「世界自閉症啓発デー」を迎えるに当たっての文部科学大臣メッセージについて(令和5年4月2日)

令和5年4月2日

「世界自閉症啓発デー」(4月2日)を迎えるに当たって、文部科学大臣よりメッセージを発信しますので、お知らせします。

概要

平成19年12月に国連総会第3委員会において、自閉症に関する世論の関心を喚起し、早期発見・早期療養、研究を推進するためカタール国の提出した議題である「4月2日を世界自閉症啓発デーに定める決議」が採択されました。

これにより、平成20年度以降、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」として記念することとされ、全ての加盟国において、社会全体が自閉症に対する理解が進むような取組を積極的に行うよう求められています。

文部科学省においても、「世界自閉症啓発デー」の趣旨を踏まえ、自閉症を含め発達障害に関する正しい理解を深めるため、教育関係者をはじめ国民の皆様へ文部科学大臣メッセージを発信いたします。

関係機関である独立行政法人国立特別支援教育総合研究所発達障害教育推進センターの下記サイトにおいては、自閉症をはじめ発達障害に関する各種情報発信を行っています。これを機会に御参照いただけると幸いです。

「世界自閉症啓発デー」に当たっての文部科学大臣メッセージ

4月2日は、国連で定められた「世界自閉症啓発デー」です。我が国では、毎年、4月2日から8日までの1週間を「発達障害啓発週間」とし、自閉症をはじめ、発達障害についての正しい理解が進むよう啓発活動に取り組んでおります。
 
文部科学省では、発達障害をはじめ、様々な課題を抱えている子供たちを誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出す学校教育の実現を目指すとともに、障害のある方が一生を通じて自らの可能性を追求し、その個性や能力を生かして活躍できるよう、学校教育、生涯学習、文化芸術、スポーツ等の各分野において、省内はもちろんのこと、厚生労働省やこども家庭庁等関係省庁とも連携し、横断的・総合的に関連施策を推進しております。
 
そして、発達障害を含め、障害のある子供一人一人の教育的ニーズを踏まえた適切な教育の提供が図られ、「インクルーシブ教育システム」の実現に向けて、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備と、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として取り組んでおります。
 
「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」を昨年12月に公表し、調査結果から、学習面又は行動面で困難を示すとされた児童生徒が通常の学級に一定の割合で在籍していることが明らかになりました。この調査結果なども踏まえ、今後、児童生徒の実態を適切に把握し、必要な支援を組織的に行うための校内支援体制の充実や自らの学校で受けられる通級による指導の促進など、通常の学級に在籍する障害のある子供の支援の充実を図ってまいります。
 
今後も、自閉症を含む障害のある子供たちに更なる学びを充実させるとともに、障害のない子供たちや関係者に対しても、自閉症について理解を深めていくことができるよう取組を進めてまいります。
 
結びに、この「世界自閉症啓発デー」や「発達障害啓発週間」が、全ての教育関係者等にとって、発達障害をはじめとする障害についての理解を深め、本人や保護者の方々の気持ちに寄り添った支援について真摯に考え、実践する契機となり、障害の有無に関わらず誰もがその能力を発揮し、共生社会の一員として共に認め合い、支え合い、誇りを持って生きられる社会の実現につながっていくことを強く期待いたしまして、私からのメッセージといたします。

令和5年4月2日

文部科学大臣 永岡 桂子

 

<参考>

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初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)