三 発展途上国との学術交流

 欧米志向の強かった従来の我が国の学術研究に対し、昭和五十二年の学術審議会建議「発展途上国との学術交流の推進について」は新たに発展途上国との交流推進の重要性を打ち出した。これを受けて、日本学術振興会を通じて五十三年度から、一定の研究領域を対象とした各交流事業ごとに、アセアン諸国を中心とする相手国及び日本においてそれぞれ中心となる大学・研究所(拠点大学)を定め、これを中核とした協力大学・研究所群を包括する大学連合組織により相互に安定かつ波及効果が期待できる方式で学術交流が進められており、平成三年度現在二四の交流が行われている。

 なお、これと関連して同じく昭和五十三年度には、これら発展途上国の若手研究者の養成のため、「論文博士号取得希望者への支援」制度が発足し、その後、対象を中国及び韓国の若手研究者にも拡大し、平成三年度までに、合計一二六人に日本の大学からこの制度により論文博士号が授与された。

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