リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2023に参加した生徒等が部門優秀賞等を獲得しました。また、国際的な科学技術コンテストで特に優秀な成績をおさめた生徒等に対する文部科学大臣表彰等の受賞者を決定しました。

令和5年5月22日

文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテスト(以下、「コンテスト」という)に参加する生徒等を支援する事業を実施しております。
このたび、アメリカ・テキサス州ダラスで開催された「リジェネロン国際学生科学技術フェア(Regeneron ISEF)2023」に参加した生徒等が、部門優秀賞等を獲得したとの連絡を受けましたので報告いたします。

また、文部科学省では、コンテストで特に優秀な成績をおさめた者に対して文部科学大臣表彰を、健闘した者に対して文部科学大臣特別賞を授与いたします。
このたびのRegeneron ISEF 2023の成績を踏まえ、文部科学大臣表彰及び文部科学大臣特別賞の受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。
なお、審査が行われるコンテストについては、代表生徒の成績が判明次第、順次、文部科学省より受賞者を発表いたします。

1.受賞状況

優秀賞2等 1組1名、優秀賞3等 1組1名、優秀賞4等 1組2名、特別賞 3組5名

2.参加者

11組18名の高校生等

3.受賞者詳細

○文部科学大臣表彰
【個人研究】

受賞内容:物理学・天文学部門 優秀賞2等、特別賞 科学による社会貢献賞2等
ブランデル 葉奈(はな) さん 大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎(大阪府)出身
 テーマ:「アリの秘密」
 部門 :物理学・天文学
 
受賞内容:物理学・天文学部門 優秀賞3等、特別賞 アメリカ音響学会1等
田中(たなか) 翔大(しょうだい) さん 市立札幌開成中等教育学校(北海道)6年
 テーマ:「バイオリンのハーモニクス奏法における倍音の持続現象に関する数理的研究」
 部門 :物理学・天文学
 
【チーム研究】

受賞内容:材料科学部門 優秀賞4等
箕浦(みのうら) 祐璃(ゆうり) さん 文京学院大学女子高等学校(東京都)3年      
光吉(みつよし) 音葉(おとは) さん 文京学院大学女子高等学校(東京都)3年
 テーマ:「赤い紅の『見える緑』『見えない緑』『光る緑』~墨を用いて紅の緑色光沢を生み出す伝統的な手法の解析~」
 部門 :材料科学

○文部科学大臣特別賞
【個人研究】

河野(こうの) 百羽(ももは) さん 東京都立大学1年(東京大学教育学部附属中等教育学校(東京都)出身)
 テーマ:「光により誘導される根の緑化の発見」
 部門 :植物科学
 
水谷(みずたに) 紗更(ささら) さん 東京都立小石川中等教育学校(東京都)6年
 テーマ:「炎光光度法を用いたエアロゾル粒子の濃度測定と可視化手法の開発」
 部門 :環境工学
 
小笠原(おがさわら) 優海(ゆうみ) さん 大妻多摩高等学校(東京都)3年
 テーマ:「心地良い「音楽」を「数学」で奏でる」
 部門 :行動・社会科学
 
高田(たかだ) 悠希(はるき) さん 群馬県立高崎高等学校(群馬県)3年
 テーマ:「スマート盲導杖『みちしる兵衛』」
 部門 :ロボット工学・知能機械
 
【チーム研究】
受賞内容:特別賞 上海青少年科学教育社賞
安藤(あんどう) 優花(ゆうか) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
石垣(いしがき) 美月(みつき) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
相原(あいはら) 瑛莉星(えれな) さん 静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
 テーマ:「空気の微細な気泡と海水の鉄電解を用いたアンモニア製造法」
 部門 :エネルギー:持続可能な材料・設計
 
坂手(さかて) (はるか) さん  慶應義塾大学1年(島根県立浜田高等学校(島根県)出身)
横山(よこやま) 麗乃(れの) さん 島根県立浜田高等学校(島根県)3年
(わたり) 結名(ゆうな) さん  島根県立浜田高等学校(島根県)3年
 テーマ:「植物乳液の防虫効果と利用法」
 部門 :植物科学
 
鶴丸(つるまる) 倫琉(みちる) さん 山口県立徳山高等学校(山口県)3年   
柴崎(しばさき) 湧人(ゆうと) さん 山口県立徳山高等学校(山口県)3年
 テーマ:「忍具「些音聞金」の解明と応用 ~忍具の謎を解き明かし、現代に役立てる~」
 部門 :物理学・天文学
 
大森(おおもり) 春音(はるね) さん 長崎県立長崎北陽台高等学校(長崎県)3年    
浦川(うらかわ) 大輝(だいき) さん 長崎県立長崎北陽台高等学校(長崎県)3年
 テーマ:「フトヘナタリの「表現型可塑性」に関する研究」
 部門 :動物科学
 
※部門はISEFの参加部門を記載。
※文部科学大臣表彰は、研究分野別に設定された21の部門ごとに選出される1等から4等までの優秀賞を受賞した生徒等が対象となる。

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4.参加国数/人数

64の国・地域/1,638名

5.場所/期間

アメリカ・テキサス州ダラス/
2023年5月15日(月曜日)~5月19日(金曜日)(現地時間)

6.派遣機関

朝日新聞社、読売新聞社

<参考資料>

◆大会概要

○国際学生科学技術フェア(ISEF=International Science and Engineering Fair)は、世界各国から参加した高校生等が、個人またはチームで研究成果を競い合う国際的科学技術コンテストである。アメリカで毎年開催されており、2023年は74回目。
○ISEFは、これまでWestinghouse、Intelが後援してきたが、2020年からRegeneronが後援している。(※)
○日本は、1958年から参加を開始し、本年は65回目の参加。
○本年は、64の国・地域から1,638名の生徒が参加。日本からは11組18名の生徒が参加し、優秀賞2等 1組1名、優秀賞3等 1組1名、優秀賞4等 1組2名、特別賞 3組5名であった。

※Westinghouseは、1886年から1999年まで存在したアメリカの総合電機メーカー、Intelは、アメリカ合衆国の半導体素子メーカー、Regeneronは、アメリカのバイオテクノロジー企業。

◆日本代表団(参加生徒)の日程(現地時間)

2023年5月15日(月曜日)開会式
       16日(火曜日)パネルディスカッション
       17日(水曜日)審査会
       18日(木曜日)スペシャルアワード表彰式
       19日(金曜日)グランドアワード表彰式
 

◆国際学生科学技術フェアにおける直近の日本代表の成績

  2019年(第70回アリゾナ州フェニックス大会)
   優秀賞2等1組2名、優秀賞3等1組1名、優秀賞4等1組3名、特別賞3組6名
    (参加規模:80の国・地域、1,842名)
 2021年(第72回大会(オンライン開催))
   優秀賞3等1組1名、優秀賞4等1組3名、特別賞5組11名
    (参加規模:64の国・地域、1,833名)
 2022年(第73回ジョージア州アトランタ大会(ハイブリッド開催))
   優秀賞3等1組1名、優秀賞4等2組2名、特別賞1組1名
    (参加規模:60以上の国・地域、1,750名)
 
※2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オンラインで開催され56か国・地域から1,255名の生徒等が参加し、日本からは13組18名の生徒等が参加したが、参加者の時差や通信環境等により公平性が担保できないとして審査及び各賞の発表は行われなかった。
 

◆国際学生科学技術フェア(ISEF)について

(1)審査方法
〇自由研究の成果をまとめたウェブ上のプロジェクトボードにプレゼン資料、動画、写真などの資料をアップロードし、審査員は事前にプロジェクトボード上の資料を確認する。その後、現地で対面審査を実施する。審査は研究の課題設定、計画と手法、実施、創造性、プレゼンテーションを評価対象として行われる。

(2)各賞
〇研究分野別に設定された21の部門ごとに1等(1st Award)から4等(4th Award)までの優秀賞(Grand Awards、それぞれ複数の研究が受賞可能) が選出される。
〇優秀賞以外にも、数十の企業、学会、政府団体などが様々な特別賞(Special Award)を設けている。

(3)参加資格・参加枠
〇研究実施当時高校生又は同等の学校・学年に在籍する者。
〇主催者が指定する地域大会ごとに参加枠が定められる。

  ※日本において指定された大会は、「高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC)」(主催:朝日新聞社、テレビ朝日)並びに「日本学生科学賞」(主催:読売新聞社)の2大会。

 

高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC=Japan Science & Engineering Challenge)について

高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC=ジェイセック)は、高校生と3年生までの高等専門学校生を対象に全国から直接、科学自由研究を募集し、大学教授を中心とする専門家による審査を行うコンテスト。朝日新聞社が2003年に創設した。中等教育における理科教育の向上に貢献することで我が国の科学技術水準向上を目指し、また、自発的に考えて課題を解決する力を、若い世代に身につけてもらうことを目的としている。加えて、国際競争力のある人材を育成するために、上位入賞者を国際大会ISEFに派遣し、世界に視野を広げた活躍を促進していく。
今年度は高校生・高専生科学技術チャレンジから以下の生徒等を選抜し、ISEFに派遣。

【個人研究】
 
田中(たなか) 翔大(しょうだい) さん 市立札幌開成中等教育学校(北海道)6年
 テーマ:「バイオリンのハーモニクス奏法における倍音の持続現象に関する数理的研究」
 部門 :物理学・天文学
 
河野(こうの) 百羽(ももは) さん 東京都立大学1年(東京大学教育学部附属中等教育学校(東京都)出身)
 テーマ:「光により誘導される根の緑化の発見」
 部門 :植物科学
 
水谷(みずたに) 紗更(ささら) さん 東京都立小石川中等教育学校(東京都)6年
 テーマ:「炎光光度法を用いたエアロゾル粒子の濃度測定と可視化手法の開発」
 部門 :環境工学
 
小笠原(おがさわら) 優海(ゆうみ) さん 大妻多摩高等学校(東京都)3年
 テーマ:「心地良い「音楽」を「数学」で奏でる」
 部門 :行動・社会科学
 
【チーム研究】
 
安藤(あんどう) 優花(ゆうか) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
石垣(いしがき) 美月(みつき) さん  静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
相原(あいはら) 瑛莉星(えれな) さん 静岡理工科大学静岡北高等学校(静岡県)3年
 テーマ:「空気の微細な気泡と海水の鉄電解を用いたアンモニア製造法」
 部門 :エネルギー:持続可能な材料・設計
 
坂手(さかて) (はるか) さん  慶應義塾大学1年(島根県立浜田高等学校(島根県)出身)
横山(よこやま) 麗乃(れの) さん 島根県立浜田高等学校(島根県)3年
(わたり) 結名(ゆうな) さん  島根県立浜田高等学校(島根県)3年
 テーマ:「植物乳液の防虫効果と利用法」
 部門 :植物科学
 
鶴丸(つるまる) 倫琉(みちる) さん 山口県立徳山高等学校(山口県)3年   
柴崎(しばさき) 湧人(ゆうと) さん 山口県立徳山高等学校(山口県)3年
 テーマ:「忍具「些音聞金」の解明と応用 ~忍具の謎を解き明かし、現代に役立てる~」
 部門 :機械工学
 
箕浦(みのうら) 祐璃(ゆうり) さん 文京学院大学女子高等学校(東京都)3年      
光吉(みつよし) 音葉(おとは) さん 文京学院大学女子高等学校(東京都)3年
 テーマ:「赤い紅の『見える緑』『見えない緑』『光る緑』~墨を用いて紅の緑色光沢を生み出す伝統的な手法の解析~」
 部門 :材料科学

(所属・学年は本大会終了時点)
(テーマ・部門は国内大会でのもの)

日本学生科学賞について

1957年にスタートした日本学生科学賞は、読売新聞社が半世紀を超えて主催してきた日本で最も伝統のある科学コンクール。日本の中学・高校の理科教育を草の根で支え、戦後の復興を担う若者の科学水準を向上させる目的で運営され、多くの科学者や研究者を輩出してきた。物理、化学、生物、地学、広領域、情報・技術、応用数学の各分野で研究作品を募集し、最も優れた作品には内閣総理大臣賞を授与する。ISEFには本賞発足翌年の1958年から代表を派遣しており、これまでの受賞者数も多い。身の回りの小さな疑問から、教科書に書かれている学説への疑問に至るまで、「科学する心」で解明しようと試みる研究作品を期待している。
今年度は日本学生科学賞から以下の生徒等を選抜し、ISEFに派遣。

【個人研究】
 
高田(たかだ) 悠希(はるき) さん 群馬県立高崎高等学校(群馬県)3年
 テーマ:「スマート盲導杖『みちしる兵衛』」
 部門 :情報・技術
 
ブランデル 葉奈(はな) さん 大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎(大阪府)出身
 テーマ:「アリの秘密」
 部門 :物理
 
【チーム研究】
 
大森(おおもり) 春音(はるね) さん 長崎県立長崎北陽台高等学校(長崎県)3年    
浦川(うらかわ) 大輝(だいき) さん 長崎県立長崎北陽台高等学校(長崎県)3年
 テーマ:「フトヘナタリの「表現型可塑性」に関する研究」
 部門 :生物

(所属・学年は本大会終了時点)
(テーマ・部門は国内大会でのもの)

参考資料に関するお問い合わせ先  

朝日新聞社/教育総合本部教育事業部(小林)
TEL 03-5540-7881
○ホームページ 高校生科学技術チャレンジ(JSEC)(※朝日新聞社ウェブサイトへリンク)

読売新聞社/読売新聞東京本社事業局次世代事業部(小山、小池、竹村、千葉)
TEL 03-3216-8598/FAX 03-5200-1877
○ホームページ 日本学生科学賞(※読売新聞社ウェブサイトへリンク)

令和5年度国際科学技術コンテスト優秀者等表彰について

1.文部科学大臣表彰および文部科学大臣特別賞

(1)文部科学大臣表彰
世界的規模の国際科学コンテストにおいて第1位から第3位(リジェネロン国際学生科学技術フェアは研究分野別に設定された21の部門ごとに選出される1等から4等)までに入賞する等、特に優秀な成績をおさめた者等に対し、その功績と栄誉を称え、文部科学大臣表彰を実施する。
 
(2)文部科学大臣特別賞
世界的規模の国際科学コンテストに参加した者等に対し、文部科学大臣特別賞を実施する(ただし、同一の世界的規模の国際科学コンテストについては、前項の表彰と重複して授与することができない)。
また、以下のコンテストにおいて第1位から第3位までに入賞する等、特に優秀な成績をおさめた者に対し、その功績と栄誉を称え、文部科学大臣特別賞を実施する。

1)アジア太平洋数学オリンピック  2)アジア物理オリンピック
3)アジア太平洋情報オリンピック  4)ヨーロッパ女子数学オリンピック
5)ヨーロッパ女子情報オリンピック
 

2.対象となる国際科学技術コンテスト(予定)

 
大会名 2023年
開催予定日
2023年
成績判明予定日
リジェネロン国際学生科学技術フェア 5月15日~5月19日 5/20頃
国際数学オリンピック 7月7日~7月12日 7/12頃
国際化学オリンピック 7月17日~7月24日 7月24日頃
国際生物学オリンピック 7月3日~7月10日 7月11日頃
国際物理オリンピック 7月10日~7月17日 7月17日頃
国際情報オリンピック 8月28日~9月4日 9月4日頃
国際地学オリンピック 8月20日~8月26日 8月26日頃
国際地理オリンピック 8月8日~8月14日 8月14日頃
アジア太平洋数学オリンピック 3月14日 6月初旬頃
アジア物理オリンピック 5月21日~5月28日 5月28日頃
アジア太平洋情報オリンピック 5月20日~5月21日 6月初旬頃
ヨーロッパ女子数学オリンピック 4月14日~4月18日 4月19日
ヨーロッパ女子情報オリンピック 7月15日~7月21日 7月21日頃

 

 

お問合せ先

文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課

冨田、勝屋
電話番号:03-6734-4191

(文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課)