改正教育公務員特例法に基づく公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正等について(通知)

 

4文科教第816号
令和4年8月31日

各都道府県教育委員会教育長
各指定都市・中核市教育委員会教育長
各都道府県知事
各指定都市・中核市市長
構造改革特別区域法第19条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
各国公立大学法人の長
大学を設置する各地方公共団体の長                                                       殿
各文部科学省所轄学校法人理事長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
放送大学学園理事長
国立特別支援教育総合研究所理事長
教職員支援機構理事長
各指定教員養成機関の長


文部科学省総合教育政策局長
藤原 章夫
文部科学省初等中等教育局長
伯井 美徳

 

改正教育公務員特例法に基づく公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正等について(通知)
 

 先般、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律」(令和4年法律第40号。以下「改正法」という。)が令和4年5月18日に公布され、その概要及び留意事項について、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律等の施行について(通知)」(令和4年6月21日付け4文科教第444号、文部科学事務次官通知。以下「施行通知」という。)において通知したところです。このたび、施行通知の中で、今後示す予定としていた改正法による改正後の教育公務員特例法(昭和24年法律第1号。以下「改正教特法」という。)第22条の2に基づく大臣指針(以下「指針」という。)の改正等について、下表のとおり整備しました。
 改正等の趣旨・概要及び留意事項等は下記のとおりですので、その趣旨を十分御理解いただき、関係する規定の整備等事務処理上遺漏のないよう願います。
 各都道府県教育委員会におかれては、所管の学校(高等専門学校を除く。)及び域内の市区町村教育委員会(指定都市・中核市教育委員会を除く。)に対して、各指定都市・中核市教育委員会におかれては、所管の学校(高等専門学校を除く。)に対して、各都道府県知事におかれては、所轄の学校並びに所管の認定こども園及び域内の市(指定都市及び中核市を除く。)区町村認定こども園主管課に対して、各指定都市・中核市市長におかれては、所管の認定こども園に対して、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては、所轄の学校設置会社に対して、各国公立大学法人の長、大学を設置する各地方公共団体の長及び各文部科学省所轄学校法人理事長におかれては、その設置する学校に対して、大学を設置する学校設置会社におかれては、その設置する大学に対して、本改正の周知を図るとともに、適切な事務処理が図られるよう配慮願います。
 なお、施行通知にも示したとおり、改正法による教特法改正の施行日は令和5年4月1日ですが、新たな教師の学びを早期に実現していく観点から、関係各位におかれては当該施行日を待つことなく、研修等に関する記録や資質の向上に関する指導助言等に関し可能なことから着手し、できる限り速やかに今回の制度改正の趣旨を実現する取組を実施いただくようお願いします。
 また、本通知は、関係資料と併せて文部科学省のホームページに掲載しておりますので、御参照ください。

 

事項

施行日等

教育公務員特例法施行令及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第283号)

令和5年4月1日施行

学校教育法施行規則の一部を改正する省令(令和4年文部科学省令第29号)

公布日(令和4年8月31日)施行

公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正(令和4年文部科学省告示第115号)

令和4年8月31日官報告示

研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドライン

令和4年8月31日策定

指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインの改定

令和4年8月31日改定

 

1. 改正等の趣旨

 グローバル化や情報化の進展により、教育を巡る状況の変化も速度を増している中で、教師自身も高度な専門職として新たな知識技能の修得に継続的に取り組んでいく必要が高まっている。また、オンライン研修の拡大や研修の体系化の進展など、教師の研修を取り巻く環境も大きく変化してきた。
 このような社会的変化、学びの環境の変化を受け、令和の日本型学校教育を実現する「新たな教師の学びの姿」として、教職生涯を通じて探究心を持ちつつ主体的に学び続けること、一人一人の教師の個性に即した個別最適な学びの提供、校内研修等の教師同士の学び合いなどを通じた協働的な学びの機会確保が重要となる。
 こうした新たな教師の学びを実現するとともに、また、改正教特法によって制度化された公立の小学校等の校長及び教員の任命権者等による研修等に関する記録の作成及び資質の向上に関する指導助言等の仕組みを適正に運用するため、公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正、同指針に基づく研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドラインの策定等を行うものである。

 

2. 改正等の概要

第一 教育公務員特例法施行令及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第283号)

1 改正法による教育公務員特例法の改正により、研修を行う主体を「研修実施者」とする等の規定の整理を行ったことに伴い、教育公務員特例法施行令(昭和24年政令第6号。以下「教特法施行令」という。)及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令(昭和31年政令第221号。以下「地教行法施行令」という。)についても研修を行う主体を「研修実施者」とする等の規定の整理を行うこと。(教特法施行令第3条第2号、第4条第2号及び第5号、附則第2項第2号、附則第3項並びに附則第4項並びに地教行法施行令第7条関係)
 
2 その他所要の改正を行うこと。(教特法施行令第1条、第5条及び第7条から第12条まで関係)

第二 学校教育法施行規則の一部を改正する省令(令和4年文部科学省令第29号)

1 小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に、研修主事を置くことができることとすること。(第45条の2第1項等関係)
 
2 研修主事は、指導教諭又は教諭をもってこれに充て、その職務として、校長の監督を受け、研修計画の立案その他の研修に関する事項について連絡調整及び指導、助言に当たることとすること。(第45条の2第2項及び第3項等関係)

第三 公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正(令和4年文部科学省告示第115号)

1 教師に共通的に求められる資質能力を、〈1〉教職に必要な素養、〈2〉学習指導、〈3〉生徒指導、〈4〉特別な配慮や支援を必要とする子供への対応、〈5〉ICT や情報・教育データの利活用の5つの柱で再整理したこと。(三の3(2)関係)
 
2 新たな教師の学びを実現していくための仕組みとして、研修等に関する記録を活用した資質の向上に関する指導助言等について、その基本的な考え方を明記したこと。(二の1(1)関係)
 
3 研修等に関する記録を活用した資質の向上に関する指導助言等を通じた所属教師の資質向上など、所属教師の人材育成に大きな責任と役割を担っている校長に求められる資質能力を明確化するとともに、校長の指標を、教員とは別に策定することを明記したこと。(三の3(1)関係)
 
4 各学校の課題に対応した協働的な学びを学校組織全体で行い、その成果を教職員間で共有することにより、効果的な学校教育活動に繋げるよう、お互いの授業を参観し合い、批評し合うことも含め、校内研修を活性化させることを明記したこと。(二の1(2)及び五の1関係)
 
5 研修の性質に応じて、研修後の成果確認方法を明確化し、特にオンデマンド型については、知識・技能の習得状況を確認するテストも含め、研修企画段階から成果の確認方法を設定することを新たに規定したこと。また、教科指導については、指導主事による定期的な授業観察・指導助言に関し、オンラインの活用も考慮した効果的・効率的な実施体制を整備することを明記したこと。(二の1(3)関係) 

第四 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドラインの策定

1 研修等に関する記録を活用した資質の向上に関する指導助言等に関し、研修履歴の記録の目的、範囲、内容、方法、時期及び閲覧・提供並びに対話に基づく受講奨励の方法・時期等について、その適正な運用の参考となる内容を定めたこと。(第2章関係)
 
2 研修受講に課題のある教師への対応として、期待される水準の研修を受けているとは到底認められない場合の具体例及びその際の対応などを示したこと。(第3章関係)

第五 指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインの改定

1 改正法等の研修に関する制度改正等を踏まえ、指導が不適切な教員に対する人事管理システムの運用の参考となる内容を追加したこと。(1から3まで、6、8及び9関係)
 
2 校長による教諭等の指導状況の把握や「指導が不適切である」教諭等に該当すると考えられる場合の教育委員会への報告・申請に関して、教育委員会の積極的な関与が期待されることについて明記したこと。(3関係)
 
3 「指導に課題がある」教諭等について、指導が不適切な状態に陥らないよう、校長等や指導主事等による指導助言、個別計画書の作成や研修の奨励、校内研修の工夫等を早期かつ効果的に行うことにより、未然防止・早期対応に努めることが重要であることを明記したこと。(9関係)

 

3. 留意事項

第一 教育公務員特例法施行令及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律施行令の一部改正関係

1 2.の第一の改正は、いずれも形式的な規定の整理等を行うものであり、従前からの運用を変更するものではないこと。
 
2 改正後の教特法施行令附則第4項(新設)は、改正前の教特法施行令附則第3項の内容に関して規定位置を変更するとともに、過去に十年経験者研修を受けた指定都市以外の市町村の設置する幼稚園等の教諭等について、中堅教諭等資質向上研修の要否を判断する主体が、幼稚園又は特別支援学校の幼稚部の教諭等については都道府県教育委員会、幼保連携型認定こども園の保育教諭等については都道府県知事であることを明確化する観点から規定ぶり全体を改めたものであること。(改正後の教特法施行令附則第4項関係)

第二 学校教育法施行規則の一部改正関係

1 研修主事の職務規定における「研修」は、そもそも「研究と修養」を意味する用語で、授業研究などの研究活動も含む概念であり、研修主事が担う業務の例としては、以下のような事項が考えられること。
・校内研修・校内研究に関する計画の企画・立案
・校内研修・校内研究のための講師派遣依頼や資料提供依頼等の渉外業務
・校内研修・校内研究に関する校内における他の分掌との調整や運営・取りまとめ
・初任者研修・中堅教諭等資質向上研修等の受講者の受講日程・内容等の計画作成・調整
 
2 今回規定を整備した研修主事は必置のものではないが、校内研修の重要性やその充実が求められていることに鑑み、研修に関する校務分掌を明確化するなど校内研修の活性化に向けた必要な体制を整備すること。その際、一部の教員に業務が偏ることのないよう、校内の分担の見直しや従来から実施している業務の精選等を検討すること。
 
3 今回の改正は、研修主事の標準的な名称・職務規定を定めるものであり、各教育委員会において既に学校管理規則等で「研修主任」などの同趣旨の校務分掌を整備している場合に、必ずしも当該規則等を改正する必要はないこと。

第三 公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正関係

1 任命権者においては、本改正を踏まえ、改正教特法第22条の3に基づく校長及び教員としての資質の向上に関する指標(以下単に「指標」という。)の変更など必要な見直しの検討を行っていただきたいこと。指標を変更しようとする場合には、改正教特法第22条の3第2項に基づき、改正教特法第22条の7に規定する協議会における協議が必要であることに留意すること。他方、任命権者として既に今回改正した指針の趣旨・内容に対応した指標が策定されている場合には、必ずしも指標を変更しなければならないものではないこと。
 
2 指針三の3(2)の文部科学大臣が別に定める「教員に共通的に求められる各事項に係る資質の具体的内容」は、別添3〈4〉のとおりであること。
なお、この内容は校長に求められる資質の基礎となるものでもあること。
また、教職課程を設置する大学等においては、本指針に基づく資質の具体的内容及び関係する任命権者が定める指標の具体的内容を十分に踏まえるとともに、各大学が実施する教職課程の自己点検・評価において、これらの資質が身に付けられるようなものとなっているかの確認の参考とすること。国立の教員養成大学・学部においては、今般の指針改正及び関係する任命権者における指標の見直しの検討を契機として、地域の教育委員会との連携を一層強化し、地域課題に対応したコースやカリキュラムを設定する等、教員の養成・採用・研修の一体的な充実に向けて取り組みを進めるよう留意すること。
 
3 指針五の1の「教員同士の学び合いの機会」については、教科を越えた教員同士の学び合いの他、特別支援学級や通級指導教室、外国人児童生徒等の指導をする教員とそれ以外の教員との間で学び合いの機会を設定すること等も有効であること。
 
4 指針五の4の効果的・効率的な実施方法に関連して、独立行政法人教職員支援機構が提供しているオンデマンド型研修動画「校内研修シリーズ」等(※1)を活用する等も考えられること。
また、同機構では、教師がその資質向上のために受講可能なコンテンツ等の情報を掲載する「新たな教師の学びの検索システム」(※2)を公開しており、当該システムについても積極的に活用いただきたいこと。
 ※1:独立行政法人教職員支援機構
   「校内研修シリーズ」
    https://www.nits.go.jp/materials/intramural/
 ※2:独立行政法人教職員支援機構
   「新たな教師の学びのための検索システム」
    https://kensaku.nits.go.jp/
 
5 指針五の6(2)の改正教特法第22条の7に基づく協議会で、積極的に協議を行うことが望まれる事項の具体例としては、以下のような事項が想定されること(指針で示した内容に、本通知で【例】として具体例を加えた上で、改めて記載したもの)。

〈1〉全般的事項
・指標に示された各事項の具体化及び重点化に関する共通理解
 【例】5つの柱で再整理された教師に求められる資質能力等を踏まえた養成・採用・研修の在り方や育成すべき資質能力に係る具体的なニーズ等に関する共通理解など
・教育委員会と大学・教職大学院との人事交流等を含めた連携体制の在り方
 【例】新たな教師の学びの姿を実現する上での教育委員会と大学・教職大学院との連携の在り方、学部・教職大学院の実務家教員や教育委員会・教育センター職員に係る人事交流など
 
〈2〉養成・採用に関する事項
・中長期的な教員採用見込み者数の情報共有による適時・適切な教職課程の開設
・教職大学院のカリキュラムを含む大学における教員養成の取組、教育委員会における教員採用選考等に関する共通理解
 【例】大学における学修・成績評価、教育実習・学校体験活動の実施方法・時期・期間等、教師養成塾等の志願者の増加、教師を志望する者の資質能力の向上に向けた取組に関する共通理解など
・教職を目指す優秀な学生を引き付け、教員としての就職を促す方策
 【例】高校生等を対象とした取組、大学入試における地域枠の適切な設定、学生への経済的支援、学生の学習指導員等への参加促進、現在教職に就いていない社会人への支援など
・特定分野に強みや専門性を有する教員の養成・採用の在り方
 【例】特別免許状を活用した採用選考、二種免許状を活用した養成・採用、教員採用選考試験における特別選考の実施など
 
〈3〉研修に関する事項
・教育委員会における研修、大学・教職大学院における現職教員向けプログラム等に関する共通理解
・教育委員会と大学・教職大学院が連携・協働して実施する研修プログラムの在り方
・大学・教職大学院での学修と任命権者等が行う研修との関係の在り方
 【例】研修履歴における大学の学びの取扱い、教職大学院修了者に対する初任者研修や中堅教諭等資質向上研修の受講減免、免許状更新講習において提供されてきた教師の学びに係る今後の活用方策、大学・教職大学院における現職教師の学びに係る経費負担の在り方など
・教職大学院修了者等の高い学習意欲を持って学び続ける者へのインセンティブの在り方
 【例】教職大学院進学者への採用留保、教職大学院修了者への教員採用選考試験における特別選考の実施、長期研修制度や大学院修学休業制度の活用、教師の学びを生かしたキャリアパスの設定など

第四 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドラインの策定関係

 教育委員会等においては、本ガイドラインを踏まえ、研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励(研修等に関する記録の作成及び資質の向上に関する指導助言等)を適切に運用されたいこと。その際、同ガイドラインの「終わりに」においても示したとおり、以下の事項について特に御留意いただきたいこと。
 
1 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励の意義は、研修の管理を強化するものではなく、教師と学校管理職とが、研修履歴を活用して対話を繰り返す中で、教師が自らの研修ニーズと、自分の強みや弱み、今後伸ばすべき力や学校で果たすべき役割などを踏まえながら、必要な学びを主体的に行っていくことにあること。
 
2 研修履歴を記録・管理すること自体を目的化しない意識を十分に持ち、指標や教員研修計画とも相俟って、適切な現状把握と主体的・自律的な目標設定の下で、新たな学びに向かうための「手段」として研修履歴を活用することが重要であること。
 
3 記録自体を目的化しない観点から、研修レポートなど教師個人から報告を求めるものは、真に必要なものに厳選し、簡素化を図るとともに、研修履歴の記録の方法についても、できる限り教師個人に負担のかからないような効率的な記録方法とすることも重要であること。
 
4 本ガイドラインは教育委員会等における適正な運用の参考となるよう定めるものであり、特に研修履歴の記録に関し、本ガイドラインで「考えられる」と表記した各種内容については、指標や教員研修計画との関係性も考慮しつつ、法令で定める範囲内において、地域や学校の実情に応じて、いかにその効果を最大化させるかという点を常に意識する必要があること。
 
5 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励の仕組みを実効あるものとすべく、特に教科指導に係る指導助言などを含む効果的な対話に基づく受講奨励のためには、第1章2.の研修推進体制の整備と同時に、指導主事や主幹教諭の配置充実も含め、国と地方が一丸となって、指導体制の充実を図るとともに、学校における働き方改革を強力に進めていく必要があること。

第五 指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインの改定関係

1 校長による教諭等の指導状況の把握に関して、必要となる指導状況の記録等の負担感やその後の対応についての不安感、当該教諭等との人間関係等から、対応を先延ばしするようなことがあってはならないこと。
こうした負担感・不安感を軽減する観点から、校長は早期に教育委員会と情報共有を図るとともに、教育委員会は、必要に応じて、指導に課題がある教諭等の指導力向上に向けた取組を校長に対して促し、又は自ら実施し、その後の改善状況を継続的に把握するなど、学校任せにせず、積極的に関与することが期待されることに加え、弁護士等の法律の専門家への相談体制を整備することなどが望まれること。
校長による「指導が不適切である」教諭等の報告・申請を行う際においても、教育委員会は積極的に関与し、校長と一体となって取り組むことや弁護士等の法律の専門家への相談体制を整備することなどが望まれること。
 
2 「指導に課題がある」教諭等が、指導が不適切な状態に陥らないよう、未然防止・早期対応として研修等に取り組む際には、本ガイドラインの他にも、改正教特法及び関係法令、指標、研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドラインの趣旨及び内容並びに本通知等を参照すること。
 
3 「令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査結果等に係る留意事項について(通知)」(令和4年3月31日付け3文科初第2685号、文部科学省初等中等教育局長、文部科学省総合教育政策局長通知)の第2.1の指導が不適切な教員の認定等についての内容を踏まえていただきたいこと。

第六 その他

1 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関して、国は、研修履歴を記録する全国的な情報システムの構築に向け、研修履歴を記録・活用する任命権者である教育委員会と十分な協議を行いながら、必要な機能等について調査研究を進めることとしていること。その際、当該システムの運用に参画することが想定される独立行政法人教職員支援機構とも連携しつつ、教育委員会や大学・教職大学院、民間等が提供する研修コンテンツを一元的に収集・整理・提供する機能を備えたプラットフォームとの一体的構築についても検討を進める予定であること。これらについて、その進捗を踏まえつつ、適時情報提供する予定であること。
 
2 学校における働き方改革の推進と教師の研修との関係については、「学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)」(平成31年3月18日付け30文科初第1497号、文部科学事務次官通知)の2.(2)〈10〉及び〈11〉並びに「学校における働き方改革の推進に向けた夏季等の長期休業期間における学校の業務の適正化等について(通知)」(令和元年6月28日付け元文科初第393号、文部科学省初等中等教育局長事務代理文部科学審議官通知。以下「令和元年6月通知」という。)の2.(1)の内容を十分に踏まえていただきたいこと。
 
3 教職員研修の効果的・体系的な企画立案に資するよう、教職員研修に関する近年の主な提言等を別添6のとおり取りまとめたので、教育委員会等においては、これも参考に、教職員研修の充実に努めていただきたいこと。
 
4 教育公務員特例法第 22 条第2項に基づく研修(職専免研修)については、令和元年6月通知の3.においても示しているとおり、教育委員会等においては、その趣旨を十分踏まえ、引き続き適正な実施に取り組んでいただきたいこと。
 

4. 別添資料

1 教育公務員特例法施行令及び地方教育行政の組織及び運営に関する施行令の一部を改正する政令(令和4年政令第283号)
〈1〉 概要(PDF:84KB)
〈2〉 条文(PDF:74KB)
〈3〉 新旧対照表(PDF:132KB)
 
2 学校教育法施行規則の一部を改正する省令(令和4年文部科学省令第29号)条文(PDF:52KB)
 
3 公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針の改正(令和4年文部科学省告示第115号)
〈1〉 改正のポイント(PDF:388KB)
〈2〉 改正後本文(PDF:543KB)
〈3〉 改正後本文(変更箇所赤字)(PDF:522KB)
〈4〉 教師に共通的に求められる資質能力の具体的内容(PDF:1MB)

4 研修履歴を活用した対話に基づく受講奨励に関するガイドライン
〈1〉 ポイント(PDF:301KB)
〈2〉 本文(PDF:410KB)
 
5 指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドライン
〈1〉 改定のポイント(PDF:449KB)
〈2〉 改定後本文(PDF:708KB)
〈3〉 改正後本文(変更箇所赤字)(PDF:647KB)
 
6 教職員研修に関する近年の主な提言等(抜粋)(PDF:962KB)

通知

お問合せ先

  (1)全般((2)以外)

総合教育政策局 教育人材政策課 教職員研修係

   電話:03-5253-4111(内線2987,2986)

  (2)指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドライン関係

初等中等教育局 初等中等教育企画課 教育公務員係

   電話:03-5253-4111(内線2079, 2588)

 

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(総合教育政策局教育人材政策課)