三 宇宙科学

 我が国の宇宙科学の研究は、宇宙科学研究所(昭和五十六年に東京大学宇宙航空研究所を改組転換)を中心に推進されており、これまでに二〇機の科学衛(惑)星の打上げに成功し、X線天文学等の分野で多くの国際的貢献を行っている。六十年には、M-3SⅡロケットにより、ハレー彗(すい)星探査機「さきがけ」及び「すいせい」を打ち上げ、我が国初の惑星間空間への投入に成功し、また、六十二年二月には、「ぎんが」を打ち上げ、約四百年振りに大マゼラン星雲に出現した超新星を世界で初めてX線でとらえた。平成三年八月に打ち上げた「ようこう」は、太陽活動極大期における太陽フレア、太陽コロナ、太陽磁場等をX線によって総合的に観測を行っている。一方、科学衛星打上げ用ロケットの研究開発は、我が国の自主技術により、全段固体ロケットの開発が進められてきており、二年度から、将来の月・惑星探査計画に備えた大型のロケット(M-Ⅴ型、直径二・五メートル)の開発が進められている。

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