文部省の日本語教育施策の推進に関する調査研究会は、昭和六十年五月、増加する日本語学習者に対応するためには日本語教員の養成機関の量的・質的整備・充実が急務であるとする報告書「日本語教員の養成について」を提出した。同報告書は、国内において五十八年に二、二〇〇人であった日本語教員は、平成十二年(西暦二、〇〇〇年)には二万四、九〇〇人必要となるとの試算を示すとともに、日本語教員養成機関の標準的な教育内容を提示した。
この報告書を受けて、昭和六十年度に、筑波大学及び東京外国語大学に日本語教員養成のための学科が設けられたのをはじめとして、順次国立大学において日本語教員養成学科等の整備が進められ、平成三年度までに合計一五大学に設置された。また、私立大学においても同様に整備されてきている。
さらに、昭和六十二年四月の日本語教員検定制度に関する調査研究会報告「日本語教員検定制度について」に基づき、日本語教員の専門性の確立と日本語教育の水準向上に資することを目的として、六十二年度から日本語教育能力検定試験が財団法人日本国際教育協会の主催により実施され、平成三年度までに約四、八〇〇人がこの試験に合格した。
学制百二十年史編集委員会
-- 登録:平成21年以前 --