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文化審議会

2002/06/05議事録
文化審議会第23回総会議事要旨

文化審議会第23回総会議事要旨


1. 日  時: 平成14年6月5日(水)10時30分〜13時

2. 場  所: 虎ノ門パストラル アジュール

3. 出席者:
(委員) 高階会長,北原副会長,市川,内館,川村,齊藤,関口,富沢,中村,乳井,野村,脇田,渡邊の各委員
(文部科学省・文化庁) 池坊大臣政務官,河合文化庁長官,丸山文化庁審議官,遠藤文化部長,鈴木文化財鑑査官,高塩政策課長ほか関係官

4. 概要
  (1) 文部科学大臣(池坊大臣政務官代読)より,「文化芸術の振興に関する基本的な方針について」諮問が行われ,諮問理由説明が行われた。

  (2) 河合文化庁長官より補足説明が行われた。

  (3) 配付資料についての確認があり,前回議事要旨については,意見がある場合は1週間以内に事務局に連絡することとされた。

  (4) 事務局より,先の文化審議会答申「文化を大切にする社会の構築について」への対応についての説明がなされた。

  (5) その後,次のような意見交換が行われた。(○は委員,△は事務局側の発言)
 
  助成に当たっての審査会の委員について,選考の基準を明確にして情報公開して欲しい。
  委員は文化庁長官の責任で決めているが,一部の領域に偏らないようにすること,任期を調整し,長期的に色々な意見が入るようにしているが,十分留意してまいりたい。
  各種の事業を適切に広報し,より多くの人が申請できるように留意すべきである。
  広報が不十分で,募集期間が短い。手続きが煩雑である,地域により情報量に格差がある。
  外国人の日本研究者の意見をもっと聞くべである。外国人の日本研究者が日本の雑誌等に日本語で発行した論文は欧米などでは業績として評価されていない。
  日本文化に関してはむしろ日本語で発表されるものが大切で,世界に発信していかなければならない。

  (6) 事務局より,骨子案及び今後の審議の進め方について説明がなされた。

  (7) その後,次のような意見交換が行われた。
 
  答申の内容を具体的に実行すべきである。伝統芸能の継承及び発展を懸念しており,若い人に継承してもらう方法を考えるべきである。テレビや若い人が読む雑誌等で広報や宣伝を行うのもよいのではないか。
  日本人は宣伝が下手である。日本国民全体への訴え掛けを行ってほしい。
  新聞に文化行政の動きや在り方が掲載されることが少ない。専門分野の記者も専門に埋没している。
  基本方針は一度決めたら変更しないのか。文化芸術を振興していく際に,網羅的かつ総合的に,自主性を尊重しながら施策を行っていくのは可能なのか。国の施策としてメリハリが必要ではないか。また,民間が自発的に,実質的に競争できる仕組,環境を整えるべきである。また,審議会でのヒアリングは,どのように行うのか。
  基本方針は法律の内容を踏まえるものとなるが,その際に,重点的な部分を盛り込む,あるいは,別途重点施策等を決めるとの考え方がある。関係団体からのヒアリングでは,基本方針についての意見と共に,文化行政施策全般に対する要望を承りたい。
  21世紀の日本は非物質的な価値へ向かうのではないか。そうすると文化芸術の振興が重要になる。国としての方向を決めて予算をつけ,地方公共団体を含めて徐々にその方向へもっていく。また,規制緩和によって民間の色々な障害を取り除くべきである。同時に国全体がそういう方向へ向いているという訴え掛けを国で行ってほしい。
  文化の振興は自然を抜きにしてはできないものもあり,数百年単位の国家的施策が要求される。
  文化活動は個人の自主性に委ねられており,それゆえ行政があまり深くかかわると国家の規制になるとの危惧がある。審議会で議論する時に,総花的なメニュー出すのはどうか,法律を踏襲しても新しさはない。ヒアリングは陳情ではなく,各々でどのような課題があるのかを正確に把握するべきである。
  文化芸術は非常に広く,重点的に施策を行うべきとの意見があれば,国が行うなら公平にという意見もある。色々な意見を聴き,やる時には思い切ったことをやるべきである。現状をみると民俗芸能は根強く取り組まれているが,芸能の活動状況に危機感をもっている。
  活動そのものへの支援だけでは限界があり,鑑賞者やサポーターを増やしていかなければ,伝統芸能等は続かないだろう。振興のための盛り上がりに取り組む面も基本方針の中に入れてはどうか。
  基本方針は可能な範囲でメリハリをつけていきたい。特に広報は一方的ではなく,同時にそれによって関心が増え,サポーターを増えるようにすべきである。また,活動の自主性を発揮しやすいようにインセンティブを設けることを考えてほしい。必要ならば基本方針は,ある時点で見直すことを入れてはどうか。

  (8) 事務局より,次回総会の日程についての説明があり,閉会した。


(文化庁政策課)

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