国際数学オリンピック参加生徒の成績及び文部科学大臣表彰受賞者等の決定について

令和3年7月26日

文部科学省では、国立研究開発法人科学技術振興機構を通じて、国際的な科学技術コンテストに参加する若者を支援する事業を実施しております。このたびオンラインにより開催された「第62回国際数学オリンピック(主催国:ロシア(サンクトペテルブルグ))」に参加した生徒が、金メダル等を獲得したとの連絡を受けましたので、報告いたします。
また、文部科学省では、国際的な科学技術コンテストにおいて、特に優秀な成績をおさめた者等に対して文部科学大臣表彰等を行っており、このたびの国際数学オリンピックの成績を踏まえ、受賞者を決定しましたので、併せてお知らせします。
(共同発表:公益財団法人数学オリンピック財団)

1.受賞状況

金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル3名
(上記6名が文部科学大臣表彰を受賞する。)

2.参加者

6名の高校生

3.受賞者詳細

◎神尾(かみお)悠陽(ゆうひ)さん         開成高等学校(東京都)                 3年  (17歳)  金メダル
◎沖(おき)祐也(ゆうや)さん           灘高等学校(兵庫県)                2年  (16歳)  銀メダル
◎床呂(ところ)光太(こうた)さん           筑波大学附属駒場高等学校(東京都)      3年  (18歳)  銀メダル
◎吉田(よしだ)智紀(ともき)さん           東大寺学園高等学校(奈良県)           3年  (17歳)  銅メダル
◎小林(こばやし)晃一良(こういちろう)さん   灘高等学校(兵庫県)                 3年  (17歳)  銅メダル
◎井本(いもと)匡(たすく)さん          麻布高等学校(東京都)                2年  (17歳)  銅メダル
(年齢は本大会終了時点のもの)
(文部科学大臣表彰受賞者を◎、文部科学大臣特別賞受賞者を〇で示す)
※神尾悠陽さんは2020年の国際数学オリンピックで銀メダルを獲得

4.参加国数/人数

107か国・地域/619名

5.場所/期間

オンライン開催(大会主催国/都市:ロシア/サンクトペテルブルグ)/令和3年7月14日(水曜日)~24日(土曜日)(日本時間)

6.派遣機関

公益財団法人数学オリンピック財団

<参考資料>

◆大会概要

・国際数学オリンピックは1959年にルーマニアにて第1回大会が開催。
・2021年のロシア大会は、第62回目。
・日本は、1990年から参加を開始し、毎年6名の生徒を派遣。本年は32回目の参加。
・昨年のロシア大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2か月遅れてオンラインで開催された。105か国・地域から616名の生徒が参加し、日本は銀メダル5名、銅メダル1名受賞、国別順位18位。
・本年のロシア大会も、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2年連続のオンライン開催となり、107か国・地域から619名の生徒が参加し、日本は金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル3名受賞、国別順位25位。
・来年は、ノルウェーで開催される予定。また、2023年には、日本で開催される予定。

◆日本代表団(参加生徒)の日程

令和3年7月18日(日曜日)オンライン開会式
            19日(月曜日)コンテスト第1日目
            20日(火曜日)コンテスト第2日目
            24日(土曜日)オンライン閉会式

◆参加生徒

◎神尾(かみお)悠陽(ゆうひ)さん         開成高等学校(東京都)                 3年  (17歳)  金メダル
◎沖(おき)祐也(ゆうや)さん           灘高等学校(兵庫県)                2年  (16歳)  銀メダル
◎床呂(ところ)光太(こうた)さん           筑波大学附属駒場高等学校(東京都)      3年  (18歳)  銀メダル
◎吉田(よしだ)智紀(ともき)さん           東大寺学園高等学校(奈良県)           3年  (17歳)  銅メダル
◎小林(こばやし)晃一良(こういちろう)さん   灘高等学校(兵庫県)                 3年  (17歳)  銅メダル
◎井本(いもと)匡(たすく)さん          麻布高等学校(東京都)                2年  (17歳)  銅メダル
(文部科学大臣表彰受賞者を◎、文部科学大臣特別賞受賞者を〇で示す)

◆国際数学オリンピックにおける過去3年間の日本代表の成績

2018年(第59回 ルーマニア大会)
 金メダル1名、銀メダル3名、銅メダル2名
 国別順位13位(参加規模:107か国・地域、594名)
2019年(第60回 イギリス大会)
 金メダル2名、銀メダル2名、銅メダル2名
 国別順位13位(参加規模:112か国・地域、621名)
2020年(第61回 ロシア大会)
 銀メダル5名、銅メダル1名
 国別順位18位(参加規模:105か国・地域、616名)

◆日本代表団からのコメント

国際数学オリンピック(IMO)は毎年、2日間に渡って3問ずつそれぞれ4時間半で合計6問を解くことを競うコンテストです。
今年の問題も数学4分野(代数(A)、組合せ(C)、幾何(G)、整数論(N))から次のように出題されました。
1日目 問題1:N、 問題2:A、問題3:G
2日目 問題4:G、 問題5:C  問題6:A
問題1は比較的易しい整数論の問題で、日本選手全員が完答できました。問題2は難しいアイデアを必要とする不等式の問題でしたが、3人の選手が部分点を獲得しました。
問題3は、多くのステップを必要とする幾何の難問でした。問題4は、線分の長さの和の一致を示す目新しい幾何の問題でした。問題5は、アイデアを適切にまとめることが求められる組合せの問題でした。問題6は簡素な見た目で、この位置にしてはやや易しい代数の問題でした。
全体として1日目は問題1と問題2、3の難易度差が大きく、苦労した選手が多かったようです。2日目は1日目とは対照的に、総じて比較的取り組み易い問題が出題されました。結果、選手たちはよく頑張り、金メダル1 銀メダル2 銅メダル3を獲得し、国別順位は25位の成績を収めました。
なお、2023 年には、20年ぶりに日本でIMOの 大会が開催されます。今後とも皆様のご支援をお願い申し上げます。

◆国際数学オリンピック(IMO=The International Mathematical Olympiad)

国際数学オリンピックは、世界各国・地域の数学的才能に恵まれた若者を見出し、その才能を伸ばすチャンスを与えること、また世界中の数学好きの若者や教育関係者であるリーダーたちが互いに国際交流を深めることを目的として開催されています。
大会の参加資格は、「コンテスト当日20歳未満で大学教育(または、それに類するもの)を受けていないもの」とされており、各国6名まで参加できます。参加者は1日4時間半、各3問の筆記試験を2日間に渡り取組み、その得点合計でメダルを競います。成績優秀者には金・銀・銅のメダルが授与されます。金メダルは参加者の約12分の1、銀メダルは約12分の2、銅メダルは約12分の3の割合となっています。
第1回大会は、1959年にルーマニアにおいて、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、旧チェコスロバキア、旧東ドイツ、旧ソ連を招待して開催されました。その後、1980年を除き毎年7月に開催されています。

◆日本数学オリンピック(JMO=Japan Mathematical Olympiad)

日本における国際数学オリンピックへの派遣事業は1988年から企画され、1989年には委員2名が第30回西ドイツ大会を視察し、翌年の第31回北京大会において初めて参加しました。当初、事業の運営母体は任意団体であり、有志の寄付によって運営を行っていました。その後、元協栄生命保険株式会社の故川井三郎名誉会長の寄付及び富士通株式会社、元協栄生命保険株式会社、株式会社アイネスの寄付を基金として、1991年3月に文部省(現在の文部科学省)所管の財団として、財団法人数学オリンピック財団が設立され、派遣事業を行ってきました。
財団は2013年4月から内閣府所管の公益財団法人数学オリンピック財団となり、現在、この財団により日本数学オリンピックが実施され、毎年、国際数学オリンピックへの日本代表選手を選抜しています。また、2003年国際数学オリンピックが東京で開催されたのを契機に、中学生以下を対象とした日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)が実施されており、若年層の関心とレベルアップを図っています。

◆ 本参考資料に関するお問合せ先

公益財団法人数学オリンピック財団 事務局 担当:事務局長 宮下
電話:03-5272-9790
数学オリンピック財団ホームページ:https://www.imojp.org/
 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

小田、川村、常盤
電話:03-6734-4191

公益財団法人数学オリンピック財団

宮下
電話:03-5272-9790

(科学技術・学術政策局人材政策課)