八 文化財保存技術の保護

 昭和五十年の法改正により創設された保存技術選定制度によって、技術者の高齢化が著しく後継者難のため今後の文化財保護に大きな支障を来すおそれのあった、保存・修理等のための伝統的な技術・技能について、保護が行われることとなった。有形文化財については、建造物修理関係の木工・彩色、檜皮葺(ひわだぶき)茅葺(かやぶき)、美術工芸品修理関係の木造彫刻・甲冑(かっちゅう)・金工・漆工品等の技術が選定された。一方、無形文化財のうち伝統芸能については、邦楽器、能面等の製作技術が、また、工芸技術については、漆関係や手漉(てすき)和紙関係の用具の製作・修理技術、玉鋼製造技術等がそれぞれ選定された。平成四年三月現在、選定保存技術として三八件が選定され、国の助成の下に、講習会などの後継者養成や記録保存事業が実施されている。

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