独立行政法人国立科学博物館(令和3年4月1日任命分)

独立行政法人通則法第20条第1項の規定に基づき、独立行政法人国立科学博物館長を任命したので、下記のとおり公表する。
 


【理事長】

1.選任された者

篠田 謙一(65歳)
 

2.前(現)職

国立科学博物館研究調整役・副館長・人類研究部長
 

3.任期

令和3年4月1日~令和8年3月31日
 

4.選任理由

 理事長の選任に当たっては、有識者からの意見、当該法人に求められる機能や役割などを総合的に判断した上で、任命権者である文部科学大臣が選任したものである。
 篠田謙一氏は、平成26年4月から国立科学博物館人類研究部長として同部を統括するとともに、平成27年4月からは研究調整役として研究部全体の統括役を、平成28年4月からは副館長も務めている。
 長年の課題であった新収蔵庫の建設については、効率的で一般にもわかりやすく伝えらえる新収蔵庫像について、強い統率力をもって各研究部等の意見を取りまとめ、建設の実現に導く等、研究組織のトップとして適切に組織の運営を行ってきた。また、平成28年11月から令和2年10月まで日本人類学会会長として同学会の中心的な役割を果たし、全国の大学が所蔵するアイヌ遺骨のウポポイの象徴空間への集約や厚生労働省の戦没者遺骨事業における遺骨収集地への人類学者の派遣を行うなど、マネジメント能力を発揮した。さらに、厚生労働省の「戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議」及び「法医学鑑定ワーキンググループ」構成員、内閣官房のアイヌ政策推進会議「民族共生の象徴となる空間」作業部会の構成員、文部科学省の「大学が保管するアイヌ遺骨の返還に向けた手続き等に関する検討会」委員としても活動するなど、国の政策の進展にも多大に貢献してきた。
 人類学分野の研究においては、自身の研究成果を著した「江戸の骨は語る―甦った宣教師シドッチのDNA」で科学ジャーナリスト賞2019を受賞し、国内の研究機関と共同で北海道礼文島の船舶遺跡から出土した約3800年前の縄文人の全ゲノムを高精度で解読する等、顕著な研究実績を有する人類学研究の第一人者である。
 特別展・企画展等はマスコミ各社との共催であるが、実質的な経費協力を得ながら、国内外の博物館等多くのステークホルダーの利害を的確に調整し成功に導いている。
また、大英自然史博物館等の海外の博物館や研究機関等との強いネットワークを有しており、学術的価値の高い標本資料の展示や事業の連携等、今後の国際的な取り組みの充実が期待できる。
 これら同氏の高いマネジメント能力や研究者としての実績、国内外の博物館を調整する能力等は、館長としての資質に合致するものであり、これらを踏まえ、同氏が国立科学博物館を適確に運営できる最適任者と考え、今般、館長に選任したものである。
 

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大臣官房人事課