令和4年7月20日
文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しております。このたび「第63回国際数学オリンピック(主催国:ノルウェー(オスロ))」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。 また、文部科学省では、国際的な科学技術コンテストにおいて、特に優秀な成績をおさめた者等に対して文部科学大臣表彰等を行っており、このたびの国際数学オリンピックの成績を踏まえ、受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。 (共同発表:公益財団法人数学オリンピック財団)
金メダル1名、銀メダル4名、銅メダル1名
(上記6名が文部科学大臣表彰を受賞する)
※ 金メダルは参加者の約12分の1、銀メダルは約12分の2、銅メダルは約12分の3の割合で与えられる。
6名の高校生等
◎沖 祐也さん | 灘高等学校(兵庫県) | 3年 | 金メダル |
◎北村 隆之介さん | 東京都立武蔵高等学校(東京都) | 2年 | 銀メダル |
◎新井 秀斗さん | 海城高等学校(東京都) | 3年 | 銀メダル |
◎井本 匡さん | 麻布高等学校(東京都) | 3年 | 銀メダル |
◎三宮 拓実さん | 福岡県立福岡高等学校(福岡県) | 3年 | 銀メダル |
◎北山 勇次さん | 札幌市立札幌開成中等教育学校(北海道) | 6年 | 銅メダル |
(文部科学大臣表彰受賞者を◎、文部科学大臣特別賞受賞者を〇で示す)
※2021年国際数学オリンピックで沖祐也さんは銀メダル、井本匡さんは銅メダルを獲得
104か国・地域/589名
ノルウェー/オスロ(現地開催)
令和4年7月6日(水曜日)~7月16日(土曜日)(日本時間)
公益財団法人数学オリンピック財団
・国際数学オリンピックは1959年にルーマニアにて第1回大会が開催。
・2022年のノルウェー大会は、第63回目。
・日本は、1990年から参加を開始し、毎年6名の生徒を派遣。本年は33回目の参加。
・昨年のロシア大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2年連続のオンライン開催となり、107か国・地域から619名の生徒が参加し、日本は金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル3名受賞、国別順位25位。
・本年のノルウェー大会は、104か国・地域から589名の生徒が参加し、金メダル1名、銀メダル4名、銅メダル1名受賞、国別順位8位。
・2023年の第64回国際数学オリンピックは、日本で開催される予定。
7月6日(水曜日) | 団長団到着 |
7月9日(土曜日) | 選手団到着 |
7月10日(日曜日) | 開会式 |
7月11日(月曜日) | コンテスト1日目 |
7月12日(火曜日) | コンテスト2日目 |
7月13日(水曜日)~14日(木曜日) | 国際交流・観光 |
7月15日(金曜日) | 閉会式 |
7月16日(土曜日) | 帰国(現地発) |
2019年(第60回 イギリス・バース大会)
金メダル2名、銀メダル2名、銅メダル2名
国別順位13位(参加規模:112か国・地域、621名)
2020年(第61回 ロシア・サンクトペテルブルク大会(オンライン開催))
銀メダル5名、銅メダル1名
国別順位18位(参加規模:105か国・地域、616名)
2021年(第62回 ロシア・サンクトペテルブルク大会(オンライン開催))
金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル3名
国別順位25位(参加規模:107か国・地域、619名)
国際数学オリンピック(IMO)は毎年、2日間に渡って3問ずつそれぞれ4時間半で合計6問を解くことを競うコンテストです。今年の問題も数学4分野(代数(A)、組合せ(C)、幾何(G)、整数論(N))から次のように出題されました。
1日目 問題1:C、問題2:A、問題3:N
2日目 問題4:G、問題5:N、問題6:C
問題1は比較的易しい組み合わせ論の問題で、日本選手は非常によくできていました。問題2は関数と不等式についての目新しい問題でしたが、日本選手は全員完答できました。問題3はアイデアが必要な整数論の難問でした。問題4は点が多く複雑な幾何の問題でしたが、日本選手は全員完答できました。問題5は丁寧な場合分けを必要としますが、比較的標準的な整数論の問題でした。問題6はなかなか手掛かりが見つからない、組み合わせ論の難問でした。全体として取り組み易い問題が多く、メダルのボーダーも例年と比べて高くなりました。日本選手は金メダル1、銀メダル4、銅メダル1を獲得し、国別順位8位の成績を収めました。
なお、来年2023 年には、20年ぶりに日本でIMOの 大会が開催されます。今後とも皆様のご支援をお願い申し上げます。
国際数学オリンピックは、世界各国・地域の数学的才能に恵まれた若者を見出し、その才能を伸ばすチャンスを与えること、また世界中の数学好きの若者や教育関係者であるリーダーたちが互いに国際交流を深めることを目的として開催されている。
大会の参加資格は、「コンテスト当日20歳未満で大学教育(または、それに類するもの)を受けていないもの」とされており、各国6名まで参加できる。参加者は1日4時間半、各3問の筆記試験を2日間に渡り取組み、その得点合計でメダルを競う。
第1回大会は、1959年にルーマニアにおいて、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、旧チェコスロバキア、旧東ドイツ、旧ソ連を招待して開催された。その後、1980年を除き毎年7月に開催されている。
日本における国際数学オリンピックへの派遣事業は1988年から企画され、1989年には委員2名が第30回西ドイツ大会を視察し、翌年の第31回北京大会において初めて参加した。当初、事業の運営母体は任意団体であり、有志の寄付によって運営を行っていた。その後、元協栄生命保険株式会社の故川井三郎名誉会長の寄付及び富士通株式会社、元協栄生命保険株式会社、株式会社アイネスの寄付を基金として、1991年3月に文部省(現在の文部科学省)所管の財団として、財団法人数学オリンピック財団が設立され、派遣事業を行ってきた。
財団は2013年4月から内閣府所管の公益財団法人数学オリンピック財団となり、現在、この財団により日本数学オリンピックが実施され、毎年、国際数学オリンピックへの日本代表選手を選抜している。また、2003年国際数学オリンピックが東京で開催されたのを契機に、中学生以下を対象とした日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)が実施されており、若年層の関心とレベルアップを図っている。
川村、勝屋
電話:03-6734-4191(代表)
淺井
電話:03-5272-9790