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文化審議会

2001/03/05 議事録

文化審議会第2回総会議事要旨

文化審議会第2回総会議事要旨

1.日時

平成13年3月5日(月)10時30分〜13時00分

2.場所

東海大学校友会館  望星の間

3.出席者

(委員)

  高階会長、北原副会長、市川、井出、内館、岡田、川村、齊藤、関口、津田、野村、藤原、黛、森、渡邊  の各委員

(文部科学省・文化庁)

  大野文部科学副大臣、河村文部科学副大臣、小野事務次官、佐々木文化庁長官、銭谷文化庁次長、林長官官房審議官、遠藤文化部長、長谷川文化財部長、村上文化財鑑査官、高塩文化庁政策課長  ほか関係者

4.概要

  • (1)前回議事要旨については、意見がある場合は1週間以内に事務局に連絡することとされた。
  • (2)事務局より、第1回総会における主な意見の紹介及び文化関係予算についての説明があった。
  • (3)その後、自由討議が行われ、次のような意見があった。
    •   伝統芸能に携わるものとして、現在、伝統芸能が危機的状況にあることを強く感じる。長唄、邦楽など歌舞伎を支えている部分が弱くなっている。また、学校教育に邦楽が導入されるが、先生が教えられないというのが現状である。
    •   IT化の進展の中で、Eメールの普及により、書き言葉と話し言葉が同じになってきている。また、「行間」を読むこともなくなり、想像力の欠如をもたらしている。
    •   文化大国という表現は、アジア諸国より尊大だと受けとられかねないので注意が必要。
    •   文化を世界へ上手に発信するためには、自らの文化のアイデンティティーを確認することが必要。日本の文化の基本は、「間」や「行間を読む」であり、これについて教育の中で触れることが重要。
    •   文化については、多様性と普遍性との関係が重要だが、文化の分野において世界で重要な位置を占めようとするならば、普遍的な価値を有する文化を振興し、世界に発信していくことが必要。
    •   地方の文化施設にみられるように、器が立派で中身が少ないというのは、まさに我が国の文化を象徴している。
    •   限られた資源の中で文化振興を図る上での優先度を決めていく理念についての議論が必要。
    •   芸術文化は人の心を柔らかくするものであり、芸術文化に親しみ理解する人々の層が厚くなることが重要。特に文化を理解できる子どもたちを育成していくことが重要。
    •   文化財については、指定し、保存するだけではなく、みんなで守り、それを活用していくという風土の醸成が必要。その意味で、文化財についての周知、広報が重要。また、食文化等の身近な文化も大切にしていくべき。
    •   優れたもの、美しいものを自ら見出していけるような目を養っていくことが重要。
    •   アートマネジメント等の文化を支える人の養成が重要。また、日本の文化の多様性は地方によって担われており、地方における文化の振興を図るための寄附等を盛んにしていくための方途の検討が必要。
    •   子ども向けの公演でも、学校で強制的に見せるのはうまくいかないが、親子で鑑賞するとうまくいくといったことがある。
    •   国と地方公共団体で同じような目的をもつ文化施設を建設しているが、それぞれの役割分担や連携を図り、効率的に進めていくことが必要。
    •   日本の文化を、子どもたちに伝えることができるような教師の育成が不可欠。
    •   文化庁が行っている文化の範囲だけで文化を考えるのは狭すぎる。また、文化を発信していく上では、ローカルなものを大切にし、それをグローバルに発信していくことが重要。
    •   文化の問題は、教育の問題に尽きる。文化庁は、文化振興の観点から、文部科学省の学校教育政策に対して強く発言していくことも必要。
    •   文化の振興は、国民一人一人が考え、実行しなければならない。それぞれの地域で文化活動が活発に行われることが望ましいが、どのようにすればよいかを考えていくことが必要。
    •   国語の問題として、学校の教員の言葉づかいがなってないということがある。
    •   文化は、普及や実践が難しいが、人々の意識に働きかけて改善していくことが必要。
    •   文化については、ローカルスタンダードがグローバルになることが必要。
    •   国と地方の連携・役割分担についての議論が必要。また、民間の支援について、税制上の優遇措置を含め、どのように支援策を講じていくかについての議論が必要。
    •   文化については、文化庁だけで考えるのではなく、各省庁の枠を越えた施策が必要。
    •   道徳、礼儀、作法といったわが国の伝統的な文化をどのように継承していくかは教育の大きな課題。
    •   文化の中心は「人」であり、人間と文化という視点が基本となるべき。
  • (4)事務局より次回総会の日程についての説明があり、閉会した。

(文化庁政策課)

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