大学等設置に係る寄附行為(変更)認可後の財政状況及び施設等整備状況調査結果について(令和元年度)

令和2年3月31日

1 調査の目的



本調査は、「学校法人の寄附行為及び寄附行為の変更の認可に関する審査基準(平成19年文部科学省告示第41号)」(※1参照)及び「大学等設置に係る寄附行為(変更)認可後の財政状況及び施設等整備状況調査実施要領(平成26年12月12日大学設置・学校法人審議会学校法人分科会長決定)」(※2参照)に基づき、大学等設置に係る寄附行為(変更)認可時の附帯事項等が確実に履行されているかを確認し、あわせて学校法人の経営の実態及び施設等の整備の進捗状況を把握し、学校法人の健全な経営の確保に必要な指導、助言を行うため実施している。

2 調査の内容・方法



調査は、※2の要領に基づき、大学等の設置が認可された学校法人に対して、原則として当該設置する大学等が完成年次に達するまでの間、毎年度、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会(別紙1)が実施している。
  調査の内容は、(1)認可以降の意見等の履行状況、(2)施設・設備の年次計画の実施状況、(3)経営の実態(役員の就任状況などの管理運営面、資産・収支状況などの財政面)、について行っている。
  調査の方法は、全ての調査対象学校法人(158法人)に対して書類調査を実施し、そのうち、大学・短大新設等の場合で設置学
部等が完成年次を迎えた学校法人を中心に7法人について実地調査を実施し、1法人について面接調査を実施した。いずれの場合も問題点や課題等があった場合は指摘事項として学校法人に通知し、改善を促すものとする。

3 令和元年度調査結果の概要



今回の調査の結果、一部指摘事項が付されたものがあるが、全体的には設置計画が着実に履行されていた。今回の調査結果として各学校法人に付す指摘事項は別紙2のとおりであり、調査内容ごとの調査結果の概要は以下のとおりである。

(1)認可以降に付された意見に対する履行状況
  各学校法人においては、認可以降に付された管理運営や財務等に関する意見に対して、その改善に取り組んでいることを確認したが、事案によっては改善状況が十分ではないため、同じ内容について、継続して意見を付す事案が見られた。

(2)施設・設備の年次計画の実施状況
  概ね計画どおり履行されていたが、一部の学校法人で、施設・設備の整備計画に変更が生じる場合において必要な手続きを行っていない事案が見られた。

(3)経営の実態
  管理運営面において、一部の学校法人で登記が遅延して行われている事案や、監事が出席せずに理事会又は評議員会を開催する事案など、是正が必要な事案が見られた。
  財務面においては、定員未充足や収支が継続してマイナスであることについて改善が必要な事案が多く見られた。

なお、本調査において付される意見の定義は以下のとおりである。
(1)指摘事項(法令違反):法令に抵触すると認められる事項があり、学校法人に必要な措置をとることを求める事項。(2)指摘事項(是正) :管理運営上著しく不適切と認められる事項があり、学校法人に早急な是正を求める事項。(3)指摘事項(改善) :寄附行為に基づいた運営がなされていない場合や、設置計画に基づいた整備がなされていないと認められる事項があり、学校法人に改善を求める事項。(認可時の附帯事項及び指摘事項について、引き続き改善を求める場合を含む。)

4 履行状況報告書の情報公開等



大学等設置に係る寄附行為(変更)認可後の財政状況及び施設等整備計画の履行状況等を記載した報告書(以下、「履行状況報告書」という)を、学校法人として積極的に公開することは大変意義がある。
  また、設置認可と認証評価との連続性の確保が重要な課題であることから、各学校法人におかれては、認証評価機関から履行状況報告書の提出を求められた際には積極的に提供いただくことを期待したい。
  なお、設置認可と認証評価の有機的な連携が図られるよう、各認証評価機関に対し、本調査の結果を参考資料として送付することとしたい。

5 令和2年度の実施方針



調査対象については、これまでと同様に、大学等の設置等の認可後、当該学部等が完成年次に達するまでの期間に該当する学校法人を対象とすることとしたい。調査方法等については、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会における審議等を踏まえ、更なる内容の充実を図ることとしたい。


 

※1
 ○学校法人の寄附行為及び寄附行為の変更の認可に関する審査基準
 (平成19年文部科学省告示第41号)(抄)

第6 その他
  3 文部科学大臣は、第1から第4までの規定に基づく認可に係る計画及び留意事項の履行の状況及び学校法人の経営の実態を確認するため必要があると認めるときは、書類、実地等による調査を実施すること。
※2
 ○大学等設置に係る寄附行為(変更)認可後の財政状況及び施設等整備状況調査実施要領
 (平成26年12月12日学校法人分科会長決定)(抄)

1 趣旨
  この調査は、寄附行為(変更)認可時の附帯事項(平成30年度以前の開設に係る案件については留意事項。以下同じ。)が確実に履行されているかを確認し、あわせて学校法人の経営の実態及び施設等の整備の進捗状況を把握し、学校法人の健全な経営の確保に必要な指導、助言を行うため実施する。

2 調査対象法人及び期間
(1)大学等の設置が認可された学校法人に対して、原則として当該設置する学部・学科等が完成年次に達するまでの間に実施する。
  ただし、昭和45年度以降に新設された医学部又は歯学部を設置する学校法人に対しては、当分の間新設後10年間実施する。
  なお、調査最終年度において、なお指摘事項が付されている場合、又は、学校法人分科会が必要と判断した場合には、引き続き調査を実施することができる。
(2)その他、特に調査を要すると認められる学校法人に対し、必要が生じた都度実施する。

3 調査方法
  調査は、書類調査、実地調査等の方法により、毎年度1回実施する。ただし、特別の必要がある場合は必要に応じてその都度実施する。

4 調査内容
(1)附帯事項等の履行状況
(2)施設・設備の年次計画の実施状況
(3)役員の就任状況
(4)事務組織の整備状況
(5)入学者の状況
(6)学校法人の資産及び収支の状況(借入金の状況、学生納付金及び寄附金の状況、給与の支給状況等を含む。)
(7)その他(学校法人の管理運営状況等)

お問合せ先

高等教育局私学部私学行政課法人係

03-5253-4111(代表)(内線2950)

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