何かということを特定する場合の規定と考えていただきたい。
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○: | 司法救済制度の「「侵害行為によって生じた権利者の販売部数の減少」は「侵害者の販売部数」と同じであるという相当因果関係の存在を前提・・・・」とあるが,相当因果関係があるなら立法はいらないということになってしまうので文言を整理する必要がある。 また,法制問題小委員会の中で「文書による契約を避けるという日本人の傾向」とあるが,日本の契約実務の中で約8割以上は契約書を作成している。ただ,詳細に,また明確にしているかという問題はある。そのことを踏まえて書くべきである。
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○: | 権利制限の見直しについて,例えば,薬事法ではメーカーが医薬品の安全性に関する情報を病院に提供する義務を負っており,また,特許の権利化の過程において,特許庁からの拒絶状がきたり,或いはそれに対する反論の参考とする文献を検討する場合がある。このような場合も制限規定に入るのかどうか,産業界としては制限規定の中に入れて欲しいという希望をもっている。 契約の譲渡又は破産した時のライセンシーの保護の問題であるが,著作権と他の知的財産が混在している場合も想定し検討して欲しい。 管轄の問題で,合意管轄は概ね同意されているとの記載があるが,これは別の視点での検討であると思うが,この結論だけが一人歩きし,ハーグ条約の議論に適用されることは避けていただきたい。 |