国際数学オリンピック参加生徒の成績について

令和元年7月21日

文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しておりますが、この度、イギリス(バース)で開催された「第60回国際数学オリンピック」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。
(共同発表:公益財団法人数学オリンピック財団)

1.受賞状況

金メダル2名、銀メダル2名、銅メダル2名

2.参加者

6名の高校生

3.受賞者詳細

 兒玉(こだま) 太陽(たいよう)さん

 海陽中等教育学校(愛知県) 6年(17歳)

 金メダル

 坂本(さかもと) 平蔵(へいぞう)さん

 筑波大学附属高等学校(東京都) 3年(18歳)

 金メダル

  平石(ひらいし) 雄大(ゆうだい)さん

  海陽中等教育学校(愛知県) 5年(16歳)

  銀メダル

 宿田(しゅくた) 彩斗(あやと)さん

 開成高等学校(東京都) 2年(16歳)

 銀メダル

 渡辺(わたなべ) 直希(なおき)さん

 広島大学附属高等学校(広島県)2年(16歳)

 銅メダル

 早川(はやかわ) 睦海(むつみ)さん

 宮崎県立宮崎西高等学校(宮崎県) 3年(18歳)

 銅メダル

(年齢は本大会終了日時点のもの)
※渡辺さんは2018年の国際数学オリンピックで銅メダルを獲得。

4.参加国数/人数

112 か国・地域 / 621 名

5.開催地/会期

イギリス(バース)/令和元年7月11日(木曜日)~22日(月曜日)

6.派遣機関

公益財団法人 数学オリンピック財団

◆大会概要

・国際数学オリンピックは1959年にルーマニアにて第1回大会が開催。
・2019年のイギリス大会は、第60回目。
・日本は、1990年から参加を開始し、毎年6名の生徒を派遣。本年は30回目の参加。
・昨年のルーマニア大会は、107か国・地域から594名の生徒が参加し、日本は金メダル1名、銀メダル3名、銅メダル2名受賞、国別順位13位。
・本年のイギリス大会は、112か国・地域から621名の生徒が参加し、日本は金メダル2名、銀メダル2名、銅メダル2名受賞、国別順位13位。
・来年は、ロシアで実施される予定。

◆日本代表団(参加生徒)の日程

 7月14日(日曜日)

 選手団日本出発

       15日(月曜日)

 開会式

       16日(火曜日)

 コンテスト第1日目

      17日(水曜日)

 コンテスト第2日目

      18日(木曜日)~20日(土曜日)

 国際交流等

      21日(日曜日)

 閉会式

      22日(月曜日)

 代表団イギリス出発

      23日(火曜日)

 代表団日本到着

 ◆参加生徒

 兒玉(こだま) 太陽(たいよう)さん

 海陽中等教育学校(愛知県) 6年(17歳)

 金メダル

 坂本(さかもと) 平蔵(へいぞう)さん

 筑波大学附属高等学校(東京都) 3年(18歳)

 金メダル

 平石(ひらいし) 雄大(ゆうだい)さん

 海陽中等教育学校(愛知県) 5年(16歳)

 銀メダル

 宿田(しゅくた) 彩斗(あやと)さん

 開成高等学校(東京都) 2年(16歳)

 銀メダル

 渡辺(わたなべ) 直希(なおき)さん

 広島大学附属高等学校(広島県) 2年(16歳)

 銅メダル

  早川(はやかわ) 睦海(むつみ)さん

  宮崎県立宮崎西高等学校(宮崎県) 3年(17歳)

  銅メダル

◆国際数学オリンピックにおける過去3年間の日本代表の成績

2016年(第57回 香港大会)
金メダル1名、銀メダル4名、銅メダル1名
国別順位10位(参加規模:109か国・地域、602名)
2017年(第58回 ブラジル大会)
金メダル2名、銀メダル2名、銅メダル2名
国別順位6位(参加規模:111か国・地域、615名)
2018年(第59回 ルーマニア大会)
金メダル1名、銀メダル3名、銅メダル2名
国別順位13位(参加規模:107か国・地域、594名)

◆日本代表団からのコメント

国際数学オリンピック(IMO)は、毎年、2日間に亘って、3問ずつそれぞれ4時間半で合計6問を解くことを競うコンテストです。今年の問題も数学の4分野(代数(A)、組み合わせ(C)、幾何(G)、整数論(N))から、次のように出題されました。
1日目 問題1:A、問題2:G、問題3:C
2日目  問題4:N、問題5:C、問題6:G
問題1は、例年よりも典型的・平易な代数の問題で、全員が完答できました。問題2は的確な発想に至れば答を導き出すことができ、それに気が付くかどうかがキィポイントでした。問題3は思いつきが必要なグラフ理論の問題で1日目の中で一番難しい問題でした。問題4は手数の多く必要とする問題でしたが、N分野としては例年より易しめでした。問題5も手数はかかりますが標準的問題でした。問題6 は解答を導き出すためのステップが多くかなりの難問でした。全体としては問題1、4は例年より易しく、問題2、5は日本選手にとって解きやすい問題でした。問題3、6は部分点も取りにくい難しい問題でした。選手たちはよく頑張り、金メダル2、銀メダル2、銅メダル2と全員がメダルを獲得し、国別13位という立派な成績を収めました。
なお、2023 年には、20年ぶりに日本でIMO の大会が開催されます。今後とも皆様のご支援をお願い申し上げます。

◆国際数学オリンピック(IMO=The International Mathematical Olympiad)

国際数学オリンピックは、世界各国・地域の数学的才能に恵まれた若者を見出し、その才能を伸ばすチャンスを与えること、また世界中の数学好きの若者や教育関係者であるリーダーたちが互いに国際交流を深めることを目的として開催されています。
大会の参加資格は、「コンテスト当日20歳未満で大学教育(または、それに類するもの)を受けていないもの」とされており、各国6名まで参加できます。参加者は1日4時間半、各3問の筆記試験を2日間に渡り取組み、その得点合計で競います。成績優秀者にメダルが与えられ、金メダルは参加者の約12分の1、銀メダルは約12分の2、銅メダルは約12分の3が受賞します。
第1回大会は、1959年にルーマニアにおいて、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、旧チェコスロバキア、旧東ドイツ、旧ソ連を招待して開催されました。その後、1980年を除き毎年7月に開催されています。

◆日本数学オリンピック(JMO=Japan Mathematical Olympiad)

日本における国際数学オリンピックへの派遣事業は1988年から企画され、1989年には委員2名が第30回西ドイツ大会を視察し、翌年の第31回北京大会において初めて参加しました。当初、事業の運営母体は任意団体であり、有志の寄付によって運営を行っていました。その後、元協栄生命保険株式会社の故川井三郎名誉会長の寄付及び富士通株式会社、元協栄生命保険株式会社、株式会社アイネスの寄付を基金として、1991年3月に文部省(現在の文部科学省)所管の財団として、財団法人数学オリンピック財団が設立され、派遣事業を行ってきました。
財団は2013年4月から内閣府所管の公益法人数学オリンピック財団となり、現在、この財団により日本数学オリンピックが実施され、毎年、国際数学オリンピックへの代表選手を選抜しています。また、2003年国際数学オリンピックが東京で開催されたのを契機に、中学生以下の大会である日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)が実施されており、若年層の関心とレベルアップを図っています。

◆本参考資料に関するお問い合わせ先

  公益財団法人数学オリンピック財団 事務局 担当:宮下義弘
     TEL 03-5272-9790 Fax 03-5272-9791
   数学オリンピック財団ホームページ

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

伊藤、中島
電話番号:03-6734-4191

公益財団法人数学オリンピック財団

宮下義弘
電話番号:03-5272-9790

(科学技術・学術政策局人材政策課)