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文化審議会

2001/04/09議事録

文化審議会著作権分科会情報小委員会(第1回)議事要旨

文化審議会著作権分科会情報小委員会(第1回)

議事要旨平成13年4月9日(月)
14:00〜16:00
三田共用会議所大会議室

出席者

(委員)

紋谷主査、金子委員、金原委員、上林委員、久保田委員、児玉委員、後藤委員、齊藤委員、里中委員、杉野委員、田名部委員、筒井委員、名和委員、半田委員、松田委員、松村委員、三田委員、山地委員

(事務局)

佐々木文化庁長官、岡本著作権課長、村田国際課長、尾崎マルチメディア著作権室長、その他の担当官

1.開会

2.委員及び文化庁出席者紹介

  事務局から委員及び事務局の紹介が行われた。

3.文化庁長官挨拶

  文化庁長官から文化審議会著作権分科会情報小委員会の開催にあたり挨拶があった。

4.議事

1 主査の選任について

  文化審議会著作権分科会運営規則第3条第3項の規定により当該小委員会に属する委員及び臨時委員の互選により選任することになっており、齊藤委員より紋谷委員が適任との推薦があり、満場一致で紋谷委員が主査に選任された。
  また、文化審議会著作権分科会運営規則第3条第5項の規定に基づき、半田委員が副主査に指名された。

2 情報小委員会の概要について

  事務局より、本小委員会の設置の趣旨や所掌事務等について説明が行われた。

3 情報小委員会議事の公開の対応方針の制定について

  事務局より、情報小委員会の議事の公開の対応方針について説明が行われ、了承された。

4 情報小委員会の検討事項及びワーキング・グループの設置について

  事務局から資料に基づき説明があった後、各委員による以下のような意見交換が行われた。

【委員】

 ワーキング・グループ(以下「WG」)が検討事項を取りまとめた結果を本小委員会に報告することになっているが、取りまとめの想定期間はどのくらいであるのか。またパブリック・コメントの取扱いについてはどうか。

【事務局】

 年末までに、各WG毎に進行度合いを小委員会に報告することが必要と考えている。WGによっては法改正が必要と提言するところ、まだ引き続き検討を要すると提言するところもあるが、透明性という観点においても、まとめて公表することが必要である。また、本小委員会から分科会に報告することも必要と考えており、パブリック・コメントは分科会の検討を得てから公表して求めることになる。

【委員】

 著作権の権利制限も含めた幅広い課題を本小委員会で検討すると考えてよいのか。

【事務局】

 そのとおりである。

【委員】

 検討事項にある、障害者等による利用の項目によれば、視聴覚障害者による制限について、なお拡大するような方向のニュアンスがあり、拡大しなければならないという感じがする。拡大するにもどこかに打ち止めにするポイントがあり、そこを検討すべきである。視聴覚障害者のための録音というのは、著作権者の許諾を得る手間がかかることは認識をしているが、今年の10月に施行される著作権等管理事業法により、文芸家協会で権利を集中的に管理できる体制としたいと考えているので、その点の手間は回避できるだろう。よって、権利制限を拡大するということではなく、著作権者による許諾によって利用してほしいと思っている。

【事務局】

 小委員会本体では、権利制限の全体的な検討をまず議論していただきたいと思っている。個別の検討事項にあるのは、これまでの著作権審議会で議論してきたことをまとめたものであり、こうであるべきという像を示しているわけではない。既存の権利制限規定への補償金制度や著作者への通知の制度の導入を含め、システムをどう考えるかを検討していただきたい。

【委員】

 権利制限の全体的な検討を個別の検討の前にできるのか。個別の議論と全体の枠組みは相互作用として検討するのが普通である。もちろん、全体的な枠組みがしっかりしていないと個別の議論はできないので、思い込みの議論にならないように事務局に整理していただきたい。

【事務局】

 既に著作権審議会のWGにおいて情報を収集しつつあったところでもあり、問題点の整理と本小委員会のWGにおいての議論を本小委員会にフィードバックしながら、進めていきたい。

【委員】

 3つのWGの検討においても重なりあう部分があるので、全体的な整理を絶えず行う必要はあると考える。また個別課題についても、権利制限規定全体を見直すことにならざるを得ないと考える。

【委員】

 ネットワークの問題に限らず、法制定当時から大きな変化があるので、現行の制限規定についても検討課題とすることを確認したい。

【委員】

 分科会運営規則において、WGで検討した事項については、小委員会に諮らなければならないこと、報告義務があることを明記すべきでなかったのか。

【事務局】

 WG等の設置・運営は、小委員会で決定する形になっており、指摘のあった部分は、本小委員会の共通理解事項として決定するということである。

【委員】

 全体的な検討をまず行い、そして個別の検討を行って、その後デジタル時代における課題を取り上げるという仕組みになるのではないか。

【事務局】

 権利制限規定の本質的な在り方がどのように変化しているのかという全体的な検討をし、それを個別の事象にあてはめていくという形で進めたい。御指摘のとおりである。ここで、ワーキング・グループの設置について了承され、引き続き、検討事項に関する議論がおこなわれた。

【委員】

 検討により、別の小委員会が必要になった場合には、著作権分科会に諮り、別の小委員会を設置するような柔軟な対応が望まれる。

【委員】

 学術や技術の発展の観点からは、あまり権利でがんじがらめにしないでほしい。

【事務局】

 著作権法上の問題とされているものの中には、契約上の問題も多くある。よって、利用に関しても契約システムの問題と法律の問題はよく分けて議論する必要がある。

【委員】

 電子図書館の本小委員会における位置付けはどうなっているのか。

【事務局】

 図書館資料をデータベース化し、送信利用することについて、文部省から昨年出された要望書では、契約での対応となっている。その部分を含めて図書館のWGで検討していただくことになる。

【委員】

 消尽というのは権利制限規定の議論に入るのか。

【事務局】

 一般的な議論としては、除外されるべきではないと考える。

【委員】

 高校で「情報」という教科もでき、学校において著作権に関する教育もされるようになると、現場において教師が生徒に対して、はっきりとした回答をださなければならない事態が生じることになる。よって、権利制限規定においても、○、×との境界線を明確にすることが要求されるのではないのか。

【委員】

 昨今のインターネット事情もあるように国際的な形の取扱いも検討すべきであろう。

【委員】

 大学の教育においても国際間でのネットワークによる話になっていくと思う。よって国境を超えた遠隔地教育における著作権問題をどうするのか、これからの大学の教育システムを考える上で避けて通れないだろう。

【事務局】

 別途、国際関係については国際小委員会で議論する予定である。国際間での問題は日本としてどう主張し、訴えていくのか、国際的な動向を見極めつつ、議論していただきたい。

5.閉会

  事務局から今後の日程について説明があった後、閉会になった。

(文化庁長官官房著作権課)

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