令和5年6月13日
文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しております。このたびオンラインにより開催された「第17回アジア太平洋情報オリンピック(主催国:中国)」に参加した選手が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。 また、文部科学省では、アジア太平洋情報オリンピックにおいて、特に優秀な成績をおさめた者に対して文部科学大臣特別賞の授与を行っており、このたびの成績を踏まえ、受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。 (共同発表:一般社団法人情報オリンピック日本委員会)
金メダル1名、銀メダル5名
(上記6名が文部科学大臣特別賞を受賞する)
※金メダルは各国代表選手の成績上位およそ1/12、銀メダルは2/12、銅メダルは3/12 の割合で与えられる。
6名の高校生
※アジア太平洋情報オリンピックは、各国・地域から60名程度が参加可能である。各国参加者のうち、成績上位6名タイまでが当該国の代表選手と見なされる。日本からは29名が参加した。
田中 優希 さん | 灘高等学校(兵庫県) | 3年 | 金メダル |
児玉 大樹 さん | 灘高等学校(兵庫県) | 3年 | 銀メダル |
林 涼太郎 さん | 筑波大学附属駒場高等学校(東京都) | 2年 | 銀メダル |
太田 克樹 さん | 筑波大学附属駒場高等学校(東京都) | 1年 | 銀メダル |
松葉 大和 さん | 武蔵高等学校(東京都) | 1年 | 銀メダル |
関口 勇音 さん | 筑波大学附属駒場高等学校(東京都) | 1年 | 銀メダル |
33か国・地域/204名
オンライン開催(主催国:中国)
令和5年5月20日(土曜日)~5月21日(日曜日)(日本時間)
一般社団法人情報オリンピック日本委員会
・アジア太平洋情報オリンピックは2007年にオーストラリアにて第1回大会が開催。
・2023年の中国大会は第17回目。
・日本は2007年の第1回オーストラリア大会から参加を開始し、本年は17回目の参加。
・昨年のエジプト大会(オンライン開催)は、34か国・地域から選手が参加し、日本は銀メダル6名受賞。
・今年の中国大会(オンライン開催)は、33か国・地域から選手が参加し、日本は金メダル1名、銀メダル5名受賞。
2020年(第14回 インドネシア大会(オンライン開催))
金メダル1名、銀メダル5名
(参加規模:33か国・地域)
2021年(第15回 インドネシア大会(オンライン開催))
金メダル2名、銀メダル3名、銅メダル1名
(参加規模:35か国・地域)
2022年(第16回 エジプト大会(オンライン開催))
銀メダル6名
(参加規模:34か国・地域)
アジア太平洋情報オリンピック(APIO)は、アジア太平洋に位置する国・地域が交互にホストとなって開催する国際情報オリンピックに準じた地域大会である。アジア太平洋情報オリンピックは、2日の競技期間の中で、各国1日5時間の枠を選択して3問を解答する。競技では、与えられた課題に対する性能の良いアルゴリズムを設計し、さらに、それをプログラムとして適切に実装することが求められる。
各国から参加できる選手数は、大会ごとに異なるが通常は60名程度であり、各国参加者のうちの成績上位6名タイまでが当該国の代表選手と見なされる。
なお、第17回の日本からの参加者は、3月に開催した「第22回日本情報オリンピック」および「日本情報オリンピック第3回女性部門」の春季トレーニング進出者のうち希望する者であり、参加者数は29名であった。
アジア太平洋情報オリンピックは、新型コロナウイルス感染症が拡大した2021年以降完全オンラインで開催されており、日本は選手の自宅や学校等から参加することができる。競技規則では、競技時間中の参考資料の閲覧やインターネット検索が許可されており、また、出題問題は単純な知識を問うだけの問題は出題されず、高難度なものばかりとなっており、完全オンラインでの開催を前提とした運営がなされている。
国際情報オリンピックは、高校生以下の生徒を対象として、数理情報科学の問題解決能力をもつ生徒を見出し、その能力の育成を助け、また、各国の選手・教育者同士の国際交流を図ることを目的としている。1989年にブルガリアのプラベツで第1回が開催されて以来毎年開催されており、今年2023年のハンガリー大会は第35回である。
大会の参加資格は「大会開催前年の9月から12月にかけて代表となる国の中等教育機関に在籍し、大会開催年の7月1日に20歳以下であること」とされている※。
※国内選抜大会である日本情報オリンピック(JOI)では、国際大会開催年の4月1日時点で20歳未満である高校生以下を日本代表の選考対象としている。
参加できる選手は国・地域ごとに4名以下で、成績優秀者にメダルが与えられ、金メダルは参加者の約12分の1、銀メダルは約12分の2、銅メダルは約12分の3が受賞する。
国際情報オリンピックで出題される問題では、原則として、与えられた問題を解く、効率が良いアルゴリズムや質の良いアルゴリズムを考え出し (アルゴリズムの設計)、そのアルゴリズムに基づき正しく動作する解法プログラムを作成すること(アルゴリズムの実装)が求められる。使用できるプログラミング言語はC++である。
競技日は2日あり、選手は各競技日に5時間で3問を解く。問題は、実社会で直面する様々な課題を模したものとなっており、それを数理情報科学によって解決する数理的な問題解決能力(数学的な理解力、分析力、思考力、発想力など)が強く求められる。
1993年に財団法人数学オリンピック財団の協力のもとに国際情報オリンピック日本委員会が発足。同年に第1回日本情報オリンピックを開催し、1994年の第6回国際情報オリンピック・スウェーデン大会に2名の代表選手を派遣した。その後1996年までの3年間に延べ6名の選手を国際情報オリンピックへ派遣した。1997年から2005年は一時国際大会への選手派遣を見送ったが、2005年に特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会を設立し、2006年から国際大会への選手派遣を再開。2006年の第18回国際情報オリンピック・メキシコ大会より以後、毎年4名の代表選手を派遣している。2023年のハンガリー大会への代表選手を選抜する2022/2023の国内予選(第22回日本情報オリンピック)には、全国から1,720名が参加。一次予選、二次予選、本選、および2023年3月に開催された日本代表選手選考となる春季トレーニングを経て、ハンガリー大会の代表4名を決定した。
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