一 日本語教育への需要の増大

 我が国が経済を中心として世界的に重要な役割を果たすようになるにつれて、特に昭和五十年代に入って、外国人の日本語学習への需要は急激に高まった。日本国内での日本語学習者は、平成二年には約六万人であるが、これは昭和五十年のほぼ六倍に当たる。また、海外においても、外務省等の調査によれば、六十三年には四十九年の一〇倍近い七三万人に急増し、さらに、中国などで通信教育により日本語を学習している者を含めると日本語学習者数は全体で二〇〇万人とも三〇〇万人とも言われている。これは、国内において、留学生のみならず技術研修生や外国人ビジネスマンが増加したことに加え、海外でも、日本企業就労者、技術者、観光事業関係者等の間で、また学校教育において、日本語学習者が急増したためである。このような日本語教育への需要の増大にこたえるため、特に五十年代後半以降、日本語教育の教員、施設等について様々な積極的な施策が講じられるようになった。

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