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資料  3−3

文化審議会著作権分科会「国際小委員会」の
検討状況について


1. 検討事項(平成14年7月24日に国際小委員会で決定)

海賊版対策

    ● 海賊版流通の実態把握

    ● 重点対象国の絞込み

    ● 権利行使を行う上での問題点の特定と対応

    ● 国際的な戦略の構築(国際的フォーラムの活用、先進諸国との協力等)

国際裁判管轄、準拠法

    ● インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法

著作権関係条約

    ● 国際的動向の適切な把握

    ●新条約の早期策定のために我が国が果たすべき役割


2. 「国際小委員会」委員名簿

    井上由里子   神戸大学助教授
    今  村  二  郎   (社)日本レコード協会法務部国際担当部長・広報部部長代理
    上  原  伸  一   (社)日本民間放送連盟著作権委員会著作権専門部会法制部会主査
    大  山  幸  房   帝京科学大学名誉教授
    加  藤      衛   (社)日本音楽著作権協会常務理事
    久  保  田  裕   (社)コンピュータ・ソフトウェア著作権協会専務理事・事務局長
    小  泉  直  樹   上智大学教授
    児  玉  昭  義   (社)日本映像ソフト協会専務理事・事務局長
主  査     齊  藤      博   専修大学教授
    関  口  和  一   (株)日本経済新聞社編集委員兼論説委員
    大  楽  光  江   北陸大学教授
    道垣内正人   東京大学教授
主査代理     半  田  正  夫   青山学院大学学長
    前  田  哲  男   弁護士
    増  山      周   (社)日本芸能実演家団体協議会実演家著作隣接権センター
  法務調査部部長
    山  地  克  郎   (社)電子情報技術産業協会法務・知的財産権総合委員会委員長
    山  本  隆  司   弁護士
  (計17名)


3. 小委員会の開催状況

 
第2回  平成14年7月24日(水)
    ・知的財産戦略大綱等の報告
    ・検討事項の整理と審議スケジュール
    ・海賊版対策について(論点の整理)
    ・ インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法(論点の整理)

第3回  平成14年9月3日(火)
    ・海賊版対策について(委員からのヒアリング)
    ・インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法
(委員からのヒアリング)


4. 主な意見の概要

(1) 海賊版対策

相手国の特定
  ・   対象を最初からアジア地域に限定せず、広く実態を調べるべき。
  ・   効果的な海賊版対策を行うためには、対象国の特定が必要。
  といった意見があった。

著作物の性質に応じた対策
  ・   実際に販売されているもの(レコード等)とそうでないもの(放送等)とでは、それぞれの性質に応じた対策が必要。
  といった意見があった。

官民連携体制の構築
  ・   政府は国外における権利行使などに具体的に役立つ支援をすべき。
  ・   「コンテンツ海外流通促進機構」の活動については、不正商品対策協議会等他の組織との相互協力を働きかけるべき。
  といった意見があった。

(2) インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法

長期的視野に立った検討の重要性について
  ・   インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法については、現在国際的にも十分な議論がされていないため、ハーグ国際私法会議等の動きも見守りつつ慎重に検討を進めるべきであるとの意見があった。

公衆送信権侵害に係る準拠法の確定について
  ・   A国からB国に送信行為が行われた場合、送信行為による著作権侵害はA国法を適用すべきかB国法を適用すべきかという適用法の競合(準拠法の問題)にとどまらず、A国内ではA国著作権を侵害しB国内ではB国著作権法を侵害するという権利の競合を含むので、ある国における送信権侵害は当該国法に従って法的評価が行われるべきであるとの意見がある一方、このような送信行為に対し単一の行為・結果としてまず準拠法を確定し、それに基づき権利関係を確定すべきとの意見もあった。

インターネットを通じた名誉毀損の場合等との整合性について
  ・   インターネットを通じた著作権侵害は、インターネットを通じた名誉毀損の場合と同様に複数の結果を生じるものであり、複数の国際裁判管轄及び準拠法の問題が生ずるので、国際裁判管轄及び準拠法の確定においては、両者の整合性を確保するよう留意が必要であるとする意見があった。

準拠法と属地主義との関係について
  ・   ある著作物の利用行為の準拠法をどう決定するのかという論点に尽きるのか、準拠法とは別に属地主義が問題となり得るのか(例えば、A国では既にパブリックドメインになっているが、B国では保護期間内である場合、A国で発生した結果を賠償額の算定に加えることが妥当か否か。否とすれば、それは属地主義からの帰結なのか否か。)について議論が行われた。


5. 今後の検討予定について(10月から12月にかけて3回開催予定)

「海賊版対策」及び「インターネット時代に対応した国際裁判管轄及び準拠法」について

小委員会の審議のまとめ

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