2003年10月31日
道垣内正人
著作権をめぐる事件の国際裁判管轄
a. | 「民事及び商事に関する裁判管轄権及び外国判決に関する条約案」 |
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第12条 専属管轄 1 不動産の物権又は賃貸借を目的とする手続においては、当該不動産が所在する締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。ただし、賃貸借が目的となっている手続において、賃借人が他国に常居所を有する場合はこの限りでない。 2 法人の有効性、無効若しくは解散又は法人の機関の決定の有効性若しくは無効を目的とする手続については、当該法人の準拠法の属する締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。 3 公的な登記又は登録の有効性又は無効を目的とする手続においては、当該登記又は登録が保持されている締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。 4 特許権、商標権、意匠権その他の寄託又は登録を要する類似の権利の登録、有効性、無効、[取消し又は侵害]を目的とする手続については、寄託又は登録が申請され、行われ、又は国際条約の条項によって行われたとみなされる締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。前段の規定は、著作権又は著作隣接権を登録することができる場合であっても、それらの権利には適用しない。 [5 前項の規定は、特許権の侵害を目的とする手続に関し、この条約又は締約国の国内法に基づく他の裁判所の管轄権を排除するものではない。] [6 前各項の規定は、同項に定める事項が前提問題として生ずる場合には適用しない。] |
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第12条 専属管轄 [1 不動産の物権又は賃貸借を目的とする手続においては、当該不動産が所在する締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。ただし、[6か月以下の期間について締結された]賃貸借が目的となっている手続において、賃借人が他国に常居所を有する場合はこの限りでない。] [2 法人の有効性、無効若しくは解散又は法人の機関の決定の有効性若しくは無効を目的とする手続については、当該法人の準拠法の属する締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。] 3 公的な登記又は登録の有効性又は無効を目的とする手続においては、当該登記又は登録が保持されている締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。 |
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知的財産権 [選択肢A 4 特許権及び商標権等の付与、登録、有効性、放棄、取消し又は侵害についての判決を求める手続においては、それらの付与又は登録をした締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。 5 登録されない商標権等[又は意匠権]の有効性、放棄又は侵害についての判決を求める手続においては、商標権等[又は意匠権]が生じた締約国の裁判所が専属的な管轄権を有する。] |
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[選択肢B 5A 特許権、商標権、意匠権その他の類似の権利の侵害を目的とする手続については、前項[又は[第3条から第16条まで]の規定]に定める締約国の裁判所が管轄権を有する。] |
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選択肢A及びB [6 第4項及び第5項は、各項に定める事項の一が当該項によれば専属的な管轄権を有しない裁判所における手続において前提問題として生ずる場合には適用しない。ただし、その事項についての判断は、後の手続に対して、たとえそれが同一の当事者間のものであっても何ら拘束力を有しない。ある事項について判断することが判決を導く理由付けにおいて必要なステップであっても、その事項についての判決を下すことを裁判所が求められていない場合には、その事項は前提問題として生ずるものとする。] 7 [この条において、その他の登録される工業所有権[(著作権又は著作隣接権を登録又は寄託することができる場合であっても、それらは除く。)]は、特許権及び商標権等と同様に取り扱うものとする。] [8 この条の適用上、「裁判所」とは特許庁その他類似の機関を含むものとする。] |
b. | 「裁判所の選択合意に関する条約作業部会草案」 |
第![]() 第1条:適用範囲
[4 第3項に定める事項が前提問題としてのみ生ずる場合には、それに関する手続はこの条約の適用範囲から除外されない。ただし、そのような手続において下された判決は、その当事者間においてのみこの条約に基づく効力を有する。] 5 この条約は、仲裁及び仲裁に関する手続には適用されず、判決を下した裁判所による裁判管轄権の行使が仲裁合意に反する場合にその判決の承認及び執行を締約国に義務づけるものではない。 6 政府、その部局又は他の政府を代理して行為する者が手続の一方当事者であるとの一事をもって、当該手続は、この条約の適用から除外されることはない。 7 この条約は、主権国家若しくはその機関又は国際機関の特権及び免除に影響を与えるもではない。 |