(参考)計画に盛り込むことが考えられる具体的な政策目標の例

   「2教育振興基本計画の基本的考え方」及び「3教育振興基本計画に盛り込むべき施策に関する基本的な方向」を踏まえ,「学校が良くなる,教育が変わる」ことを実感できるようにするため,いろいろと困難な課題はあるが,より具体的には,例えば,以下のような国民に分かりやすい政策目標を計画に盛り込むことが考えられる。
   いじめ,校内暴力の「5年間で半減」を目指し,安心して勉強できる学習環境づくりを推進する。また,不登校等の大幅な減少を目指し,受入れのための体制づくりを推進する。
   高校卒業段階で英語で日常会話ができ,大学卒業段階では英語で仕事ができることを目標とした英語教育など,外国語教育の充実を図る。TOEFL等の客観的な指標に基づく世界平均水準の英語力を目指す。大学入試センター試験に平成18年度入試から外国語リスニングテストを導入する。
   児童・生徒の学習到達度を調査するための全国的な学力テストを実施し,その評価に基づいて学習指導要領の改善を図る。また,国際的な学力調査(PISA/IEAなど)でのトップクラスを維持すること等を目指し,「確かな学力」を育成する。
   授業が分からない子どもの半減を目指し,習熟度別指導など個に応じたきめ細かな指導を推進して,分かる授業,楽しい学校生活を実現する。
   学習障害(LD),注意欠陥/多動性障害(ADHD)等への教育的対応を含めた特別支援教育体制の構築を図る。
   教員養成や研修の効果的実施や,教員の能力,実績を適切に評価するシステムの導入等を通じて,教えるプロとしての使命感と能力を備えた優れた教員を育成・確保する。
   学校施設の耐震化対策の推進や良好な教育環境の確保を進める。
   知識社会・高度情報化社会を生きる子どもの情報活用能力の向上を目標とし,新しい教材・教育用コンテンツの充実を図るとともに,すべての学校の教室への校内LANの設置による校内ネットワーク化,光ファイバー,ADSL等によるインターネットの高速化を行うなどにより,学校のIT環境の整備を推進する。
   当面,高等学校の通学範囲内に少なくとも1校を目標に中高一貫教育校の設置を推進するとともに,小中一貫,幼小一貫など弾力的な学校種間連携等を積極的に推進する。
   小学校就学前のすべての子どもが適切な幼児教育を受けることができるよう幼児教育体制の充実を図る。
   安易な卒業をさせないよう学生の成績評価を厳格化し,高等教育修了者にふさわしい学生の質(基礎的な教養,専門的な学力,人生観と世界観など)を保証する大学教育の実現を図る。
   優れた研究教育拠点形成等の重点的な支援,博士課程学生,ポストドクター支援の充実など優れた若手研究者の育成を推進する。
   大学改革の流れを加速し,活力に富み国際競争力ある大学作りを目指すため,国立大学の法人化など大学の構造改革を推進する。
   世界水準の教育研究成果の確保を目標として,大学等の施設整備を推進する。
   国際的な通用性等を踏まえた高等教育機関の質を確保するための第三者評価システムの構築を推進する。
   高等教育機関の活性化を図るため,各大学において具体的目標を定め,教員の公募制・任期制の導入の推進を図るほか,自校出身者比率の各大学における数値目標や大学院入学者中の他大学出身者の割合についての各大学における数値目標を定め,教員・学生の多様性を高める。
   大学・大学院等への社会人の受入れを拡大するため,社会人特別選抜制度や夜間大学院,昼夜開講制,長期履修学生制度の充実,都市中心部でのサテライト教室の設置など,社会人のリカレント教育を推進する。
   ポスト「留学生受入れ10万人計画」を含めた新たな留学生政策を早期に策定し,高等教育の国際化及び国際競争力の強化等に資する留学生施策を推進する。
   私立学校における独自の建学の精神に基づく特色ある教育と多様な教育研究の振興を図る。
   学校管理職への女性の登用や大学・大学院における女性教員比率等の飛躍的な向上を促進する。
   子どもの体力や運動能力の低下に歯止めを掛け,上昇傾向に転じさせることを目標として,体力向上を推進するとともに,意欲ある子どもがより高い競技レベルに挑戦することのできる環境を整える。
   地域におけるボランティア活動や自然体験活動などの奉仕活動・体験活動の機会を充実し,小・中学校で全員が体験することを目指す。
   希望する保護者が全員参加できることを目指し,家庭教育に関する学習機会の提供や子育て支援ネットワークの形成等,家庭教育の充実のための環境を整備する。