4文科教第812号
令和4年8月31日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市・中核市教育委員会教育長
各都道府県知事
各指定都市・中核市市長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
各国公立大学法人の長 殿
大学を設置する各地方公共団体の長
各文部科学省所轄学校法人理事長
各指定教員養成機関の長
放送大学学園理事長
国立特別支援教育総合研究所理事長
文部科学省総合教育政策局長
藤原 章夫
文部科学省初等中等教育局長
伯井 美徳
教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令の公布について(通知)
この度、「教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令(令和4年文部科学省令第30号)」(以下「改正省令」という。)(別添1、2)が令和4年8月31日に公布され、令和5年4月1日から施行されることになりました。
改正の趣旨及び内容等は下記のとおりですので、その趣旨を十分御理解いただき、関係する規定の整備等事務処理上遺漏のないよう願います。
各都道府県教育委員会教育長におかれては、所管の幼稚園及び域内の市区町村教育委員会(指定都市・中核市教育委員会を除く。)に対して、各指定都市・中核市教育委員会教育長におかれては、所管の学校に対して、各都道府県知事におかれては、所管の私立幼稚園、認定こども園、保育所、域内の市(指定都市及び中核市を除く。)区町村認定こども園主管課及び保育主管課に対して、各指定都市・中核市市長におかれては、所管の認定こども園及び保育所に対して、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては、所轄の学校設置会社に対して、各国公立大学法人の長、大学を設置する各地方公共団体の長及び各文部科学省所轄学校法人理事長におかれては、その設置する学校に対して、大学を設置する学校設置会社におかれては、その設置する大学に対して、本改正の周知を図るとともに、適切な事務処理が図られるよう配慮願います。
なお、本通知は、関係資料と併せて文部科学省のホームページに掲載しておりますので、御参照ください。
就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号。以下「認定こども園法」という。)では、幼保連携型認定こども園の保育教諭等は幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方の免許・資格を有することを原則としているが、認定こども園法の施行後10年間(令和6年度末まで)は、幼稚園教諭免許状又は保育士資格のいずれかを有していれば、保育教諭等となることができるとする経過措置を設けている(認定こども園法附則第5条)。
加えて、保育教諭等の幼稚園教諭免許状と保育士資格の併有を促進するため、保育士資格を取得した後、教育職員免許法施行規則(昭和29年文部省令第26号。以下「施行規則」という。)附則第8項で規定する職員としての3年かつ4,320時間以上の良好な勤務経験があり、かつ施行規則附則第10項の表備考第2号で規定する8単位を修得した場合、幼稚園教諭の一種免許状又は二種免許状を取得可能な特例(以下「現行特例」という。)(※)が設けられている(施行規則附則第10項)。
本省令改正は、現行特例の期限である令和6年度末までに、幼稚園教諭免許状及び保育士資格の併有を更に促進するため、現行特例の要件である勤務経験に加えて、幼保連携型認定こども園において保育教諭等としての勤務経験を2年かつ2,880時間以上有する職員については、修得すべき8単位のうち2単位を修得したものとみなす特例(以下「新特例」という。)を設けるものである。
(※)教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令等の公布及び施行について(通知)(平成25年8月8日)
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11402417/www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1338628.htm
幼稚園教諭の一種免許状又は二種免許状の授与を受けようとする者について、施行規則附則第8項に規定する職員として良好な成績で勤務した旨の実務証明責任者の証明を有する3年かつ4,320時間以上の在職年数に加え、幼保連携型認定こども園において園児の教育及び保育に従事する職員として良好な成績で勤務した旨の実務証明責任者の証明を有する在職年数が2年かつ2,880時間以上あるときは、施行規則附則第10項の表備考第二号イ及びホに定める科目について、それぞれ1単位を修得したものとみなすこと。
改正省令は、令和5年4月1日から施行することとすること。
幼保連携型認定こども園とは、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満3歳以上の子どもに対する教育並びに保育を必要とする子どもに対する保育を一体的に行う施設であり、保育教諭等として勤務していれば、教育・保育両方に係る経験を積んでいるものと考えられる。
こうした勤務経験を加味し、実践を通して、幼児の発達に即して、主体的・対話的で深い学びが実現する過程を踏まえて具体的な指導場面を想定して保育を構想する方法や、育みたい資質・能力の育成に必要な教育の方法、教育の技術等について経験を積んでいることから、〈1〉保育内容の指導法(情報機器及び教材の活用を含む。)及び教育の方法及び技術(情報機器及び教材の活用を含む。)(1単位分)、また、幼児理解に関する経験を積んでいることから、〈2〉幼児理解の理論及び方法(1単位分)、計2単位分を修得したものとみなすこととしたこと。
○ 新特例の要件である幼保連携型認定こども園での2年かつ2,880時間以上の勤務経験には、現行特例の適用のため用いる3年かつ4,320時間以上の勤務経験を算入することができないこと。このため、例えば、幼保連携型認定こども園で保育教諭として4年間(5,760時間)の勤務経験を有する者が、現行特例及び新特例の適用により6単位で幼稚園教諭免許状を取得する場合、更に1年間(1,440時間)の勤務経験を要すること。
○ 新特例は園児の教育及び保育に携わった経験を元に必要単位を修得したものとみなすものであることから、勤務経験として参入可能な「幼保連携型認定こども園において園児の教育及び保育に従事する職員」は、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭、助保育教諭、講師(保育教諭に準ずる職務に従事する者に限る。)が該当すること。
○ 幼保連携型認定こども園の保育教諭等は、令和7年4月1日時点で幼稚園教諭免許状及び保育士資格を併有している必要があることを踏まえ、現行特例及び新特例の期限は令和7年3月31日までとなっており、令和7年4月1日以降は現行特例又は新特例を適用して幼稚園教諭免許状を授与することはできないこと。
○ また、上記を踏まえ、授与権者(都道府県教育委員会)においては、令和7年3月31日をもって現行特例又は新特例の在職年数要件を満たす者について、予め実務証明書を見込みで提出させ、令和7年3月31日付けで幼稚園教諭免許状を授与するよう対応願いたいこと。
この場合、実務証明書において、証明書の発行日から令和7年3月31日までに証明事項に変更があった場合は実務証明責任者から授与権者にその旨を申し出ることを明記させる等して、令和7年3月31日までの良好な勤務経験を確実に確認できるよう取り計らうこと。
幼稚園教諭の養成を行う認定課程を置く大学においては、新特例に応じた6単位から構成される講座・科目の開設や科目等履修生の受入れに協力願いたいこと。なお、本特例に応じた講座・科目の受講に当たっては、保育士証の写しを提出させることなどにより、受講者が保育士の登録をしている者かの確認を行うこと。
○ 幼稚園教諭免許状を有する者が保育士資格取得をする場合に、3年かつ4,320時間以上の勤務経験により必要な単位数等を軽減する特例についても、厚生労働省において新特例と同様の制度改正を行ったこと。(別紙4)
別添1 教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令(令和4年文部科学省令第30号)(PDF:65KB)
別添2 教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令(概要)(PDF:423KB)
別添3 幼稚園教諭免許状授与の所要資格の特例の科目と単位数について(PDF:347KB)
別添4 「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」(厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)の一部改正(PDF:866KB)
(教員免許の授与について)
電話番号:03-5253-4111(内線:3969, 3968)
(改正の背景・趣旨について)
電話番号:03-5253-4111(内線:3137)