二 私立幼稚園への助成と学校法人化

 私立幼稚園に対する助成は、昭和二十七年に設立された私立学校振興会に国が出資する方法で行われた。特定目的による国庫補助としては、第一次の幼稚園教育振興計画の策定・推進に呼応して三十九年度から園具等の設備整備費補助、四十二年度から施設整備補助が創設された。

 一方、四十五年度から私立の大学、短期大学及び高等専門学校に対する経常的経費の国庫よりの助成制度が創設されるとともに、都道府県において高等学校以下の私立学校に対して同様の経常費助成が行われるよう地方交付税制度を通じて都道府県に対する財源措置が講じられた。さらに、五十年度から国は新たに私立の小・中・高等学校及び幼稚園等に対する経常費助成を行う都道府県に対する助成の充実を図ることになった。しかし、私立幼稚園のうち助成対象とされたのは学校法人立のものに限られ、それ以外の幼稚園は助成対象にならなかった。

 五十年七月に議員立法として私立学校振興助成法並びに私立学校法等の一部を改正する法律が成立し、従来から行われてきた経常費助成に法的根拠が与えられるとともに学校法人以外の者によって設置された私立の幼稚園に対しても、公費助成の道が開かれることになった。公費助成を受けた学校法人以外の者は、学校法人に対すると同様の所轄庁の監督を受けるとともに、その翌年度から五年以内(その後の法改正により一部は六年又は七年以内)に学校法人化の措置をしなければならないことになった。 なお、文部省は立法の趣旨に沿って学校法人化が促進されるようにするため、五十一年と五十七年に通知によって、学校法人の認可基準の緩和や各都道府県の実情に即した弾力的な認可基準等の運用について指導を行った。これらの措置により五十年度には四〇%であった全私立幼稚園に占める学校法人立の幼稚園の割合は、平成三年度には七八%となった。(第六章第一節二参照)

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