国際物理オリンピック参加生徒の成績及び文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

令和3年7月26日

文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しております。このたび、オンラインにより開催された「第51回国際物理オリンピック(主催国:リトアニア(ヴィリニュス))」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。
また、文部科学省では、国際的な科学技術コンテストにおいて、特に優秀な成績をおさめた者等に対して文部科学大臣表彰等を行っており、このたびの国際物理オリンピックの成績を踏まえ、受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。
(共同発表:公益社団法人物理オリンピック日本委員会)

1.受賞状況

金メダル1名、銀メダル3名、銅メダル1名
(上記5名が文部科学大臣表彰を受賞する。)

2.参加者

5名の高校生

3.受賞者詳細:

◎楠元(くすもと) 康生(こうき)さん    久留米大学附設高等学校(福岡県)    3年 (18歳)  金メダル
◎粟野(あわの) 稜也(りょうや)さん   筑波大学附属駒場高等学校(東京都)  3年 (18歳)  銀メダル
◎村山(むらやま) 一央(いお)さん    東京都立武蔵高等学校(東京都)     3年 (17歳)  銀メダル
◎糸永(いとなが) 泰樹(たいき)さん   久留米大学附設高等学校(福岡県)   3年 (17歳)  銀メダル
◎佐藤(さとう) 颯真(そうま)さん     灘高等学校(兵庫県)             3年 (18歳)  銅メダル
(年齢は本大会終了時点のもの)
(文部科学大臣表彰受賞者を◎、文部科学大臣特別賞受賞者を○で示す)

4.参加国数/人数

76か国・地域/368名

5.場所/期間

オンライン開催(大会主催国/都市:リトアニア/ヴィリニュス) /令和3年7月17日(土曜日)~24日(土曜日)(日本時間)

6.派遣機関

公益社団法人物理オリンピック日本委員会

<参考資料>

◆大会概要

・国際物理オリンピックは1967年にポーランドにて第1回大会が開催された。
・2021年のリトアニア大会は、第51回目。
・日本は、2006年から参加を開始し、毎年5名の生徒を派遣。本年は15回目の参加。
・昨年のリトアニア大会は今年に延期された。一昨年のイスラエル大会は、78か国・地域から360名の生徒が参加し、日本は金メダル1名、銀メダル4名受賞であった。
・本年のリトアニア大会は、76か国・地域から368名の生徒が参加し、金メダル1名、銀メダル3名、銅メダル1名の受賞であった。
・来年は、ベラルーシで開催される予定。なお、2022年に予定していた日本大会は、新型コロナウイルス感染拡大により、開催が1年延期になり、2023年に開催予定。

◆日本代表団(参加生徒)の日程

令和3年7月17日(土曜日) 開会式
          18日(日曜日) エクスカーション
          19日(月曜日) 実験問題試験
          20日(火曜日) エクスカーション
          21日(水曜日) 理論問題試験
          22日(木曜日) エクスカーション
          23日(金曜日) エクスカーション
          24日(土曜日) 閉会式

◆参加生徒

◎楠元(くすもと) 康生(こうき)さん    久留米大学附設高等学校(福岡県)    3年 (18歳)  金メダル
◎粟野(あわの) 稜也(りょうや)さん   筑波大学附属駒場高等学校(東京都)  3年 (18歳)  銀メダル
◎村山(むらやま) 一央(いお)さん    東京都立武蔵高等学校(東京都)     3年 (17歳)  銀メダル
◎糸永(いとなが) 泰樹(たいき)さん   久留米大学附設高等学校(福岡県)   3年 (17歳)  銀メダル
◎佐藤(さとう) 颯真(そうま)さん     灘高等学校(兵庫県)             3年 (18歳)  銅メダル
(文部科学大臣表彰受賞者を◎、文部科学大臣特別賞受賞者を○で示す)

◆国際情報オリンピックにおける過去3年の日本代表の成績

2018年(第49回 ポルトガル・リスボン大会)
 金メダル1名、銀メダル4名
 (参加規模:86か国・地域、396名)
2019年(第50回 イスラエル・テルアビブ大会)
 金メダル1名、銀メダル4名
 (参加規模:78か国・地域、360名)
2020年(第51回 リトアニア・ヴィリニュス大会)
 新型コロナウイルス感染拡大により2021年に延期。
 

◆国際物理オリンピック(IPhO=International Physics Olympiad)

国際物理オリンピックは、1967年にポーランドのワルシャワで第1回大会が開催された物理の国際的なコンテスト。参加資格は、20歳未満で且つ大学などの高等教育を受けていないこととされている。各国から高校生等が参加し、物理学に対する興味関心と能力を高め合うとともに、国際的な交流を通じて参加国における物理教育を一層発展させることを目的としている。科学・技術のあらゆる分野において増大する物理学の重要性、また次代を担う青少年の一般的教養としての物理学の有用性を鑑み、開催国を持ち回りとして毎年開催されている。成績優秀者には金メダル(参加者の約8%)、銀メダル(同17%)、銅メダル(同25%)が与えられる。
各国内で選抜された最大5名の代表選手たちが、リーダーやオブザーバーからなる引率役員とともに参加する。従来の現地開催形式では、8日間という長い会期の間、選手は理論問題・実験問題にそれぞれ5時間をかけて挑戦するほか、他の国々からの参加者や主催者と国際的な交流を深めるが、今年はオンライン形式のため、主に試験とオンライン講演会等の実施のみとなった。引率役員は、試験問題についてのオンライン討論会に参加し、自国語への翻訳作業や試験結果についての調整などを担う。現地開催の場合には、現地での交流を通じて各国の引率役員が理科教育推進のための国際的なネットワークを形成し、自国の理科教育を国際標準に照らして見直す良い機会ともなっているが、オンライン開催ではその機会を確保することが難しかった。

◆全国物理コンテスト「物理チャレンジ」について

「物理チャレンジ」は、大学等に入学する前の青少年を対象として物理の持つ面白さと楽しさを体験してもらうことを目的とする全国規模のコンテストで、国際物理オリンピック日本代表選考を兼ねている。
「物理チャレンジ」は、2つの段階から構成されており、一段階目の「第1チャレンジ」は、「理論問題コンテスト」と「実験課題レポート」からなる。理論問題コンテストは全国一斉にオンラインCBT形式(※)で実施し、また実験課題レポートは、参加者が自宅や学校で課題実験に取り組み、レポートにまとめて提出するものである。二段階目の「第2チャレンジ」は、第1チャレンジの総合成績により選抜された約100名が、夏休みに一堂に会する3泊4日の合宿形式のコンテストである。理論問題と実験問題についてそれぞれ5時間の試験を実施する。ここでは成績上位6名に金賞、続く12名に銀賞、続く12名に銅賞、さらに続く若干名に優良賞等を授与する。
第2チャレンジで優秀な成績をおさめた参加者から、翌年の国際物理オリンピックへの参加資格を持つ日本代表候補者を12名選出し、9月に秋合宿を行った後、7か月間にわたる通信添削、実験実習、冬休み及び春休みの合宿研修等の教育研修を実施したのち、最終選考を行い5名の日本代表を決定する。
なお、第2チャレンジは、国際物理オリンピックを模した合宿形式のメリットを活かし、コンテストばかりでなく第一線の研究者との対話や先端研究施設の見学を実施し、参加者同士ならびに参加者と実行委員(物理学研究者)との交流を深める機会を設け、物理に興味を持つ若者にとって充実した4日間となる構成としている。
なお、2021年度は新型コロナウイルス感染拡大により、日程を短縮しオンラインで理論および実験試験を実施する。
※CBT形式とはComputer Based Testingの略称で、インターネットにつないだパソコンやスマートフォンで問題を閲覧して、複数の選択肢から正答をクリックして解答する試験方式のこと。

◆ 本参考資料に関するお問合せ先

公益社団法人物理オリンピック日本委員会 事務局 菊池
電話:03-5228-7406
物理オリンピック日本委員会ホームページ:www.jpho.jp/

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

小田、川村、常盤
電話:03-6734-4191

公益社団法人物理オリンピック日本委員会 事務局

菊池
電話:03-5228-7406

(科学技術・学術政策局人材政策課)