三 青少年の団体活動

 青少年団体には、地域を基盤とした地域青少年団体と、特定の目的の下に結集されたいわゆる目的青少年団体とがあり、このほか、青少年の健全育成を目的にしたものがある。これらの青少年団体は、個々には消長があるものの、青少年教育の上では一貫して大きな役割を果たしてきている。

 青少年団体の活動は、学習活動、ボランティア活動、スポーツ・レクリエーション活動、文化活動、自然体験活動、生産活動など多岐にわたっているが、近年になって「まちづくり」や「むらおこし」などの活動への参加や国際的な交流活動が活発になってきた。しかし、若年人口の減少、就学人口の増加、勤務形態や勉学態様の多様化、地域連帯意識の変容、あるいは青少年の意識の変化や活動要求の多様化、指導者や活動資金の不足など、幾多の課題が指摘されている。このため、それぞれの青少年団体は、事業の開発や充実、指導者の養成や研修機会の拡充、青少年団体活動の重要性の啓発など、各般にわたる努力を重ねている。

 文部省では、これら青少年団体活動への参加を奨励するとともに、指導者が果たす役割の重要性にかんがみ、都道府県が実施する青少年団体指導者研修事業に助成してきた。また、国立の青年の家や少年自然の家、国立オリンピック記念青少年総合センター等においても、青少年団体活動に係る各分野ごとの指導者研修を実施している。他方、全国的規模の青少年団体が行う研究協議会、調査研究、資料作成、国際交流等の社会公共的に意義ある事業に対して助成を行い、青少年団体活動の充実を支援してきている。さらには、平成元年度から、地域や全国規模の青少年団体に対し、青少年が郷土について総合的に学習するとともに、その成果を生かして実践活動を行うことを目的とした青少年ふるさと学習特別推進事業の委嘱を始めた。

 なお、青少年団体活動の振興は、各団体相互の連携が重要な意味を持っているが、全国的規模の青少年団体の連絡組織として昭和二十六年以来活躍してきた中央青少年団体連絡協議会が平成二年に社団法人化され、その活動基盤が強化された。

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