遺伝子組換えメダカの不適切な取扱いについて厳重注意を行いました

令和5年3月8日

 文部科学省は、本日、国立大学法人東京工業大学に対し、遺伝子組換えメダカの不適切な取扱いについて、文書による厳重注意を行いましたので、お知らせします。

概要

 
1.文部科学省は、3月3日、東京工業大学から、遺伝子組換えメダカの学外持出に係る調査結果と今後の対策について、報告書の提出を受けました。

 
2.東京工業大学からの報告の概要
  東京工業大学から報告のあった本件の概要は以下のとおりです。
 
(1)事実関係

  • 令和5年2月17日、警視庁より、環境中での使用等が承認されていない遺伝子組換えメダカが一般に流通していること、また、捜査の結果、当該遺伝子組換えメダカは、10年以上前に同大学に在籍していた学生によって同大学から持ち出されたものであることが判明したと連絡があった。
 
  • 同大学が調査を行った結果、当該元学生は、平成21年4月から平成24年3月までの間、遺伝子組換え淡水魚を使用する研究室に所属していたことが確認された。また、当該研究室で淡水魚の飼育管理作業に関わっていたことから、遺伝子組換えメダカの飼育室に出入可能であり、容易に持ち出しが可能な状況にあったことがわかった。
 
  • 遺伝子組換え生物等の取扱いに対する教育訓練は、遺伝子組換え生物等を取り扱う各研究室において行われていたが、このような事案が発生したことを踏まえると、当時の教育訓練が不十分であったことによって起きたものと考えられる。

 
(2)再発防止策
   本事案を踏まえ、再発防止策として、淡水魚の飼育施設の管理強化を行うとともに、遺伝子組換え生物等の取扱 いを学部3年生の必修科目とする。今後、当該再発防止策を徹底し、遺伝子組換え生物等の適正な使用等に努めることとする。

3.文部科学省における対応
  上記報告を受け、本日、文部科学省は、同大学に対して、事案の重大性を鑑み、再発防止のための措置を徹底するよう文書による厳重注意を行いました。
  また、このような事案の再発防止のために、本日、大学及び当省所管の研究機関に対し、遺伝子組換え生物等の取扱いに係る体制が適切に整備されていることを改めて確認するとともに、遺伝子組換え生物等の適正な使用等を徹底するよう要請しました。
  文部科学省としても、法令の理解及び遵守について、一層周知徹底してまいります。

4.
その他
  同大学から持ち出された当該遺伝子組換えメダカを不正に飼育・譲渡等を行った者に対する指導及び当該メダカに係る相談は、環境省が対応しています。詳細は環境省からの報道発表を参照ください。
  また、当該事案については、警視庁が本日記者会見を行いました。

 <環境省からの報道発表>
 https://www.env.go.jp/press/press_01252.html

お問合せ先

研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室
電話:03-6734-4113
 

(文部科学省研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室)