大学等における遠隔授業の取扱いについて(周知)

3文科高第9号
令和3年4月2日
 

各国公立大学法人の長 殿
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長 殿
大学及び高等専門学校を設置する各地方公共団体の長 殿
各文部科学大臣所轄学校法人理事長 殿
大学を設置する各学校設置会社の代表取締役 殿
大学及び高等専門学校を設置する公立大学法人を
設立する各地方公共団体の長 殿

 
 
文部科学省高等教育局長
伯井 美徳
                             
 
 
 
大学等における遠隔授業の取扱いについて(周知)
 

 各大学及び高等専門学校(以下「大学等」という。)におかれては,令和2年度の学校運営に当たり,新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための対策を講じつつ,学生の学修機会を確保するための様々な工夫等を講じていただいており,改めて感謝申し上げます。
 令和2年12月22日に規制改革推進会議において取りまとめられた「当面の規制改革の実施事項」において,災害を含めた非常時に,対面授業に相当する効果が得られるとされる状況であれば,オンラインを活用した教育を実施した場合に,特例の授業として認めるとされたことや,デジタル時代にふさわしい仕組みとして,教育現場におけるICTを活用した新たな取組が学生の希望等に応じた形で行われるよう,その内容の一層の充実のための具体的な検討を行い,令和2年度中に政府として取りまとめることとされたことを踏まえ,このたび,大学等における遠隔授業の取扱いを整理いたしましたので,下記のとおりお知らせします。
 国公立大学法人におかれてはその設置する大学に対して,独立行政法人国立高等専門学校機構におかれてはその設置する高等専門学校に対して,大学又は高等専門学校を設置する地方公共団体及び文部科学大臣所轄学校法人におかれてはその設置する大学等に対して,大学を設置する学校設置会社におかれてはその設置する大学に対して,本件について周知されるようお願いします。

 
 
 

1.遠隔授業の実施に関する取扱い

・ 大学設置基準第25条第2項等で規定する遠隔授業により実施する授業科目において修得する単位数は,同令第32条第5項等の規定により60単位を超えないものとして上限が設定されているが,同令第25条第1項等で規定する面接授業により実施する授業科目は,主に教室等において対面で授業を行うことを想定したものであり,例えば,面接授業の授業科目の一部として,いわゆる同時性又は即応性を持つ双方向性(対話性)を有し,面接授業に相当する教育効果を有すると認められる遠隔授業を実施する授業時数が半数を超えない範囲で行われる授業科目については,面接授業の授業科目として取り扱い,上記上限の算定に含める必要はないこと。
 
・ 通信教育を行う大学・学部においては,大学通信教育設置基準第6条の規定により,同令第3条第1項で定める大学設置基準第25条第2項の規定による遠隔授業によって実施する授業科目で修得した単位のみの卒業も認められること。
 
・ 上記取扱いにより,例えば,海外に在住する日本人学生や自国にいる外国人留学生に対し,海外から遠隔授業による履修や日本を訪問し国内で面接授業を履修するなど,柔軟に教育手法を組み合わせて教育が行えるなど,大学での創意工夫が可能であること。
 
・ なお,通信教育を行う大学以外の大学は,学生がキャンパスに来て学ぶことを前提とした学校であり,各大学は,学生に寄り添った対応を講じ,学生が安心し,十分納得した形で学修できる環境を確保することが重要であること。

 
 

2.感染症や災害の発生等の非常時における特例的な措置に関する取扱い

・ 令和2年7月27日付大学振興課事務連絡「本年度後期や次年度の各授業科目の実施方法に係る留意点について」等において示している通り,新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,本来授業計画において面接授業の実施を予定していた授業科目に係る授業の全部又は一部を面接授業により予定通り実施することが困難な場合において,大学設置基準第25条第1項等に規定する面接授業の特例的な措置として遠隔授業を行うなどの弾力的な運用が認められているが,今後も,感染症や災害の発生等の非常時においては,当該感染症や災害等の状況に応じて,本来面接授業の実施を予定していた授業科目に係る授業の全部又は一部を面接授業により実施することが困難な場合において,面接授業の特例的な措置として遠隔授業を行うなどの弾力的な運用が認められること。

 

3.その他

・ 1.で示した遠隔授業の実施に関する取扱いについて,遠隔授業の実施方法・形態として様々なものが考えられることから,今後必要に応じて具体的な取扱い例について,令和2年5月22日大学振興課事務連絡「学事日程等の取扱い及び遠隔授業の活用に係るQ&A等の送付について(5月22日時点)」を更新する形で示す予定であること。
 
・ 2.で示した大学設置基準第25条第1項等に規定する面接授業の特例的な措置として弾力的な運用が認められる遠隔授業の取扱いについては,いわゆる同時性又は即応性を持つ双方向性(対話性)を有し,面接授業に相当する教育効果を有すると認められるものであることなど,令和2年12月23日高等教育局長通知「大学等における新型コロナウイルス感染症対策の徹底と学生の学修機会の確保について」等で示す留意事項について引き続き参照すること。
 
・ 1.2.で示した取扱いについては,留学生についても適用されること。また,留学生に対する学修機会の確保等については,令和3年3月31日高等教育局事務連絡「新型コロナウイルス感染症に関する日本人留学生及び外国人留学生等への情報提供及び学生の学修機会の確保について」を引き続き参照すること。
 
・ 新型コロナウイルス感染症の影響下における授業の実施に当たっては,先に令和3年3月4日付高等教育局長通知「令和3年度の大学等における授業の実施と新型コロナウイルス感染症への対策等に係る留意事項について」において示しているとおり,十分な感染対策を講じた上での面接授業の実施など,学修者本位の教育活動の実施と新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取組に努めること。

 

参考

 ・「本年度後期や次年度の各授業科目の実施方法に係る留意点について」(令和2年7月27日付大学振興課事務連絡)(PDF:146KB)

 ・「大学等における新型コロナウイルス感染症対策の徹底と学生の学修機会の確保について」(令和2年12月23日高等教育局長通知)(PDF:214KB)

 ・「新型コロナウイルス感染症に関する日本人留学生及び外国人留学生等への情報提供及び学生の学修機会の確保について」(令和3年3月31日高等教育局長通知)(PDF:193KB)

 ・「令和3年度の大学等における授業の実施と新型コロナウイルス感染症への対策等に係る留意事項について」(令和3年3月4日高等教育局長通知)(PDF:189KB)

当該通知

お問合せ先

 高等教育局大学振興課法規係
 電話:03-6734-3338