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資料  3−1

文化審議会著作権分科会「法制問題小委員会」
の検討状況について


1. 検討事項(平成14年7月30日に法制問題小委員会で決定)

著作権法制全般に関する事項

    ● 著作権法の単純化
(公衆伝達権系統の整理・統合、例外的な取扱いの廃止)

    ● 「アクセス権」の創設又は実質的保護

    ● 「権利制限規定」全体の在り方

個別の権利の在り方に関する事項

    ● 保護期間の延長
(「映画の著作物」「団体名義の著作物」など)

    ● 「私的使用のための複製」によるオリジナルの中古市場への流出への対応

    ● 「私的録音録画補償金」の見直し

その他の検討事項

    ● 関係者間で協議中の事項

    ● 各省庁の著作権制度改正要望事項


2. 「法制問題小委員会」委員名簿

  石  井  亮  平   日本放送協会マルチメディア局著作権センター副部長
  上  原  伸  一   (社)日本民間放送連盟著作権委員会著作権専門部会法制部会主査
  岡  村    豊   玉川大学教授
  金  原    優   (社)日本書籍出版協会副理事長
  児  玉  昭  義   (社)日本映像ソフト協会専務理事・事務局長
主  査   齊  藤    博   専修大学教授
  清  水  康  敬   国立教育政策研究所教育研究情報センター長
  菅  原  瑞  夫   (社)日本音楽著作権協会送信部長
  瀬  尾  太  一   (社)日本写真家協会著作権委員会委員、
  日本写真著作権協会常務理事
  土  屋    俊   千葉大学教授
主査代理   中  山  信  弘   東京大学教授
  野  村  豊  弘   (学)学習院常務理事
  生  野  秀  年   (社)日本レコード協会常務理事・事務局長
  福  田  慶  治   (社)日本映画製作者連盟常務理事・事務局長
  増  山    周   (社)日本芸能実演家団体協議会実演家著作隣接権センター
  法務調査部部長
  松  田  政  行   弁護士・弁理士
  三  田  誠  広   (社)日本文芸家協会常務理事・知的所有権委員会委員長
  山  際  永  三   (協)日本映画監督協会常務理事
  山口三惠子   日本弁護士連合会知的所有権委員会委員、弁護士
  山  地  克  郎   (社)電子情報技術産業協会法務・知的財産権総合委員会委員
  (計20名)


3. 小委員会の開催状況

第2回  平成14年  7月30日(火)
    ・保護期間の延長

第3回  平成14年  9月  5日(木)
    ・「私的使用のための複製」によるオリジナルの中古市場への流出への対応
    ・ 「アクセス権」の創設又は実質的な保護

第4回  平成14年  9月27日(金)
    ・ 関係者間で協議中の事項(「教育」「図書館」に係る権利制限の見直しを含む)

第5回  平成14年10月  7日(月)
    ・保護期間の延長
    ・著作権法の単純化
    ・検討状況中間報告案の審議


4. 主な意見の概要

(1)「私的使用のための複製」によるオリジナルの中古市場への流出への対応
  権利者自らがプロテクション技術を活用して「私的使用のための複製」を防止するのが、WCT・WPPT等による国際的な考え方であり、コピーコントロールCD(CCCD)の導入などを進めるべき。
  音楽CDについては、DVDで採用されているような、より強力なフォーマットに早急に移行することが必要。
  当面の対応としては、私的録音補償金の在り方についても検討することが必要。

(2)「アクセス権」の創設又は実質的な保護
  「アクセス権」の創設は、著作権制度の根幹にかかわる問題であることから、WIPOにおける「放送機関の保護に関する新条約」の検討も注視しつつ、引き続き検討することが必要。
  アクセスコントロールについては、「データ全体の暗号化」や、データへの不正なアクセスを防ぐために「鍵」をかけるなど、様々な方法があり、また、法制度としても、1「アクセス権」の創設、2「デコーディング権」等の創設、3技術的保護手段に関する制度の拡大など、様々な方法があり得るので、技術や市場の動向を見極めつつ検討することが必要。

(3)「教育」「図書館」に係る権利制限の見直し
  昨年の「審議経過の概要」における提言に基づき、権利者・利用者の双方により「教育目的の利用」及び「図書館等における利用」について行われていた協議の結果を踏まえ、1第35条の適用を受ける複製行為の主体に「学習者」を加えること、2第35条の規定により複製された著作物等を遠隔地で授業を受ける生徒等に無許諾で送信できるようにすること、3第36条の規定により複製された著作物等を遠隔地にいる者を対象とした試験を行うために無許諾で送信できるようにすること、4技術の変化により「再生手段」の入手が困難となった図書館資料を保存するため新たな方式で複製する場合を第31条の適用を受ける複製行為に加えること、5第38条第5項に規定されている非営利・無料の貸出に係る補償金の対象を「書籍等」に拡大することについては、実現させる方向とすべき。
  ただし,5については,権利者側・図書館側双方が,具体的な補償金制度の在り方について検討したいという意向があることから,当面その検討を見守ることとし,その結論が得られた段階で改めて具体的に検討すべき。
  その他の事項については、引き続き検討を行うこととすべき。

(4)保護期間の延長
  映画の著作物について、保護期間の実質的な差異を解消する方向とすべき。
  現行の法制との整合性等について今後検討することも重要。

(5)著作権法の単純化
  著作権法の単純化については、必要な場合には協議・調整や条件整備を行いつつ、できるところから検討・実施に着手していく方向とすべき。
  著作権法の単純化を進めていく際には、技術の変化を踏まえた著作物の種類ごとの定義のあり方など、著作権法の根本を見据えた議論も重要。


5. 今後の検討予定について(11月から1月にかけて3回程度開催予定)

「『私的録音録画補償金』の見直し」について

「各省庁制度改正要望」について

小委員会の審議のまとめ

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