夜間中学の設置・充実に向けた取組の一層の推進について(依頼)(令和6年3月29日)

 文部科学省においては、令和5年6月に閣議決定した「教育振興基本計画」等にも記載のとおり、全ての都道府県・指定都市に少なくとも一つの夜間中学が設置されることを目指し、その設置・充実に取り組んでいます。
 このたび、令和5年の地方分権改革に関する提案募集において、鳥取県、京都市、堺市、兵庫県、和歌山県、広島県、関西広域連合から、「夜間中学における遠隔授業に係る要件緩和」に関する御提案をいただき、「令和5年の地方からの提案等に関する対応方針」としてまとめられました。
 学校教育は、学力だけでなく、学校生活全般において、他者と関わりながら、共に学び、人間性を涵養するという役割を担うものであり、夜間中学においても対面で授業を行うことが原則となりますが、例えば生徒の体調や仕事の都合等によりやむを得ず登校できない場合において、欠席者に対する学習支援の一つとして、オンラインを活用し、自宅において授業の配信を受けられるようにすることは可能であり、自宅においてICT環境が整っていない場合には、プライバシー保護やセキュリティ対策等に十分留意しつつ、公民館など自宅外の場所で授業の配信を受けられるようにすることも可能です。
 なお、これらの学習についての評価を適切に行い、その結果を通知表その他の方法により生徒に伝えることは、生徒の学習意欲の維持・向上につながるものであり、各学年の課程の修了や卒業の認定に当たっては、こうした学習も含めた平素の成績を総合的に評価して行うことも可能であるところ、高等学校入学者選抜においては、オンラインを活用した学習を受けたことにより不利益が生じないように配慮していただきますようお願いします。
 また、地方分権改革に関する御提案も踏まえ、地域の実情に応じたより効果的かつ柔軟な遠隔教育の実施が可能となるよう、遠隔教育特例制度の見直しを行うとともに、「義務教育段階における質の高い教育の実現に向けた遠隔教育の活用について(通知)」(5文科初第2543号令和6年3月29日付け文部科学省初等中等教育局長通知)において、義務教育段階における質の高い教育の実現に向けた遠隔教育の活用に関する留意事項等について周知しているところであり、夜間中学においても、この内容について御留意ください。
 各教育委員会におかれては、これらの内容を御了知いただくとともに、夜間中学の設置促進や、教育活動の充実に向けた取組について、一層の推進を図っていただくよう改めてお願いします。
 各都道府県教育委員会におかれては、本事務連絡の内容について、域内の市区町村(指定都市を除く。)教育委員会に対しても周知くださるようお願いします。

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(文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)